転職ノウハウ・コラム

【移住アドバイザー経験者が語る】静岡県民の意外な?!“当たり前”とは?~地域と文化性~ 2025/05/29版

静岡県は、東京圏や中京圏にも近いものの、独自の地域性が根付いている県です。
しかし、実際に住んでいる静岡県民は、"独自“だと気付いていないこともしばしばあります。

筆者自身も静岡県の“当たり前”が、他県では当たり前ではないと知ったのは、上京して環境がガラリと変わってからのことでした。「えっ?!これって静岡県だけだったの?!」と何度も衝撃を受けたものです。

今回は、そんな“静岡県の意外な?!当たり前”をご紹介します。

かつて静岡県は“三国”に分かれていた

静岡県は、東西にとても長く、東海道本線を利用した18切符の旅をする方にとっては、地獄とも言われているほど。各駅停車しか使えないということもありますが、熱海駅から新所原駅まで、なんと県内には41駅もあり3時間程かかります。新幹線の停車駅も6駅あるため、体感としてかなりの長さを感じるだけではなく、実際に東西にとても長い県なのです。

そんな広大な静岡県ですが、その昔、駿河(するが)・遠江(とおとうみ)・伊豆の三つの国に分かれていました。現在では行政区分として、「中部地域」「西部地域」「東部地域」「伊豆地域」に分けられています。

三つの国に分かれていたのは遠い昔の話ですが、実際に暮らしていると、「今も三国に分かれているのでは?」と思ってしまうほど、地域ごとに気質の違いがあると感じています。

例えば、西部地域にある浜松市は「やらまいか精神」が根付いていて、「やろう!やってみよう!!やってやろう!!!」という、情熱的な方が多い印象です。

筆者は、中部地域にある静岡市に暮らしていますが、県内でも“のんびりした気質”と言われることが多く、浜松の方とお話していると、「この人は浜松の人かな?!」とすぐにわかることがあります。それぐらい気質の違いを感じます。

東部地域や伊豆地域の方は、中部地域よりさらにのんびりとしている印象があります。雄大な富士山が身近にあり、温泉や自然に囲まれているからかもしれません。

静岡県民と話す際には、「どちらご出身ですか?」と聞いてみてください。地域の違いが見えてくるかもしれません。

<参考>静岡県35市町行政区分
中部地域:静岡市、島田市、焼津市、藤枝市、牧之原市、吉田町、川根本町
西部地域:浜松市、磐田市、掛川市、袋井市、湖西市、御前崎市、菊川市、森町
東部地域:沼津市、三島市、富士市、富士宮市、御殿場市、裾野市、清水町、長泉町、小山町、函南町
伊豆地域:熱海市、伊豆の国市、伊豆市、伊東市、東伊豆町、西伊豆町、河津町、松崎町、下田市、南伊豆町

静岡県への移住相談・転職支援はこちらから

富士山は、静岡県民にとって「自慢」であり「誇り」である

静岡県民にとって、富士山は身近な存在であり、とても大きな存在です。

富士山の見える地域に住む人は、富士山にかかる「傘雲(かさぐも)」を見て、明日の天気を予測することがあります。富士山に「傘雲」がかかると、明日は雨が降る…。天気を予測することができるほど富士山は身近な存在です。

富士山の写真から、撮影された市町を予測できることもあります。例えば、静岡市から見る富士山は、右肩に「ポコッ」とした部分があるのが特徴です。三島市から見た富士山は、宝永山の部分がくぼんで見えたりします。

富士市、富士宮市、裾野市、御殿場市、小山町など富士山の裾野に住む地域の人たちにとっては、日常的に富士山が見えることが当たり前になっています。富士山から遠く離れた地域でも、富士山が見える場所を探したり、富士山を望める場所が観光スポットになっていたりして、富士山は静岡県民にとって特別な存在であり、自慢であり、誇りでもあります。

“当たり前”の食文化が、実は“当たり前”でなかった

B級グルメブームで「静岡おでん」こと通称「しぞーかおでん」が全国的に知られるようになりました。真っ黒なスープと具材ひとつひとつに串が刺さっているのが特徴です。今でこそ数は減ってしまいましたが、昔は駄菓子屋にもあり子どもたちのおやつとして親しまれていました。かつて一つ数十円と手ごろな値段で気軽に購入できたため、駄菓子屋は駄菓子とおでんを楽しむ子どもたちで賑わっていました。

今でも、静岡市内には「おでん街」があったり、居酒屋やまち中華などでもおでんを食べることができます。

おでんの具として欠かせないのが、「黒はんぺん」です。静岡県では、はんぺんは「黒はんぺん」が当たり前!サバやイワシのすり身を材料とした半円型の灰色の練り物でつみれに近いしっかりとした食感があります。

筆者も「黒はんぺん」が当たり前でしたが、全国的には、「白いはんぺん」が主流であると知ったのは大人になってからのことでした。コンビニのおでんコーナーで白いふわふわの物体を見た時、「あれがはんぺん?!」と衝撃を受けたことがあります。食べてみると、ふわふわと柔らかく、見た目も味も「黒はんぺん」とは全くの別物でした。県外の方にとっての当たり前と静岡県民の当たり前の違いに驚いた瞬間でした。

県内のスーパーマーケットでは、「白いはんぺん」も売っていますが、黒はんぺんの方が主流で、販売面積が大きい傾向があります。

地域の食文化を知ることは、地域を知ることにつながります。

静岡の「黒はんぺん」は、ワサビ醤油で食べても良し、フライパンで軽く焼いたり、フライにしても美味しいので、機会がありましたら食べてみてください。

静岡県への移住相談・転職支援はこちらから

移住者がちょっと驚いた“静岡県の当たり前”

大阪府の大都会から地方都市静岡市へ移住をした方がいます。ビールが好きな方で、居酒屋探しや、地ビールとの出会いが楽しみのひとつのようでした。休みの日には少し遠出をして、山梨県まで富士山を見にドライブに行ったりと、静岡ライフを存分に満喫されている様子です。しかし何度か、地元の方と会話の中で噛み合わず戸惑ったことがあると言っていました。

「静岡の方の言う、「静岡」って、『静岡県』のことじゃなくて、『静岡市』のことなんですね…。」

住んでいると気付かない視点に驚きました。確かに静岡県民の中では、「静岡」といえば「静岡市」を指すのが会話の中での“暗黙”なのかもしれません。

首都圏からの移住した方の話では、移住をした当初、テレビのチャンネルの少なさに驚いたと話していました。その一方で、某局では夕方の情報番組がウィークデーだけではなく、土曜の昼間や日曜夕方にも放送されていることに大変驚いたそうです。

"地方あるある“かもしれませんが、県内のニュースやグルメ、お出かけ情報を得るには、ローカルなテレビ番組がとても頼りになります。実際に、あるグルメ番組で紹介されると、一か月ほど行列ができる店もあるほど。それだけ、テレビの影響力が静岡県は強いのです。

他にもある静岡県のちょっとおもしろい?“当たり前”

静岡県民なら誰もが知っているご当地CMがいくつもあります。イントロを聞いただけで口ずさめるほど、印象に残るものばかり。シリーズ化されているものや、昭和の時代から放送され続けているものまであり、静岡県民共通の知識と言えるかもしれません。

また、県内の小学生が使う通学バックにも共通点があります。通称「横断バック」呼ばれている黄色い手提げバックで、筆者も小学生の頃、愛用していました。

静岡と言えば、お茶!をイメージする方も多くいらっしゃると思います。静岡では、給食の際にやかんでお茶が提供される学校もあり、お茶係があることも。風邪予防にお茶でうがいをするなどお茶は大変身近な存在で、生活の中に根付いています。春の新茶のシーズンになると、「新茶」をいただく機会も増えます。筆者もいただいた香り高い新茶を、日々じっくりと堪能しています。

ものの贈り合いは、“地方あるある”かもしれませんが、静岡県民は「お土産をたくさん買う県民」として、旅行業界では有名だとバスガイドさんに聞いたことがあります。

県外へバスツアーに出掛けた際、立ち寄ったお土産屋さんで大歓迎されました。そして、参加者は驚くほど大量のお土産を購入していた光景が印象的でした。静岡県民は、お土産屋さんにとって“上得意”なお客さんなのを納得した瞬間でした。

東京に住んでいた頃、「静岡の人は優しいイメージがある」と言われたことが何度かあります。きっとお土産をたくさん購入し、お土産を配ることで御礼や挨拶代わりとしたり、幸せのおすそ分けをしている、そんな県民性がそう思わせているのかもしれません。

筆者自身も、旅先のお土産屋さんでは、日頃お世話になっている方の顔が次々と浮かび、ついあれもこれもと手を伸ばしてしまいます。

今回は、ちょっとおもしろい静岡県の当たり前をご紹介しました。
まだまだ静岡県ならではの“ちょっとおもしろい当たり前”があると思います。是非、あなた自身の目で見つけに来てくださいね。

静岡県への移住相談・転職支援はこちらから

Achieve Career(アチーヴキャリア)は、静岡県・愛知県への移住時の転職をサポートしております。地場の求人媒体社である株式会社アルバイトタイムスが運営し、3,100案件を超える豊富な案件ラインナップを含め、移住時の支援金に関する情報提供もさせて頂いております。又、静岡県が推進する「ふじのくにに住みかえる推進本部」構成員として、国内・海外から静岡県への移住者の転職サポートを行っております。


移住時の転職に関しては「移住アドバイザー・藤原啓之(ふじわらひろゆき)」までお問合せ下さい。

【コンサルタント紹介】
藤原啓之 https://achieve.atimes.co.jp/career/consultant/fujiwara
お問合せ 0120-887-708
     https://achieve.atimes.co.jp/contact/


執筆者:齋藤綾(Aya Saito)

静岡生まれのUターン移住経験者。社会人2年目に上京し、「静岡県移住相談センター静岡窓口」で移住コーディネーターとして3年間務めた後、本業を持ちつつ社会的課題をミッションとする団体の広報やサポートを行うパラレルキャリア。旅行と音楽、季節の手仕事が好き。 

Page Top