企業様インタビュー

SAPエンジニア経験者の人事担当が語る、JSOLで働くエンジニアの市場価値 株式会社JSOL HR本部
人財開発部 採用課 課長 田井 宣裕氏
キャリア採用リーダー 白井 友海氏

まずは会社のご説明をお願いいたします。

JSOL企業インタビュー

当社は製造業界や医薬業界を中心に、ITコンサルからシステム導入、保守運用までのトータルコーディネート・サポートを得意としています。これまで、当社はSIerという枠組みで表現されることが多かったのですが、現在我々が社会やお客様にご提供しているサービス内容を踏まえて端的に表現をすると、「SIerでもコンサルティング企業でもない、稀有な存在」という説明をしています。

というのも、当社はITシステムのご提案にとどまらず、お客様の経営課題と未来のIT環境を踏まえた価値提案をしています。そのために、現場業務の理解に最大限に努め、お客様もしくは業界全体の中長期的な将来を見据え、伴走型でお客様の経営・業務課題を見つけ出し、お客様の一歩先からリードをしながらプロジェクトを着実に牽引することを強みとしています。

もともとはSMBCグループの総合情報サービス企業である日本総合研究所を母体としており、2006年に外販向けのサービス提供部門が日本総合研究所から分社し、2009年にNTT データとの資本提携を経て、現在の社名「JSOL」に至りました。近年では2020年に、理化学研究所初のベンチャー出資となった「株式会社理研数理」を、理研鼎業を含む3社で共同設立しました。アカデミアとビジネスの協働に取り組んでいる点も特色と言えます。

日本総合研究所時代のコンサルティング力をはじめとした高度な技術力と業務ノウハウをもとに、NTT DATAが保有するインフラ基盤や開発リソースとのシナジーを活かし、特に製造・医薬の分野を中心としたお客様のビジネスに貢献しています。

また、そうした資本やバックグラウンドを持ちながらも、独立した営業姿勢を保ち、コンサルティングから要件定義、設計・開発や運用保守の全工程をワンストップ型でサービス提供し、かつ高いプライム案件率のもと自力で勝負できるスタンスを貫いている点も、特長的な部分だと思います。

貴社の強みと、競合企業について教えてください。

商材によって競合は異なってくることから一言では伝えきれないのですが、我々の強みとする「SAP」の分野においては、例えば外資大手のコンサルティングファームや国内大手のSIerが競合です。

そうした競合との違いや、当社の強みといった点でいうと、次の3つが挙げられます。

1つ目はスピード感です。
当社の企業規模は大手企業ほどではない中で、ビジネスで競合となるのは大手企業がほとんどです。
それでもお客様に選んでいただき持続的な成長を遂げている理由は、大手企業には実現し得ないスピードで、部門の垣根を超えたフラットな縦横の連携が取れるためです。大きな組織に比べ少数精鋭である分、お客様の困りごとや要求に対して”より柔軟に”対応できるという部分は当社ならではの要素になるのではないでしょうか。

2つ目はやはり、SAPにおける技術力・完遂力です。
SAPを利用されるお客様は全般的に事業規模が大きく、そうした事業規模の大きな企業がSAPの導入や改修などを行うとなった場合、必然的にプロジェクト規模も大きくなります。すると、SAPの導入や改修を請け負う側のIT企業としては、役割・機能等に応じて作業工程を分担したり、元請け、下請け、孫請けといった形で複数のパートナー企業が関わるプロジェクトになりやすい傾向があります。
その点当社では、SAPに強みを置いて組織の育成強化をしてきたこともあり、プロジェクトをしっかり完遂に導くことができる環境や技術力を持ったメンバーが数多く揃っています。実際に、これまで私が担当したお客様の中にも、工程分担型で複数のIT企業が参画したことによりプロジェクト体制が大規模化し、結果としてプロジェクトコントロールがうまくいかずに、そのリカバリのために当社へお声がけを頂いた例もありました。

そして3つ目は一気通貫性です。
大規模プロジェクトを進める中で常に念頭に置くべきは、お客様が真に解決したい課題が、SAPを含めた業務プロセス全体を見直して業務を効率化することだけではなく、新たなビジネスを生み出す仕組み作りであるということです。当社は、上流から下流までワンストップ型でビジネス展開をしており、かつSAP以外にも多様なサービスラインナップを数多く揃えていますので、お客様が解決したい困りごとや課題に対して、スピード感と技術力を兼ね備えながら、システム導入後におけるシステム利活用も踏まえたご提案を全工程で対応できる点が強みとなっています。

とはいえ、お客様の悩みを解決するだけでは差別化にはなりません。
お客様自身も気づいていないような悩みや、日々の業務の中で発生する細かな課題も含めて把握した上で、お客様の中長期的なあるべき姿を伝え、そして解決に繋げることが、他の競合企業との差別化に繋がると考えています。
では、どのようにお客様の課題感を把握しているか? そこは普段からお客様との接点を持つ保守運用のメンバーが日々の気づきとしてキャッチアップしているといった背景があります。
当社では戦略的な意図をもって運用保守のメンバーにも自社プロパー社員を据えており、実際にシステムを活用しているお客様との繋がりをもとに、新たなビジネスの種をお客様と共に創っていく動きを取っています。その狙いはまさに「お客様が抱える悩み、課題、目的といった要素を把握するため」でもあり、当社のビジネス推進の土台部分を担っている重要な領域と考えています。

「より深くお客様の業界を知っている」「お客様の経営課題や、解決策の実現性に関する理解がある」ことこそ、価値提供の源泉であると考えています。したがって、お客様からの提案依頼に対し、業界のあるべき姿を見据えた場合に、より付加価値が提供できると考えた場合は、あえてお客様からの提案依頼通りのご提案をしないこともあったりします。こうした点は、競合のIT企業が実現しにくい付加価値として、当社の強みになっていると思います。

おかげさまで、当社は2021年度からは営業利益率も10%を超える水準で推移してきています。
これも、強みをご評価いただいた結果だと思っており、大手と呼ばれるような競合との競争でも戦えていると感じています。今後も、当社では「強み」をハッキリと磨き、更なる成長に繋げるべく、SAPエンジニアやコンサルタントの採用を強化していきます。

提供 (株)オカムラ

貴社のSAPエンジニアとして活躍するのは、どのような素養が必要でしょうか?

先ほどの「当社の強み」とも通ずる部分になりますが、3点ほどお伝えいたします。

1つ目は「お客様の課題内容やIT環境をヒアリングしながら、SAPをはじめとするシステム環境とお客様の業務内容を構想する上で、システム開発力やテクノロジーをベースとして実現可能性や懸念点等をイメージできる技術力」でしょうか。

SAPのプロジェクトにおけるよくある事例でお話させて頂くと、例えば ”要件定義において外部のコンサルタントが理想的な話やゴールイメージを持ってお客様との合意を取ったものの、いざ実装段階になった時点でその実現性やコストに支障があり、工程が進むうちに問題が大きくなってしまう” といったケースがあります。
お客様からの声としても、要件定義と開発・運用テストの段階で意思疎通に齟齬があり思った通りの形にならなかったといった過去事例についての話を伺うこともあります。
つまり、要件定義でゴールは語れても、実現するための工程知識や技術領域はどうだったのかという問題です。
こうした問題が発生しないようにするために、先ほどお伝えしたような力が必要になります。逆に言えば、これが当社のメンバーがお客様からご評価いただいている点でもあり、今後もぜひ当社の強みとして伸長させたい素養です。

2つ目は「あるべき姿を共に考えようとする姿勢やコミュニケーション力、プロジェクトをリードする力」です。
SAPに限らずの話にはなりますが、例えばIT用語一辺倒でのご説明だけではお客様の理解や信頼を得られません。お客様と同じ目線に立って分かりやすい言葉で、同じゴールを目指していくといった姿勢で臨むことこそが、お客様自身が気づいていないような潜在課題を見つけ出すことに繋がりますし、当社のエンジニアには必要な素養とも言えます。

そして3つ目は「SAPという基幹システムだけに固執するのではなく周辺のシステム環境や全体感を考慮した対応力と提案力」です。この点も、当社の強みである「一気通貫性」に通じる部分になります。
ITを活用したご提案においても、個別最適でのシステム提案ではなく、一連の業務活動を通じてお客様は何を成し遂げたいのかを理解した上で、システム間連携をもとに業務データを組み合わせ新たなビジネス創出をご提案することが、ITをより効果的に利活用するための目的であると捉えています。

SAPエンジニアとして、SAPを活用したIT経験があれば当然嬉しいですが、ここで挙げた3つの素養があれば、十分に当社のSAPエンジニアとしてご活躍いただけるのではないか、と考えています。

SAP経験が無い方が、SAPエンジニアとして活躍した事例はあるのでしょうか?

我々自身が、現在キャリア採用に従事している中で、元Basisエンジニアと元アプリエンジニアという観点で、それぞれ感じていることをご説明します。

<田井氏>
私は元々、SAP経験の無いインフラエンジニアでした。
JSOLへ入社した後は、データセンターの受入やシステム移行を担当しながら、小規模システムのインフラ構築を担当していました。その後、入社5年を経てSAPのインフラ(SAP Basis)の担当に配置転換になっています。異動後は、SAPアカデミーと呼ばれるSAP社の社外研修を受けさせてもらいながら、複数の保守運用案件を担当しました。また、保守運用の領域から移行案件や新規導入案件も経験させていただきました。

私の例でいくと、保守運用業務を通じてお客様との信頼関係を大切にしながら、お客様が抱えている課題感を率直に共有頂けるよう取り組んできました。時にSAP Basis担当の枠を超えて、周辺システムやインフラ基盤全体に関してのご相談をいただくこともでき、社内のインフラメンバやアプリメンバにも協力をいただきながら、課題感に対して解決策を提示し続けていきました。

この経験を振り返ると、仮に技術面でSAP業務が未経験であったとしてもSAPエンジニアとして活躍はできると考えます。ただし、リーダーシップを発揮しながらお客様を先導する役割や、お客様のあるべき姿を捉えながら付加価値を提案し続ける姿勢は、当社のSAPエンジニアとして求められている素養です。
「JSOLで働く中で、お客様や社会に対してこういう姿を実現したい」という高いマインドは持ち合わせていただきたいなと考えています。その中で、SAP領域における技術面でのスキルアップに関しては、継続的に習得できる環境は持ち合わせていますので、その技術習得に向けても貪欲に取り組んでいただける方にお越しいただきたいです。

また、お客様と接する上では、「分からないことを分からないままにしない姿勢」が重要だと思います。
「分からない」ということをあえてお客様にも開示することで、お客様にしっかりと向き合っており、一緒に課題を見つけていきたいというこちらの姿勢を知って頂けると考えています。そして素直に質問し続けることで、お客様自身も気づいていなかった課題を共に見つけることができ、こうした積み重ねがお客様の伴走者としての役割に繋がっていくと考えています。お客様自身が気づいていない課題に目を向けつつ、その点に対して円滑にご提案を差し込んでいける知識、業界理解、トレンドを習得することで、それらを当社としてのスキル、経験、ノウハウとしてお客様に還元することが可能です。

また細かな技術面では、いわゆるSAP Basisの業務経験がなくとも、周辺システムとのデータ連携の仕組みや、AWSやAzureなどのクラウドサービスの導入経験、データベースやジョブスケジューラ、バックアップやシステム監視といったインフラ経験をお持ちの方も、当社でSAP Basisとして活躍していくためには流用できるスキルだと思います。ITはあくまでも「課題を解決する手段」ですから、むしろ課題を見つけることが出来ているか? 解決する能力を持っているか? そのための知識や、不足を補うコミュニケーション力があるかが重要です。

そうした点が備わっていれば、SAP経験の有無にかかわらず、当社ではご活躍いただけるのではないかと思います。

<白井氏>
私も以前はSAPのアプリ領域のエンジニアだったのですが、そうした視点で言うと、顧客となる業界の知識・商流・ビジネスモデルに精通している方でより大きなプロジェクトに参画したいという気概のある人がJSOLにマッチすると考えています。その業界の現状の課題や、その課題が発生している内外の要因、そしてそれらを解決するために必要な対策を検討できる力、その対策とも言えるプロジェクトをリードする力があれば、極端に言えばSAPの経験が無くてもよいのでは…と言えなくもないですが、、。
相応の責任を担う自信をお持ちの方であるならば、結果的には技術面やスキル面で、“経験のある方” にいきつくのかな、とも思ったりはします。

またこれはSAPエンジニアに限らずですが、プロジェクトを俯瞰し完遂する力は重要です。当社の強みでもお伝えした通り、お客様から評価いただいている点として「完遂力」があります。仲の良いお客様からは、「JSOLさんは逃げないよね」と、冗談交じりに言って頂いたこともあります。最後までやり切ることは大変な事ではありますが、SAP以外の分野であってもプロジェクト、そしてお客様やお客様の関係者も、すべてをきちんとリードする力や合意形成力のある方は、きっと当社のSAPエンジニアとしても活躍してくれることと思います。

そうしたことから、選考時には「どういった気持ちでプロジェクトに臨んだのか? お客様のことを考えてプロジェクトをリードしたのか?」等についても、お話を聞かせていただくようにしています。

[参考]
HR本部 人財開発部 採用課 / 課長 田井 宣裕 氏
2007年にJSOLへ入社以降インフラエンジニアとして従事し、特にSAPBasisとしてシステム保守運用案件を歴任。その後SAP Basis保守業務の全体統括をしながら、AWSやAzureを用いたSAP新規導入・移行プロジェクトや、お客様社内インフラのクラウド移行プロジェクトのPMにも従事。直近では経営企画を所管して中期経営計画の策定等に従事し、現在は全社の新卒・キャリア採用業務を管轄している。

HR本部 人財開発部 採用課 / キャリア採用リーダー 白井 友海 氏
2008年にJSOLへ入社以降、SAPアプリエンジニアとして主に消費財メーカーの保守運用案件を担当。その後SAP新規導入プロジェクトのPM・PLに従事し、現在は採用課にてキャリア採用業務の責任者を担当している。

JSOL企業インタビュー

貴社SAPのエンジニアとして実績を積むことで、どんなキャリアに繋がりますか?

「コンサルタント」「マネジメント」の両面で可能性があると思います。

先ほども少し触れたとおり、SAPはお客様の経営課題や業務改善をかなえるための「手段」であり、何より大事なことはお客様のビジネスのさらなる発展に向けた一助を担えるよう、ITという分野で牽引していく気概だと思っています。

当社では、SAPプロジェクトを通して日本を代表するリーディングカンパニーの様々な経営課題や業務フローに触れることが出来ます。そんな環境のなかでお客様を牽引していくために「プロジェクト経験を積み」「最新のIT技術を常に追って研鑽を深める」ことで「お客様と共にプロジェクト導入を成功させ、安定稼働に導く力」を養うことができると考えています。

この経験を通して、「マネジメント」「ITコンサルタント」「業務コンサルタント」など、様々なキャリアに繋がると考えています。

コンサルティングのフィールドに立つうえでもSAPを解決策の選択肢として持つことは強みになりますし、当社で培ったプロジェクト管理や完遂する能力は、どの分野であっても重宝されるはずです。

また、インフラ面でもお客様が利用している様々なアプリケーションとの連携などが発生するため、データとデータを組み合わせるためのシステム間連携といった知見も養えるはずです。
「この技術を組み合わせることで、こういう事が実現できます。」と、各データを組み合わせて提案できるのは当社ならではだと思います。SAPをきっかけに色々なデータが集まるので、例えばそれを「見える化」することで新たなビジネスにどう繋げていくか? 業務をどのように効率化していくか? 等の部分です。
お客様に近い立場で、お客様が抱えている課題を解決する経験が増えるので、自然と自分の引き出しも広がっていきます。そうした意味でも、広がりのあるキャリアは描けるのではないかと感じますね。

JSOLでは大手と呼ばれるSIerや、コンサルティングファームが競合になりますが、競合先と差別化できる部分として、部門の垣根を超えた縦横の連携がしやすい点があります。
例えば、会計を担当するメンバーが販売物流を担当するメンバーと隣同士で相談し、お互いの課題をそれぞれの領域でどのように解決していこうかとアイデアを持ち寄ったり、アプリを担当するメンバーとインフラを担当するメンバーが互いに抱える課題をそれぞれで解決しあったりといった事例です。いわば、社内でお互いに課題や解決策の共有をしやすい組織風土といえます。

このようにスキルや経験値を高めやすい環境である点も、競合他社にはないメリットかなと思います。

それゆえに、若手であってもリーダーとしての経験を積める環境でもあります。案件規模もそうですが、新規・更改・保守など幅広いプロジェクトを抱えていますので、例えば最初は小規模案件のメンバー層からスタートし、そこからチームリーダー、プロジェクトリーダーという順で経験を積むことが出来ます。
そして、いずれは大規模案件にも携わることができるといったステップアップが分かりやすいので、具体的なキャリアアップのイメージをもとに意欲をもって取り組めるのではないでしょうか。

最後に、貴社にとっての「Achieve」とは?

当社の経営理念である、パーパス・ミッション・バリューのうち「バリュー」にあたると考えています。
https://www.jsol.co.jp/company/mp.html
 
バリュー(私たちの価値観)
・生み出す:多様な人財が新しい領域に絶えず挑戦し、新たな価値を創出する。
・やり抜く:お客さまからの期待を原動力に、チーム一丸となって困難に立ち向かい、スピード感を持って最後までやり抜く。
・誠実に:お互いを認め合い、何事も誠実に取り組むことで、誰からも頼られる存在になる。

これが、当社の「バリュー」です。
お客様や社会からこのバリューが認められ、実践している会社と感じていただくことが、当社における「Achieve」と考えております。

お客様にとって、システムへの投資は決して安いものではありません。
お客様にとっては大きな決断が必要です。それだけに、覚悟と責任感をもってやり抜くという点を認めて頂けるよう、これからも邁進していきたいと考えています。
私たちの企業文化として、「誠実」「真摯」といった点を大切にしています。これは、お客様に対して、そして仲間である自社の社員に対してもです。

特に「真摯」といったキーワードは、社員同士の会話の中からも出てくるような、いわばJSOLに根付いたDNAのようなものだとも思います。
そんな環境だからこそ、当社で働く社員自身が自らの市場価値を高めることができているのではないかと、長年SAPエンジニアを経験してきた採用担当だからこそ日々の採用業務を担う中で真に実感しています。

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