【移住アドバイザー経験者が語る】おひとりさま移住~地方での一人暮らしのポイント~ 2025/01/15
暮らしを大きく変えるには、移住がお勧め
「職場と家の往復の日々」「ラッシュアワーに疲れてしまった」「独身は自由さもあるけれど、これからの人生このままでいいのかな、ちょっと不安だなぁ」「やりたいことはたくさんあるのに、一日があっという間に終わってしまう…」など、ふとした瞬間にこのように感じることはありませんか?
今の暮らしを大きく変える方法として、「住まいを変える」「転職をする」という選択肢を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。
移住は、その両方を実現することができ、新しい暮らしを自ら作り上げることができます。
また、移住を視野に入れることで、自身の可能性や視野が広がる可能性もあります。
今回の記事では、おひとりさまで移住を考えている方に向けて、実例を交えながら押さえておきたいポイントをご紹介します。
おひとりさま~それぞれの移住理由~
『推し活』を充実させたい!という理由で、移住を決めた20代の女性がいました。静岡市を選んだのは、新幹線が停車する静岡駅があり、東京と名古屋の中間地点に位置していることに加え、大阪へのアクセスも良く、イベントに参加しやすくなるという理由でした。
移住前はサービス業に従事していたため、週末に休みを取るのが難しく、イベントに参加できず悔しい思いをしていたそうです。そのため、移住先では土日祝日休みの会社を転職先に選びました。未経験の業種への挑戦でしたが、『推し活』を充実させることが目的だったため、『思い切って、やってみよう!』と決意したんだそうです。
初めての一人暮らしで家族は心配していたようですが、『推し活』仲間とSNSで頻繁に交流しているため、不安は全くないと言っていました。
「職場や家族とのしがらみから解放されたい、今の環境から離れたい」という理由で移住をした30代の女性がいました。移住相談窓口で複数回相談したり、移住体験ツアーやお試し住宅等、移住に関する制度をいくつか利用し、慎重に移住準備を進めている方でした。しかし、移住後も不満が多くあり、後悔の気持ちを抱えているようでした。心持ちが変わらなければ、環境が変わったとしても必ずしも幸せになれるわけではありません。しかし、勇気を出して移住を決断した行動力そのものはとても素晴らしいと思いました。
「新しい場所で、新しい人生を歩みたい!」と相談に訪れた50代の女性がいました。
とても前向きで行動力がある方で、移住相談をしてからすぐに就職先と住まいを決め、とんとん拍子に物事が進み、早々に移住を実現しました。年齢的に転職活動が苦戦する可能性もありましたが、彼女の熱意と行動力、人柄の良さが転職を成功させたのだと思います。
移住を実現するための気持ちの整理と計画の立て方
移住を実現させるためには、先ず「なぜ移住をしたいのか」「移住先でどんな暮らしをしたいのか」「自分が大切にしたいことは何か」「移住先での不安はなにか」「今の暮らしのどんなところが不満なのか」など自分の気持ちを整理する作業が必要です。自身の思いをノートに書き出してみることで、自分の中にある本当の気持ちに気付くことができます。
自身の気持ちが見えてきたら、次は情報収集をしましょう。インターネットを活用して情報収集をするだけではなく、移住関連イベントに参加したり、県や市町の移住相談窓口を利用するなど行動をしてみると更に気持ちの整理ができ具体的になります。
気になる市町がある程度定まったら、市町の移住相談窓口へ相談してみることをお勧めします。できれば、第一希望だけではなく、第二、第三希望の地域についても情報収集したり、相談してみると良いかもしれません。『最初からここがいい!』と決めた場所が希望とマッチする場合もありますが、複数市町を知り、比較検討をすることでミスマッチしにくくなるからです。
さらに、現地訪問する際には、地元の人が集うような居酒屋等に足を運んでみるのも良いかもしれません。地域の雰囲気を感じられるだけではなく、地域の情報を得ることができたり、地元の方とつながることができるかもしれないからです。
実際に、移住検討地の居酒屋へ行き、居酒屋に集う地元客と会話をする中で、地元の方の優しさやあたたかさに触れ、移住を決意した方(30代男性)がいます。
当初、移住先は静岡県以外も検討していたそうですが、移住イベントで話しかけられた静岡県内の移住担当者と話した時に、市町の垣根なく、相談者に合うであろう地域をお勧めしてくれた親切なところが静岡県を選ぶきっかけになったそうです。そこから、気になった地域へ足を運び、居酒屋で地元の人たちと会話をしながら、自分にぴったり合う地域を見つけたとのことでした。
移住する前に就職先を必ず決めておこう
勤務希望地や職種、労働条件等を自身の意向で探すことができるのは、おひとりさまのメリットですよね。しかし、首都圏と違い、求人の数や業種が少ない傾向にあり、希望する仕事が見つかりにくい場合があります。
移住検討者の中には、「退職後はしばらく失業保険が貰えるので、移住先で生活が落ち着き慣れたところで、仕事探しを始める!」という方がいましたが、地方ではすぐに仕事が決まるとは限りませんし、なかなか定職に就けなかった場合、生活費が負担となり、移住そのものを後悔する可能性もあります。後悔して違うところへの転居を考えても、資金がなければ動けないため、最悪の場合、八方塞がりになってしまいます。
筆者が東京で12年間勤めた業種(イベント関係)は、地方では求人があまりなく、求人があっても『普通自動車運転免許』が必須でした。私は免許を取得していないため、エントリーすることすら叶いませんでした。しかも、Uターンしてから仕事探しをしたため、定職に就くまでに時間がかかり、不安や焦りに苛まれとても苦しかった記憶があります。
読者の皆さまには筆者と同じような思いをしてほしくないため、移住前に転職エージェントに相談し、採用が決まってからの移住を強くお勧めします。仕事が決まり次第、通勤しやすいエリアに家を借りると通勤ストレスも減ります。また、無職の場合、賃貸物件は契約しにくい傾向がありますので、仕事が決まってからの方が物事の進みが何事も何倍も早くなります。
首都圏と地方での一人暮らしの違い
首都圏と地方での暮らしの面での大きな違いは、公共交通機関が整っていない地域が多く、生活関連施設も点在しており、車が必要となる点です。車がなくても生活できる地域も県内にはありますが、極わずかです。車移動が増えるため、ガソリン代や維持費、場合によっては駐車場代などの出費が増えます。
地方は物価が安いと思われがちですが、全国展開しているスーパーやドラッグストアの商品は、首都圏とあまり変わらない価格で販売されていることもあります。一人暮らしの場合は、ランチ等外食する機会が増えると思いますが、首都圏よりも割高な印象があります。
首都圏に比べて家賃は抑えられるももの、それほど生活コストは安くはならないということを念頭に置き、生活費の見積もりを立てることも大切です。
夜間の安全性についても注意が必要です。首都圏は終電で帰宅しても人が歩いていたり、店が開いていたり、街灯も多くあるため、不安を感じないこともあるかと思います。しかし地方は、街灯が少なく、夜道は真っ暗な地域が多いです。車移動の方が多いため、歩いている人が少ないことにも驚かれるかもしれません。特に女性の一人暮らしの場合は、2階以上やオートロック付きの物件に住む等、首都圏と同様に安全を考えた防犯対策を十分に講じた住まいを選ぶことが大切です。
自由と引き換えにある寂しさを乗り越える方法
移住後しばらくは、新しい暮らしに慣れることに専念したり、新しい環境を楽しみたい気持ちが強くなると思います。
しかし、新しい暮らしに慣れて『移住』から『日常』になってくると、ふとした瞬間に寂しさを感じることがあるかもしれません。また、体調が悪い時や仕事等で辛い事があった場合には、誰かに助けを求めたくなるでしょう。そんな時に、身近に頼れる人や相談できる人がいない状況は辛いですよね。
筆者はUターンだったため、家族や同級生の友人が複数名いましたが、それでも寂しさを感じ、東京に住む友人や家族の元を何度も訪れ、寂しさを紛らわせていました。
新しい友人や知人に出会うのには少し時間がかかりましたが、職場の同僚や仕事を通じて知り合った方々、趣味やボランティア活動、勉強会などを通じて多くの人と出会い、人とのつながりが徐々に増えていきました。
静岡は、美味しいものがたくさんあります。休みの日や一息つきたい時、また力をつけたい時には、美味しいものを食べに出かけています。今ではいきつけのお店もできました。一人で食事に出かけた時に、話しかけてくれる人がいるのは、とても嬉しいものです。
一歩が人生を変える
おひとりさまだからこそ、誰にも邪魔されず自分の人生を自由にデザインすることができます。移住を選択した場合、先ずは小さな一歩として県や市町の情報を見たり、資料を取り寄せたりするのも良いでしょう。
静岡県公式移住サイト「ゆとりすと静岡」は、市町の特徴や魅力、移住関連のイベント情報、相談窓口等、情報がひとつにまとまっており、移住を考える方にとって必要な情報が集約されています。
静岡県公式移住サイト「ゆとりすと静岡」
“いつかではなく今だ!” と思ったタイミングで、ぜひ勇気を持って一歩を踏み出してみてください。
Achieve Career(アチーヴキャリア)は、静岡県・愛知県への移住時の転職をサポートしております。地場の求人媒体社である株式会社アルバイトタイムスが運営し、3,400案件を超える豊富な案件ラインナップを含め、移住時の支援金に関する情報提供もさせて頂いております。又、静岡県が推進する「ふじのくにに住みかえる推進本部」構成員として、国内・海外から静岡県への移住者の転職サポートを行っております。
移住時の転職に関しては「移住アドバイザー・藤原啓之(ふじわらひろゆき)」までお問合せ下さい。
【コンサルタント紹介】
藤原啓之 https://achieve.atimes.co.jp/career/consultant/fujiwara
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執筆者:齋藤綾(Aya Saito)
静岡生まれのUターン者。社会人2年目に上京し、「静岡県移住相談センター静岡窓口」で移住コーディネーターとして3年間務めた後、本業を持ちつつ社会的課題をミッションとする団体の広報やサポートを行うパラレルキャリア。旅行と音楽、季節の手仕事が好き。