おすすめのノーコードツール5選！注目されている背景や「ノーコードエンジニア」へのキャリアパス　2025/10/24版

近年、プログラミングの経験がなくても、オリジナルのアプリケーションを開発できる「ノーコードツール」が注目を集めています。

しかし、選択肢が多く「結局どのツールが自分の目的に合っているのか」と、最初の一歩でつまずいてしまう方も少なくありません。

本記事では、今注目すべきおすすめのノーコードツール5選を厳選し、それぞれの特徴から最適な選び方までを徹底的に解説します。

また「ノーコードエンジニア」として今後キャリアを積み上げていきたい方のために将来性や転職するためのステップまで解説しますので、ぜひご覧ください。

ノーコードツールとは？

ノーコードツールとは、プログラミングコードを一切書かずに、Webサイトやアプリケーションを開発できる「ノーコード」と呼ばれる手法を利用できるサービスです。

従来のシステム開発では、プログラミング言語を学習し、複雑なコードを記述する必要がありました。しかし、ノーコードツールではドラッグ&ドロップやクリック操作といった直感的な方法でシステムの開発が可能です。

具体的には、画面上に用意された命令用のパーツを配置し、動作や連携を設定するだけで、業務システムやWebアプリケーション、モバイルアプリなどを作成できます。

ノーコードツールの活用により、非IT部門の営業担当者や事務スタッフでも、自分たちの業務に必要なシステムを構築できるようになりました。

ノーコードツールの仕組み

ここでは、ノーコードツールの仕組みについて解説していきます。

ノーコードの仕組みとは？
ローコードとの違いとは

ノーコードの仕組みとは？

ノーコードは、あらかじめ用意された命令用の機能を持つパーツを、画面上でパズルのように組み合わせることでアプリケーションや自動化処理を開発できる仕組みになっています。

例えば、ノーコードツールには「ユーザー登録機能」「決済機能」「データ表示機能」といったさまざまな部品がツール内に準備されています。

利用者は用意された部品をドラッグ＆ドロップといった簡単な操作で配置し、それぞれの設定を行うだけで、アプリケーションの開発が出来ます。

ノーコードの部品を使用して構築すると、ツールの背後で自動的にコードが生成され、アプリケーションとして動作するため、利用者は見た目のデザインや機能の流れを考えることに集中できます。

ローコードとの違いとは

ノーコードと比較される開発手法としてローコードというものがあります。類似しているため似たようなものだと考えられやすいですが、実はそれぞれにおいて特徴が異なります。

ノーコードはコードを書かずに開発を完結させる手法であり、プログラミング知識がない人でも扱える点が特徴です。

一方、ローコードは基本的な部分はノーコードと同じような手法で開発しつつ、より複雑な処理や独自のカスタマイズを加えたい場合に、エンジニアが一部コードを記述することを前提とした仕様になっています。

以下の表でさらなる両者の特徴を比較してみましょう。

特徴	ノーコード	ローコード
コード記述	不要	最小限で済む
主な対象者	非エンジニア	エンジニア
開発の自由度	ツールに依存する	比較的高い
必要なスキル	ツールの使用方法	プログラミングの基礎知識

ノーコードが注目されている背景

ここでは、ノーコードが注目されている背景を3つの観点で解説します。

大手企業がノーコードツールの利用に着手しはじめているため
アプリケーション開発についてノーコードの市場規模が大きくなっているため
DXの推進が加速しているため

大手企業がノーコードツールの利用に着手しはじめているため

近年、世界的なIT企業が「ノーコード開発用プラットフォーム」に積極的に投資し、自社製品として展開していることも、注目度を高める要因の一つです。

例えば、Googleは「AppSheet」、Microsoftは「Power Apps」といったノーコードツールを提供し、企業の業務効率化を支援しています。また、日本でも京セラやJALがノーコードを活用して業務効率化を達成しています。

大手企業がノーコード市場に参入することで、ツールの信頼性と機能性が向上するため、注目を集めています。

アプリケーション開発についてノーコードの市場規模が大きくなっているため

ノーコード開発の市場規模は、世界的に驚異的なスピードで拡大しており、成長は今後も続くと予測されています。

例えば、株式会社アイ・ティ・アールが調査した資料によると2022年度のローコード／ノーコード開発市場の国内における売上金額は709億4000万円です。さらに、2025年には1,000億円規模にまで拡大すると予測しており、今後の発展に期待されています。

このようにノーコードに関する市場が年々増加傾向にあるため、多くの企業から注目を集めています。

参考：ITR、国内のローコード/ノーコード開発市場規模推移および予測を発表 – 日本経済新聞

DXの推進が加速しているため

DXとは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスをITに置きかえ、効率化することで競争力を高める取り組みです。

近年、多くの企業がDXへの投資を増やしていますが、実現にはシステム開発や導入が必要になります。従来の開発手法では、企画から実装まで数か月から1年以上かかることも珍しくありません。

一方、ノーコードツールを使えば数週間から数か月で機能の実装が可能です。さらに非IT部門でも開発ができるため、即時性や現場ニーズの反映性といった利点もあり、加えてIT人材不足の解消の一助にもなり得ます。

ノーコードツールの活用により、開発スピード（課題解決のスピード）が向上し、企業は市場の変化へ迅速に対応できる訳です。そうした注目を集めています。

ノーコードツールを活用して開発する4つのメリット

ここでは、ノーコードツールを活用して開発する4つのメリットについて解説します。

導入にかかるコストや工数が小さくなる
デザインイメージを形にしやすい
業務の要件を反映させやすい
修正や改善も容易にできる

導入にかかるコストや工数が小さくなる

ノーコードツールを活用することで、システム開発にかかる時間と費用の削減が可能です。専門的なプログラミングの知識が不要なため、エンジニアを新たに雇用したり、外部の開発会社に高額な費用で委託したりする必要がないためです。

従来であれば数か月から一年かかっていた開発プロジェクトが、数週間から数日で完了することも珍しくありません。さらに、ツールを活用することで月額数千円から数万円の利用料のみで、開発を進められます。

結果として、業務改善や新サービスの開発などビジネスのスピード感にあわせた柔軟な対応が可能になります。

デザインイメージを形にしやすい

ノーコードツールは視覚的な操作で開発を進めるため、頭の中にあるアイデアやデザインイメージを形にしやすいといった特徴があります。

多くのノーコードツールには、視覚的に分かりやすいエディター機能が備わっており、テキストボックスやボタンなどの部品をドラッグ＆ドロップで配置するだけで画面のデザインが可能です。

結果として「作ってみたらイメージと違った」という状態を減らし、手戻りなどの不要な時間が削減されるため業務効率化につなげられます。

また、営業職の方が顧客管理システムを作る際も、自分が日々使いやすいと感じるデザインを直接形にできるため、業務効率の向上が期待できるでしょう。

業務の要件を反映させやすい

従来のシステム開発では、業務を知らないITエンジニアに要件を説明する必要があり、その過程で細かなニュアンスや現場ならではの工夫が失われることもありました。

一方、ノーコードツールは専門的な知識が不要で誰でも扱えるため、現場を理解している非エンジニアの担当者でもシステムの開発が可能です。結果として、現場業務の要件をシステムに反映させやすくなります。

また、実際に使ってみて「この項目は不要だった」「この機能があればさらに便利」といった気づきがあった際にも、すぐに自分で修正できるため、理想的な業務フローを実現できます。

業務の状況にあわせたシステムを構築できるため、効率化にもつなげられるでしょう。

修正や改善も容易にできる

従来の開発では、一度完成したシステムを修正するには追加の開発費用が発生し、対応にも時間がかかることもありました。

一方で、ノーコードツールで作成したアプリケーションは、後から機能を追加したり、デザインを変更したりするのを編集画面から簡単に行えます。結果として、ビジネス環境の変化やユーザーからのフィードバックに応じて、リリース後も迅速かつ柔軟にシステムの修正や改善を行えるため、常に最適な状態を維持できます。

修正や改善が容易なため、システムの運用後もPDCAサイクルを高速で回し、常にサービスを最適な状態に保ち続けることが可能です。

ノーコードツールで開発する際の注意点

ここでは、ノーコードツールで開発する際の注意点について解説します。

自由度があまり高くない
大規模な開発に向かない
開発したプラットフォームに依存しやすい

自由度があまり高くない

ノーコードツールは、あらかじめ用意された機能やテンプレートを組み合わせてアプリケーションを構築するため、完全にゼロから自由に設計する従来の手法と比べると、実現できることに制限があります。

例えば、特殊なロジックや、独自のアルゴリズムを実装したい場合、ノーコードツールでは対応が難しいでしょう。また、デザイン面でも、ツールが提供するテンプレートやスタイルの範囲内での調整となるため、完全にオリジナルのビジュアルデザインの作成は対応できない可能性があります。

もし、より高度なカスタマイズが必要になった場合は、ローコードを活用することも検討しましょう。

大規模な開発に向かない

ノーコードツールは、小規模から中規模のアプリケーション開発には最適ですが、膨大なデータ量や多数の同時アクセスを処理する大規模なシステム開発には向いていない場合があります。

複雑なロジックや高いパフォーマンスが要求されるシステムの要件にノーコードの機能が対応できない場合があるためです。

ノーコードでシステム開発をする際は、部署内のみなど小規模の範囲で活用するのがおすすめです。

一方、ツールによっては大規模の開発ができるケースもあるため、ノーコードの導入を検討している場合は、各機能を事前に確認しましょう。

開発したプラットフォームに依存しやすい

ノーコードツールで開発したシステムは、利用したプラットフォームに依存しやすい点もデメリットとして挙げられます。

もし、プラットフォーム側で仕様の変更やサービスの終了などが起きてしまうと開発したシステムにも影響がでてしまう恐れがあります。場合によってはシステムが利用できなくなるケースも考えられるでしょう。

また、ツールの月額費用の値上げが発生する場合、ランニングコストが増加します。

ノーコードツールを検討する際は、長期的な視点を持ち、提供元の信頼性や将来性も十分に検討しましょう。

ノーコードエンジニアの将来性

前述したような「ノーコードツール」や「ローコードツール」を用いてアプリケーションを開発するエンジニアのことを「ノーコードエンジニア」や「ローコードエンジニア」と呼称すること出てきました。

そして、そうした人材の需要は今後高まっていくと予想されています。

ノーコードのツールの普及率が増えており、2025年には国内の売上は1,000億円規模まで拡大すると予測されています。今後ノーコードに対する需要が高まり案件が増えることで、ノーコードエンジニアとして活躍できる可能性も広がるでしょう。

実際、以下のようなキャリアアップ事例も増えてきました。

・事務職→ノーコードエンジニア
・アドミニストレータ→ノーコードエンジニア
・インフラ系社内SE→インフラだけでなくアプリ開発も出来る社内SE

一方で、ノーコードのみを扱えるだけでは、市場価値が下がる恐れがあるため適切なスキルアップが求められる点には注意が必要です。

なぜならノーコードは特性上、非エンジニアでも開発が可能です。そのため、ノーコードのみ扱える状態では代替が可能になってしまうためです。「誰でも出来る」といった簡易性があるからこそノーコードツールが普及してきている訳ですから、例えば所定のノーコードツールならではの知識など「専門性」が求められます。

また、ノーコードエンジニアとして活動しながら、プログラミングを学習してローコードや従来の開発まで対応ができるようにスキルアップすることで、需要を高めることも良いかもしれません。

ノーコードエンジニアの年収

求人情報サイト「求人ボックス」のデータによると、ノーコードエンジニアの平均年収は約608万円とされています。

国税庁が発表した令和5年分の民間給与実態統計調査によると、正社員の平均給与は530万円であり、比較すると高い水準といえるでしょう。

一方、ノーコードエンジニアの年収は、スキルや経験、担当するプロジェクトの規模によって大きく変動するため案件や求人の情報を十分に確認してから応募しましょう。

参考：アプリ開発ノーコードの転職・求人情報｜求人ボックス

ノーコードエンジニアに必要なスキルや知識

ここでは、ノーコードエンジニアに必要なスキルや知識について解説します。

プログラミングの基礎知識
仕様の設計能力
ノーコードを活用できるスキル

プログラミングの基礎知識

ノーコードツールを使う場合でも、Webサイトやシステムがどのような仕組みで動作しているか等の基本的な理解は必要です。具体的には、「逐次処理」「判断」「ループ」などのプログラミングにおける基本フローに関する知識や、それに係わる制限や注意点といった知識です。

また、システム開発の要件定義〜運用といった、開発から完成までの一連の工程（プロセス）についても理解しておくことで、成果物を仕上げるまでの工程が計画的に進められます。

プログラミングが出来なくても開発を行えるのがノーコードツールの特徴ではありますが、プログラミングの基礎知識があれば、ツールの能力を最大限に引き出し、トラブル発生時にも的確な対応が可能です。

仕様の設計能力

ノーコードツールを使って実際に開発を始めるためには、仕様設計能力が重要です。仕様設計能力とはシステムに必要な要件や機能、性能、デザインといった情報を定義する能力です。

「仕様」というのはそのアプリケーションが果たす目的をもとに、どういうユーザに対して、どのような機能を、どういったルールや仕組みで構成するかといった決め事です。

一般的なエンジニアの場合は、上流工程を担当するSEが仕様の策定を実施していますが、ノーコードツールは小規模な開発が多い事情もあり、ノーコードエンジニア自身が一人で網羅的に担当するケースが多いです。

もし、システムの仕様が曖昧なまま開発を始めると、後から大幅な修正が必要になり、時間とコストが無駄になってしまう恐れがあります。

利用者や目的、利用場面のことを深く考え、必要な機能や最適な操作フローを設計する能力が求められるでしょう。

ノーコードを活用できるスキル

ノーコードエンジニアとして、実際にノーコードツールを使いこなす技術的なスキルが必要です。

具体的には、ノーコードツールに対する以下のような知見を持ち、扱える必要があります。

各ツールの基本操作
データベースの設定方法
画面レイアウトの作成
条件分岐やデータ処理の設定
外部サービスとのAPI連携など

複数のノーコードツールを扱えるようになれば、案件ごとに最適なツールを選択できるようになり、エンジニアとしての市場価値が高まります。

また、ノーコードツールは頻繁に新機能が追加されるため、継続的に学習し、最新の機能を活用できるようになることも重要です。

将来性のあるIT人材になるための3つのステップ

ここでは、将来性のあるIT人材になるための3つのステップについて解説します。

ノーコードエンジニアになるための勉強をする
ツールでシステムを作ってみる
転職エージェントを活用する

ノーコードエンジニアになるための勉強をする

まずは、ノーコード開発の基本的な知識と、代表的なツールの使い方を体系的に学ぶことから始めましょう。

学習の優先順位としては、まず自分が興味を持ったノーコードツール1つに絞って、基本操作をマスターすることをおすすめします。

また、ITの基本的な知識もあわせて学習しましょう。おすすめの学習方法は以下のとおりです。

オンライン学習プラットフォーム
YouTube
専門書籍

ただ動画を眺めるだけでなく、実際にツールを触りながら学習を進めることで知識やスキルが定着するでしょう。

GoogleAppSheetや、Microsoft Power Apps　などであれば、会社や自宅の環境でも無料で利用できるため、着手しやすいのではないでしょうか。

ツールでシステムを作ってみる

知識がある程度身についたら、実際に自分でシステムを制作しましょう。

例えば、営業職の方であれば、以下のような自身の業務を効率化するアプリの作成がおすすめです。

顧客情報管理アプリ
商談進捗管理ツール
日報入力システムなど

実際に業務で使いながら改善を重ねることで、「使いやすいシステムとは何か」という実践的な感覚が身につきます。

完成した制作物は、スキルを証明するポートフォリオにもなるため、転職へのアピール材料として活用しましょう。

転職エージェントを活用する

ノーコードエンジニアとしての基礎スキルと実績が揃ったら、IT業界専門の転職エージェントに登録し、転職の準備を始めましょう。

転職エージェントは、求人情報の提供だけでなく、職務経歴書の添削や面接対策など、転職活動全般のサポートが受けられます。

特に、未経験からのキャリアチェンジの場合、自分のスキルレベルに合った求人を見つけることが難しい傾向にあります。転職のプロであるキャリアアドバイザーからのアドバイスをもらうことで効率的な転職活動が可能です。

独力で活動するよりも、効率的かつ有利にキャリアチェンジができるでしょう。

ノーコードエンジニアを目指すならアチーヴキャリア

本記事では、ノーコードツールの基本的な仕組みから、おすすめのツール、そしてノーコードエンジニアとしてのキャリアパスまでを網羅的に解説しました。

ノーコードツールは、プログラミング経験がない方でもアプリケーション開発ができる画期的な技術であり、今後のビジネス環境においてますます重要性が高まっていきます。

まずは興味を持ったノーコードツールの学習から始め、実際に自分の業務を効率化するシステムを作成し、経験を武器に転職活動を進めていきましょう。

もし、未経験からノーコード・ローコードエンジニアへとステップアップしたいと考えている方には、IT専門の転職エージェントの活用がおすすめです。

特に愛知や静岡などの東海エリアでノーコード・ローコードエンジニアへの転職をお考えの方には、Achieve Career（アチーヴキャリア）へのご相談をおすすめします。

Achieve Career（アチーヴキャリア）は、愛知や静岡エリアのITエンジニアに強い転職エージェントです。地元で仕事探しをされる方はもちろん、Uターン・Iターン転職をお考えの方も安心してご利用いただけます。

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ノーコードツールとは？