【生産技術】職務経歴書の書き方!見本テンプレート付きでポイントを解説。 2023/4/28版
生産技術職の方が転職を成功させるには、職務経歴書に盛り込むべき内容や大切なポイントを把握しておく必要があります。採用担当者は、職務経歴書から自社が求める人材かどうかを判断するため、手を抜くことなく作成に取り組みましょう。本記事では、生産技術職が職務経歴書に書くべき内容や、具体的な書き方、見本を紹介します。
生産技術職の職務経歴書の見本テンプレート
生産技術職が職務経歴書を作成するにあたり、何をどう書けばよいのかまったくイメージできない、といった方も少なくないでしょう。職務経歴書は、採用担当者に自らの強みや価値を伝えて興味を抱いてもらい、面接ひいては採用につなげるための重要な文書です。そのため、作成する際には全体のイメージを掴んだうえで、ポイントを踏まえて進めなくてはなりません。
職務経歴書を作成する際は、採用担当者が分かりやすいよう「誰が・なぜ・いつ・どこで・何をしたのか」という5要素を意識して書くようにするのがおすすめです。
ここでは、生産技術職向けに、職務経歴書の見本となるテンプレートを用意しました。
まずは、テンプレートを通して見本と後述する書き方の参考にしていただきつつ、文末に掛けてポイントを解説しています。採用担当者のハートを掴む職務経歴書を書き上げましょう。
20●●年●●月●●日現在
氏名:●● ●●
■ 職務要約
2009/04~2016/03 ●●株式会社にて電子機器の生産技術を担当。2011年からは中国工場の工場立ち上げに携わり、生産技術担当として工程設計や品質管理などを幅広く行う。
2016/04~現在 ★★株式会社にて半導体部品の生産技術を担当。生産技術課課長として生産効率改善とコスト削減を担う。
■ 職務経歴
勤務先名 :●株式会社(期間:2009/04~2016/03)
◆事業 :電子機器の製造・販売(東証プライム上場)
◆従業員数:3,000名
◆売上高 :2,000億円
◆雇用形態:正社員
横スクロールでご覧いただけます。
期間 | 業務内容 |
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2009年4月 ~ 2011年3月 |
部署名:技術部 生産技術課 配属 |
【職務】生産技術 【職位】一般職 / チーム人数20名3ヶ月の研修後、生産技術課(静岡工場)へ配属される。
目的・役割 主力製品である電子部品の60%を生産する静岡工場の生産技術担当として、生産効率改善と品質向上を図る。工程設計からライン立ち上げ、保全、工程改善を行う。 目標・成果 2010年 製造工程改善担当として予算比97%、対前年比106%を達成。 内容・手段 CADで作成した図面をCAMに出力して加工することで、より加工精度を高めた。また、社内開発部と打ち合わせ・試作を重ね、設計・製造システムを構築した。結果として、設計-製造間のロスを削減し、間接リードタイムを10%削減できた。 |
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2011年4月 ~ 2016年3月 |
部署名:静岡工場 技術部 生産管理課 |
【職務】生産技術職 【職位】課長 / チーム人数15名中国工場立ち上げプロジェクトのメンバーに選任され、中国工場生産技術課の課長として立ち上げ準備に携わる。
目的・役割 新工場の安定稼働を目的として支援を行う。 目標・成果 現地生産技術課メンバー15名の教育・指導(2年間) 内容・手段 中国工場に5年間赴任し、現地要員への技術継承と育成を行った。 |
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退職理由両親の介護が必要になり、勤務地を限定した働き方を志向したため |
■ 職務経歴
勤務先名 :株式会社●●(期間:2016年4月 ~ 現在 )
◆事業 :半導体、電子部品の製造・販売(非上場)
◆従業員数:250名
◆売上高 :75億円
◆雇用形態:正社員
横スクロールでご覧いただけます。
期間 | 業務内容 |
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2016年4月 ~ 現在 |
部署名:広島本社 生産技術部 電気部品製造課 配属 |
【職務】生産技術 【職位】課長 / チーム人数35名生産技術部に配属され、課長として半導体部品の生産技術全般に携わる。
目的・役割 半導体部品ラインの課題を発見し、改善することが目的。 目標・成果 生産工程の見直しにより、以下の成果を得られた。
内容・手段 さまざまな視点からラインの問題点を分析し、原因の究明・把握に努めた。また社内のロジスティクス部門と連携し、納期調整や数量調整を行い、社内調達業務の効率化を実現した。開発スケジュール管理、コスト管理を担い、安定的な受注につながった。 |
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退職理由生産技術としてのキャリアアップを目指すため。 |
■ 活かせる知識やスキル
- CADを用いた設計・製図スキル
- 半導体と電子部品の製造工程に関する知識
■ 資格
- TOEIC® Listening & Reading Test 800点取得(2011年3月)
- 中国語検定 2級取得(2016年3月)
- 生産技術者マネジメントスキル資格認定試験 合格(2022年10月)
■ 自己PR(以下の点でお役に立てます)
【生産技術担当として海外工場立ち上げに携わった経験】
私はこれまで半導体や電子部品の製造における生産技術担当として、工程設計からライン立ち上げ、保全、工程改善、業務改善まで幅広く経験してまいりました。2013年からの5年間は海外工場(中国)の立ち上げに生産技術担当として携わり、生産工程の設計や測定プログラムの構築を行うことで、工場の稼働を安定させることができました。数多くの海外工場を抱える貴社でも、海外拠点の生産技術担当として即戦力になれると考えています。
【分析力と調整力】
私は持ち前の分析力を活かして、自社内のみならず関連会社のライン改善を行い、生産性向上を実現してまいりました。現状の課題を的確に把握し、改善案を出すことに長けていると自負しています。また、新しい設備の導入や工程の内製化などを行う際には、社内の他部署や顧客先との意見のすり合わせが重要です。私は各部門と密にコミュニケーションを取り、納得いただいたうえで改善を進めるよう心掛けていました。これまでの経験で身につけた多方面との調整力は、貴社での業務にもお役に立てると考えています。
生産技術職の職務経歴の書き方
生産技術職の選考において、採用側は「どのような製品の生産に携わってきたのか」「どのような実績を上げてきたのか」「製品の生産工程に関わる知識・スキルがあるか」といったポイントを重視します。以下に、生産技術職の職務経歴の書き方について解説します。
タイトル・日付・氏名
タイトルとして冒頭に「職務経歴書」と記載します。日付には基本的に作成日を記載しますが、企業へ直接持参する場合は、その日付を記載します。郵送する場合はポストへ投函する日、メールで送る場合は送信日を記載します。氏名には、戸籍に登録されている正式名を書きましょう。姓と名の間にはスペースを設けます。また、採用担当者が氏名を正しく読めるように、必要に応じて読み仮名を記載します。
職務要約
職務要約は、過去の職歴を端的にまとめた要約文です。現在勤めている企業に入社してから、どのような業務に携わり、どういった成果を出してきたのかを分かりやすくまとめましょう。要約文であるため長文は控え、3~4行程度に収めます。
短い要約文ではあるものの、ここで手を抜いてしまうと、採用担当者に最後まで目を通してもらえないおそれがあるため要注意です。採用担当者のもとには、日常的に多くの履歴書や職務経歴書が送られてきます。そのため、個々の職務経歴書にじっくりと目を通す余裕がなく、職務要約を見て興味をもったものだけ最後まで読む、といったことは十分考えられます。
つまり、採用担当者のハートを掴めるかどうかは、冒頭の要約文にかかっていると言っても過言ではありません。少しでも興味をもってもらい面接につながるよう、自身の強みを添えつつ要約していきましょう。
なお、何度か転職しているケースでは、最終学歴と現在勤めている企業に加え、過去に在籍していた企業で取り組んでいた業務なども記載します。すべてを書こうとするとボリュームが増えすぎるため、自分の強みを伝えられそうな要素を厳選して記載しましょう。
職務経歴
職務経歴は、職務経歴書のなかで特にボリュームが多くなる部分です。勤務している企業の規模や事業内容、資本金、規模などを箇条書きで書いたうえで詳細を記載します。
何も工夫せずに書き進めてしまうと、採用担当者が読みにくい職務経歴書に仕上がるおそれがあるため見やすいレイアウトを意識して作成を進めましょう。どこで、何に対し、どのようなことをしてきたか、所属部署やメンバー数、役割、成果、取り組んだ内容などを整理しながら記載します。過去に転職しているケースでは、現在勤めている企業以外の情報も盛り込みます。
活かせる経験・知識・技術
生産技術職として業務に活かせる経験や知識、技術などがあれば盛り込みましょう。いくつもあるのなら、文章ではなく箇条書きで簡潔にまとめると、採用担当者が読みやすくなるためおすすめです。
大切なのは、それらが応募企業での実務に活かせるかどうかです。採用担当者もそこを重視すると考えられるため、活かせる場面を考えながら記載しましょう。生産技術職であれば、たとえば「設備仕様書の作成」「治具の設計や改善」「品質計画の立案と作成」などが考えられます。また、過去の経験で、どのような製品を製造する職場にいたのか? といった情報も、採用担当者の目に留まります。
なぜなら、職務経歴書にある経験が、入社してくれた時に再現性のあるものか否かは、製造している製品の用途や、素材・原料などによって差が出てくると考えられる為です。
生産設備に係わる仕事である為、機械設計、電気設計、制御設計、設備保全といった仕事にも関連する経験もされていると思いますので、キャリアの引き出しとして記載するのが良いでしょう。
生産技術職として活かせる経験は漏れなく記載します。生産技術職の仕事の目的は、品質のよい製品を効率的かつ低コストで製造できる環境の維持や構築です。工程の設計や新たなラインの立ち上げといった、一般的な生産技術職では普段あまり関わらない業務の経験があれば、高く評価される可能性があるため忘れずに記載しましょう。
資格
保有している資格の名称と取得した年月日を記載します。書く際には、正式な名称で記載するよう注意しましょう。
また、文書全体の日付表記をそろえることも大切です。資格の取得年月日は西暦で記載しているのに、冒頭の日付が和暦になっている、といったように同一文書内で表記が異なることの無いよう注意が必要です。基本的には、冒頭の日付で使用したものを文書全体に用いましょう。
加えて、保有している資格はすべて記載しますが、人によっては数多くの資格や免許を取得しており、書ききれないといったケースも考えられます。このような場合には、応募企業の実務に役立つものをメインに記載しましょう。
生産技術職が自身の知識やスキルをアピールできる資格としては「生産技術者マネジメント検定」が挙げられます。製造現場における生産技術のスキルを証明する資格であり、商品企画から物流業務まで幅広い知識を問われる検定です。
ほかにも、「情報処理技術者」や「機械保全技能検定」などを取得していると、生産技術職としての価値をアピールできます。取得しているのなら漏れなく記載しましょう。
自己PR
職務経歴書に記載する自己PRは、自身の価値や採用するメリットを採用担当者に知ってもらえる重要な部分です。「面接してみたい」「働いてもらいたい」と思ってもらえるような内容に仕上げましょう。
採用担当者は、記載されている自己PRの内容から、入社への意欲や仕事への情熱、人柄など内面的な部分を読み取ろうとします。また、この人材を採用することで自社にどういったメリットがあるのか、自社の利益に貢献できる人材か、といったことも見極めようとしているため、自己PRの内容は重要です。
自己PRでは、過去にどのようなことに取り組んだ経験があり、どういった成果を出してきたのかを記載しましょう。たとえば、「工程の見直しと再設計、新たなラインの立ち上げに携わった経験があり、生産性の向上を実現しました」のような具合です。併せて、入社後に取り組みたいことや、自身が組織のなかで何に貢献できるのか、といったこともアピールしましょう。
あまり長くなりすぎないよう、5行程度を目安に仕上げます。また、採用担当者が応募者の前職や業界について精通しているとは限らないため、業界用語や社内用語、専門用語などをできるだけ使用しないのも大切なポイントです。業界や職種特有の文言や言い回しを使いすぎず、適度に改行して読みやすくする、といった工夫も必要です。
生産技術職の職務経歴書を書くときのポイント
職務経歴書は、自分の職歴をただ書き連ねるだけでなく、採用につながるような内容を盛り込むことが大切です。ポイントを踏まえて作成し、採用担当者の興味を引きましょう。
課題解決力をアピールする
生産技術職に求められるスキルとして、課題解決力が挙げられます。生産技術職は、製造現場の効率化を図り、生産性を向上させるのが主な仕事です。そのためには、現状の課題を正確に抽出したうえで、そのときどきに応じた適切な対処をしなくてはなりません。
課題解決力の高さは、生産技術職として価値が高い人材であることの証です。採用担当者への大きなアピールポイントとなるため、過去のエピソードにアピールできる内容を盛り込みましょう。
課題解決力をアピールできる成果は職歴に書きます。たとえば、「製造工程の見直しと改善により、○%のリードタイム短縮に成功した」や「既存ラインの変更に取り組み、生産性を○%向上した」などが挙げられます。また、課題解決にいたる過程で得た知識やスキルがあれば、その内容も盛り込みましょう。
コミュニケーションスキルをアピールする
生産技術職にはコミュニケーションスキルも求められます。製造現場の全体を把握しつつ、効率化や低コスト化を進める必要がある生産技術職は、日々の業務でさまざまな人と関わりをもちます。現場と他部署の橋渡しの役割を担うケースもあるため、コミュニケーションスキルは必須です。
そのため、職務経歴書でもコミュニケーションスキルの高さをアピールしましょう。コミュニケーションスキルが高い、と記載するだけではインパクトが弱く信憑性も低いため、具体的なエピソードを交えて紹介するのが大切なポイントです。
たとえば、「海外の拠点で業務にあたり、現地の従業員とうまくコミュニケーションを取りつつラインの改善に取り組み、生産性を〇%向上させることに成功しました」といった具合です。また、「効率化を実現するため現場の人員とコミュニケーションを密にしつつ、ヒアリングを継続した結果、大幅な業務効率化に成功しました」などもよいでしょう。
実績は数字で分かりやすく記載する
実績をアピールする際には、数字を用いて分かりやすく記載しましょう。生産性を向上させた、コスト削減を実現した、と事実のみを記載しても信憑性が低く、信用してもらえないかもしれません。信憑性を高めるには、「〇人で達成」や「〇%向上」といった具合に、具体的な数値を盛り込む必要があります。
プロジェクトに携わった人数や期間の長さなども数値で記載すれば、採用担当者と認識のすり合わせもできます。職歴のなかに実績を記載する際は、「実績」と別の項目を作って記載すると見やすくなるためおすすめです。
なお、生産技術職は機械設計や電気設計、制御設計へのキャリアも望める職業です。そのため、過去にこれらの関連業務に携わった経験があるのなら、記載しておくことでアピールにつながります。
応募先企業にあわせて職務経歴書を書く
職務経歴書を作成する際には、応募企業が求める人材像を理解したうえで取り組む必要があります。職歴をただ書き連ねるだけでは、採用担当者の心に響かず、面接にもつながりません。
採用担当者の心に響く職務経歴書を作成するには、応募企業のリサーチが必須です。企業がどのような人材を求めているのかを理解できれば、職務経歴書で何をアピールすれば採用につながりやすいのかも見えてきます。
まずは、応募企業のコーポレートサイトに目を通してみましょう。リクルートのページや社長の挨拶、従業員インタビューなどから有益な情報を得られる可能性があります。求人広告の応募要項も隅々までチェックしましょう。
複数の企業へ応募する際には、応募企業ごとに内容を変えることも大切です。求められる人材像が異なる為です。
また、内容を変えるといっても、事実を曲げるのはNGです。事実を記載しつつ、アピールの仕方に工夫をしましょう。
完成後は誤字脱字や記載漏れをチェックする
職務経歴書を書き終えたら、必ず全体をチェックしましょう。誤字脱字や記載漏れがないかをまず確認します。誤字脱字や記載漏れがあると選考に落ちる、とは一概に断言できませんが、採用担当者に「うかつな人」「見直しができない人」といったネガティブな印象を与えかねません。選考に影響を及ぼす可能性は十分あるため、最終チェックは必須です。
誤字脱字や記載漏れだけでなく、採用担当者がストレスなく読める文書に仕上がっているかどうかも確認しましょう。難解な言い回しや、特定の業界人でないと理解できない用語などを使用していないか確認します。
誤字脱字を発見したものの、印刷してしまって郵送直前等、作成し直す時間が無い場合には、該当箇所を二重線で消したうえで訂正印を押し修正しましょう。ただ、誤字脱字があまりにも多いと、二重線と訂正印だらけになってしまい読みにくくなるため、このような場合には再作成したほうが無難です。
提出時のマナーにも注意が必要です。採用担当者へ直接手渡しするケースでは、封筒に入れて提出します。郵送する際は、宛名に「御中」をつける、提出する部署が分からなければ「採用ご担当者様」とつける、といった基本的なことも押さえておきましょう。
まとめ
生産技術職が職務経歴書を作成する際は、単に経歴を書き並べるだけでなく、経験から得たスキルや過去の実績などを分かりやすく伝えることが大切です。企業が求める人材像を正しく把握し、自身を採用することで企業にどのようなメリットがあるのかをアピールすることがポイントです。
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