【経理】職務経歴書の書き方!見本テンプレート付きでポイントを解説。 2024/3/28版
経理は専門的な職種なので、企業の人事担当者にアピールするためには、経験がある業務内容などを職務経歴書にわかりやすく記載することが大事です。この記事では、経理の職務経歴書の書き方や経理のアピールポイントなどを、記載する項目ごとに詳しく解説します。
経理の職務経歴書の書き方
職務経歴書は、企業の募集内容に適した能力を持っていることをアピールする目的で作成します。経理の職務経歴書では、実務能力を示すため主にどの業務に関する実務経験を持っているかを伝えることが大事です。
経験の有無や就業期間で実務能力がある程度判断できることから、どの仕事を何年ほど経験しているか、どんなスキルや知識があるかをわかりやすく記載します。さらに自己PRで仕事への意欲などを記載して、人事担当者にアピールできる職務経歴書を作成します。
職務要約
職務経歴書の最初に記載する内容が職務要約です。職務要約では、これまでに経験した業務や実績、仕事に活かせるスキルや知識など、アピールしたいポイントをわかりやすくまとめて記載します。
経理の職種では経験年数や業務内容が重視されやすいため、主な職歴の経験年数や具体的な業務内容を書き出します。経験した仕事の中でも、特に企業にアピールしたい内容をわかりやすく簡単にまとめることが重要です。
職務経歴
職務経歴の項目では、これまで経験した経理の仕事に関して詳細に記載していきます。記載する内容は、「勤めていた会社名」「雇用形態(正社員など)」「配属部署や職位」「役職名」「就業期間」「経験した業務内容」などを書き出していきます。
勤めていた会社は、「事業内容」「資本金」「売上高」「従業員数」などの概要や配属部署の従業員数も記載します。これらを記載することで会社の規模から業務の範囲などが想像でき、求人側にわかりやすい内容になります。
担当業務や業務の流れ、ほかの人が関係する業務なども記載すると、より分かりやすくなります。昇格した場合には昇格についても書き出すことが大切です。
職務経歴には、業務で使えるパソコンスキルの範囲をアピールするため、使用していたソフトウェアも記載します。経験のある業務内容を明確にするため、職務内容は日々の通常業務を行う「日時業務」と、決算業務を伴う「月次業務」や「年次業務」を分けて記載するのがおすすめです。
現金出納管理・帳簿や伝票管理・会計ソフトへの入力といった日々の業務が日次業務です。
月次業務は日次業務によって作成したデータをまとめて決算処理を行う業務、年次業務は決算処理にプラスして法人税申告と納税・償却資産申告・年末調整・予算立案など毎年行う業務が含まれます。
現金出納管理・預金口座管理、小口現金管理、伝票起票・仕訳入力、経費精算、請求書発行、取引先の与信管理など
請求書発行、売掛金・買掛金管理、仕入れ・経費支払い、従業員の給与計算、月次決算業務、月次決算書作成(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)、予算実績管理など
年次決算業務、年次決算書作成(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書、事業報告書)、税務署に決算書の申告、法人税などの納付、従業員の年末調整、株主総会資料の作成、次年度予算の立案など
業務内容をよりわかりやすくアピールするために、「役割や目的」、「目標や達成した内容・成果」、それを実現するために行った「主な業務内容」に分けて書く方法もあります。自身に与えられた役割や目的、目標とそれを達成するために行った手段などを短く記載します。
また、通常業務以外に与えられた特別な役割分担や目標があれば、それらをどのように達成したかなども具体的に書くと、よりアピールできます。
活かせる経験・スキル・知識・資格
「活かせる経験・スキル・知識・資格」の項目には、経理の仕事に活かせる経験やスキル・知識などを記載します。業務を行った経験がある月次決算、年次決算、税務申告など、実際の業務経験があり、一人でも処理できる経理業務を書き出します。実際に使用していた会計ソフト等も記載するとよいでしょう。
PCスキルも詳しく書いて、幅広いスキルを持っていることをアピールしましょう。PCスキルには、Word、Excel、PowerPoint、AccessなどのOffice系ソフトや会計ソフト・表計算ソフトといったソフトウェアの種類だけでなく、表・ビジネス文書・グラフ・関数・プレゼン資料作成など、実際にできることを記載し、業務での活用が可能なスキルをまとめます。
簿記検定、ビジネス会計検定、MOSなど、経理業務や事務処理に役立つ資格を保有している場合にも、資格全てを書き出すことがアピールにつながります。経理に関連する資格を優先し、正式名称で記載することが大事です。
取得前の資格でも、現在勉強中の場合には「資格取得に向けて勉強中」と記載しましょう。近年では語学力を持つ人材を求める企業が多いことから、TOEICや英検などの資格、もしくは実務で外国語の使用経験がある場合には忘れずに書き込みます。
業務に活用できるスキル・資格などを詳細に書き出しておくと、企業側が必要としているスキルを保有していると認められ、入社後すぐに戦力として働けるアピールにもつながります。
自己PR
自己PR欄には、アピールしたい経理業務における実績やスキル、応募先で働くことへの意欲や熱意などを記載します。
実際に経験したエピソードを用いて、実績を具体的に説明するのもおすすめです。「どんな問題に対して、どういった方法で、どのように解決したか」を記載すると、課題解決力をアピールできます。
チームや他部署など、周囲との協働性を推進するコミュニケーションスキル、業務を適正に管理するマネジメントスキルなどもアピールできるスキルです。伝えたい実績があれば、エピソードを交えて自己PR欄にまとめます。
職務経歴書の見本テンプレート【経理】
20●●年●●月●●日現在
氏名:●● ●●
■ 職務要約
2008年から経理職としてソフトウェアの開発・販売の株式会社●●に入社。経理部が内製化されてから初の経理担当として、内部統制業務と経理業務全般を担当しました。日次、月次業務に加え、業務フローの確立と経理マニュアルを作成しました。
2013年から現職である、▲▲貿易株式会社の東京本社 管理本部 総務経理課に配属。総務・経理業務全般に携わりました。また、英語力を生かして、海外支社とのメールや電話のやり取りや、海外オフィスの出張サポートも行いました。2016年からは後輩2名の育成・教育も担当しています。
■ 職務経歴
勤務先名:株式会社●●(期間:2008/04~2013/03)
◆事業:ソフトウェア開発業(東証グロース上場)
◆従業員数:200名
◆売上高:50億円
◆雇用形態:正社員
横スクロールでご覧いただけます。
期間 | 業務内容 |
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2008年4月 ~ 2013年3月 |
部署名:東京本社 総務部 経理課 配属 |
【職務】経理職 【職位】一般職 / チーム人数5名 1ヶ月の研修後、経理課へ配属される。 【目的・役割】 ビジネスソフトウェアの開発・販売を行う株式会社●●の経理業務と内部統制業務を担う。 【目標・成果】 経理業務体制をゼロから構築し、2012年には東証マザーズ(現:東証グロース)への上場を実現した。 【内容・手段】 以下の業務を一人で行い、会社の転換期を支えました。 <日次業務>
<月次業務>
<その他>
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【退職理由】 得意な英語と経理経験の両方を活かした仕事がしたいと考えたため。 |
◆従業員数:100名
◆売上高:30億円
◆雇用形態:正社員
横スクロールでご覧いただけます。
期間 | 業務内容 |
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2013年4月 ~ 現在 |
部署名:東京本社 管理本部 総務経理課 配属 |
【職務】経理職 【職位】一般職 / チーム人数4名 管理本部にて、総務・経理業務全般に携わる。 【目的・役割】 経理業務全般に加え、海外支社とのやり取りや海外オフィスへの出張サポート、英語での会議内容の翻訳とまとめを行う。 【目標・成果】 1日約20件の電話対応、約30件のメール対応を英語で行った。 【内容・手段】 <日次業務>
<月次業務>
<年次業務>
<その他>
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【退職理由】 両親の介護の必要があり、地元へのUターンを希望するため。 |
■ 経験・スキル・知識
- マネジメント経験あり 2016年度から管理本部において後輩社員2名の指導、育成担当
- 会計ソフト(勘定奉行クラウド 5年、弥生会計 3年、freee 2年)
- Microsoft Office 365 Business Standard
- Word ビジネス文書作成
- Excel IF関数、ピポットテーブル、ROUND系関数、グラフ作成
- Power Point プレゼン資料作成
- Access データ集計・分析、VBA作成
■ 保有資格
- 普通自動車第一種免許(2000年3月取得)
- 日本商工会議所簿記検定2級(2004年5月取得)
- 給与計算実務能力検定1級(2010年5月取得)
- Microsoft Office Specialist Excel2019 Expert(2019年9月合格)
- ビジネス会計検定1級取得に向けて勉強中
■ 語学力
- TOEIC 741点 (2018年5月)
- ビジネス上での英語利用経験 9年
(海外支社とのやりとり(メール、電話対応)、Web会議内容の翻訳、まとめ等)
■ 自己PR(以下の点でお役に立てます)
【正確かつ迅速に業務を遂行する力】
私は、煩雑なタスクでも正確かつ迅速に処理することができます。前職では経理業務のほぼ全てを一人でこなしていましたが、優先順位を付けて一つ一つ落ち着いて処理することで納期までに完了させることができました。困難な仕事や前例のない仕事でも諦めず、忍耐強くコツコツと行うタイプですが、それと同時に、能率を上げるための工夫をすることを常に心がけています。学ぶことを苦にしない性格を活かし、貴社でも新しい業務に挑戦していきたいと考えています。
【コミュニケーション力】
社交性があり、明るい対応ができることが強みです。前職では英語を使用して電話やメールのやりとりを行っていたことから、海外とのやりとりも問題なく行えます。経理部の後輩2名の新人教育を行った際には、困っていることがないか常に気にかけ、親身になって育成を行いました。貴社でもこのコミュニケーション力を生かして他部署や海外拠点と連携し、管理部門との懸け橋となれるよう努力してまいります。
経理事務・経理アシスタントの職務経歴書はどう書く?
経理事務・経理アシスタントは、経理業務全般を実施・管理する経理職よりも担当する業務内容が限られています。職務経歴書ではどこまでの業務を担当していたかを明確にするため、業務内容を具体的に書き出すことが大切です。その時、企業が求める条件にマッチしたキーワードを盛り込みます。
担当範囲によって経験業務が異なる場合があることから、どんな業務を担っていたか、業務とその内容を一つひとつ記載し、幅広い仕事をしていたとアピールするのがおすすめです。経験した業務を詳しく記載する方が、企業が求める条件に合う経験や知識・スキルを保有しているかを人事担当者が判断しやすくなります。
経理事務では、使用していた簿記の資格、会計ソフト、PCスキルなどの資格やスキルの記載も重要です。今まで経験がない業務でも、充分な資格やスキルがある場合には今後ほかの業務を任せられると判断されることがあります。できる限り企業が求める条件に適した業務、資格、スキルなどを入れて作成しましょう。
経理の職務経歴書を書くときのポイント
経理の職務経歴書は月次業務などの業務経験を具体的に書き、数値を用いた成果を記載、マネジメント経験や語学力を記載するなどのポイントを押さえて作成しましょう。分かりやすく、詳しい内容の職務経歴書を作ると、人事担当者にアピールできます。
業務経験は具体的に書く
経験した業務や実績、経験から得た知識、スキルなどをわかりやすく伝えるために、具体的な業務内容、実績などを短くまとめながらも、できるだけ具体的に記載します。業務には経験した期間も併せて書くと、その期間が長いほど習熟度のアピールにつながります。
経理としての成果は数値を用いて具体的に示す
経理業務を行っていた際の成果を記載する場合は、数値を用いるとイメージしやすくなり効果的です。経理業務は企業や担当部署の売上や経費を把握している職種です。事務作業の効率化以外にも、経費削減につながる提案や実績がある場合は、成果として書き出します。
例えば、「部署ごとにバラバラだった帳票を統一書式に変更、業務効率化により処理にかかる期間を3日間短縮した。」「仕入れ先の見直しにより〇〇の経費の3%を削減した。」などの実績は、アピールポイントになります。自ら働きかけて改善できた実績を数値で示すことで、どれだけ企業に貢献できたかを具体的に示せます。
マネジメント経験や語学力を記載する
これまでにマネジメント業務を行った経験がある場合、英語などの語学力が必要な業務を行っていた場合には、それらも記載します。マネジメント経験がある場合には、メンバーの人数などによって管理業務の内容は異なるため、役職名やメンバーの人数まで記載することが大切です。
ほかにも業務フローの改善、数値管理、メンバーの育成など、マネジメント業務の責任範囲を記載すると分かりやすい内容になります。役職がついていなくても、新入社員の指導や上司のサポートといった業務を任せられていた場合は、マネジメント業務の経験がある・スキルがあると記載します。
近年では、実務レベルの語学力が求められるケースも少なくありません。TOEICで一定以上のスコアを取っている場合には、取得している資格として記載します。英語を使ったメールのやり取りやWeb会議などの実務経験がある場合にも、語学力のアピールが可能です。業務に携わった年数も併せて業務経験として記載、アピールします。
レイアウトを整える
職務経歴書は、人事担当者に伝えたいことを効果的に伝えるためにも見やすいレイアウトで作成することが大事です。ごちゃごちゃした見た目になることを避け、レイアウトを整えて作成します。
まずは、文字の大きさ、フォントタイプがバラバラになっていないかを確認します。見やすいフォントや文字サイズが統一されていないと、整った見た目にはなりません。
見やすいレイアウトにするには、見出しごとに内容を分けて記載し、必要に応じて表、箇条書き、カッコ書きなどを使って作成します。整ったレイアウトで作成すると、一目で内容を把握しやすくなります。読みやすさをアップするために、改行、空白行、太文字・細文字を使い分け、文字のバランスを整えるのもおすすめです。
最終確認を必ず行う
作成した職務経歴書は、提出する前に必ず最終確認を行います。内容に不足している部分はないか、伝わりにくい文章になっていないかなど、全体を見返して確認します。自分では気が付かないミスをしている場合もあるため、家族や友人などにチェックしてもらうのもおすすめです。
「です・ます調」や「だ・である調」が混在する文章になっていないかどうかもチェックが必要です。混在していると、統一感のない文章になるだけでなく、問題がある文章になる場合もあります。
職務経歴書には、誤字脱字にも注意が必要です。誤字脱字があると人事担当者からの評価が下がりやすいので、必ず間違いがないことを確認します。もしミスを見つけた場合は、新しく作り直して提出します。
間違えた文字を修正テープで直したり、二重線で消して書き直したりしてそのまま提出してしまうと、手間を惜しんで適当に修正した書類だと思われてしまう場合もあります。記載する内容が多いのでミスが起きやすい書類ですが、よく確認してから企業に提出することが大切です。
経理の職務経歴書でアピールしやすい資格
経理の職務経歴書でアピールしやすい資格には、「日商簿記検定」や「MOS」などがあります。日商簿記検定の資格では経理業務で使用する簿記の知識が、MOSでは同様にパソコンスキルが認められます。
日商簿記検定
日商簿記検定は日本商工会議所が行っている検定試験で、通常年3回実施されます。日商簿記検定には初級・3級・2級・1級の4種類のレベルがあり、各レベルで企業の経営活動に用いる簿記に関する知識・能力が審査されます。
3級は企業の経理に必要な簿記の基礎知識があるレベル、2級は財務諸表や会計に関する知識があり大規模な株式会社で経理を担当できるとされるレベルです。1級はかなり難易度が高く、公認会計士や税理士などを目指す人向けの資格とされています。
職務経歴書に記載するには、日商簿記検定2級以上を目指すのがおすすめです。
参照元:日商簿記検定試験
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
MOSは、Word, Excel, PowerPointなど、マイクロソフト社のオフィスソフトのスキルが認められる資格です。オフィスソフトの操作スキルが認められる国際資格なので、職務経歴書に記載すると人事担当者にPCスキルをアピールできます。
WordやExcelでは、オフィスソフト別にスペシャリストレベル(一般)、エキスパートレベル(上級)の2種類の試験があります。資格取得によりパソコンスキルが身につくので、実務でもオフィスソフトを使う経理業務の効率化に役立ちます。試験は全国の試験会場で随時行っています。
経理の職務経歴書で失敗したくないなら
職務経歴書は、転職する際に企業の人事担当者に提出する重要な書類です。経理の職務経歴書では経理業務の経験や実績などが重視されるため、応募先の企業にアピールできる内容をわかりやすくまとめることが大切です。
転職サイトや人材紹介サービスでは、キャリアアドバイザーによる職務経歴書の作成サポートを行っているところもあります。応募書類の作成に不安を感じている、よりアピールできる職務経歴書を作成したいという場合は、転職サイトなどのエージェントに相談するのがおすすめです。
まとめ
経理の職務経歴書は、応募する企業の人事担当者に経理の実務能力を示すために提出する書類です。これまでの業務経験の有無や期間、経理業務に活かせる知識・スキル・資格、自己PRなどをわかりやすくまとめて作成します。アピールポイントを具体的に記載し、見やすく誤字脱字のない状態に仕上げることが大切です。
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