【浜松市】静岡での子育てインタビュー(東京→浜松) 2025/6/30版

2024年度(2024年4月~2025年3月)に静岡県へ移住した人は、2951人で過去最多というデータが静岡県庁から発表されました。移住相談件数も県全体で1万4838件と過去最多で全国2位と、引き続き静岡県への移住の関心の高さが伺えます。
市町ごとの移住者数の内訳は、最も多かった市は浜松市で517人、次いで静岡市が414人、沼津市が386人となっています。
地域の特性や支援制度も様々なので、移住者数がそのまま地域の魅力に直結するというわけではないものの、見知らぬ土地に移住する時、多くの移住者を受け入れている地域は馴染みやすそうと捉える方は多いでしょう。
(県・市町が発表している移住者数は、移住相談窓口や移住促進施策など行政の支援を利用し移住した人の数なので、実際の移住者数はかなり多いと思われます。)
年代別では20~40代が8割を占め、特に20~30代の夫婦や子育て世帯の移住が目立つ静岡県で、最も移住者が多かった浜松市へ移住し子育てをしている方の実際の声を今回は取り上げてみました。
東京都新宿区から夫婦+子ども二人で移住したAさんの経験談(移住して4年目)
夫婦共に関西出身で、それぞれ東京で働き結婚しました。
子どもができてからも新宿区内のマンションに住み、どこへ移動するにも公共交通機関が使える生活でした。ただ子どもにはいろいろな実体験をしてほしかったため、自然に近い地方への移住は以前から考えていました。
2人目の子供ができ本格的に移住するため、夫は地方を限定せず全国で転職先を探し、私は地方への移住のために働いていた職場にリモート勤務希望の相談をしました。
縁あって夫は希望していた職種で浜松市内に就職が決まり、私は月数回の出勤を条件にリモート勤務OKとなりました。
本当は天竜区などもっと山に近いエリアに住みたかったのですが、夫が車の運転に不慣れだったことや私の東京出勤のこともあり、新幹線が停まるJR浜松駅から自転車で20分ほど(バスで10~15分)の市の中心地から近いエリアの住宅地で、子どもが賑やかにしても気兼ねなく住めそうな物件を探しました。新宿区では広さが50㎡で家賃18万円のマンションだったので、築40年ほどで古いとはいえ80㎡超えで駐車3台可能・庭付きの戸建て物件が新宿の家の半額以下で見つかったことに驚きました。
環境と住まいが変わったことで、かなり子育てしやすくなったと実感しています。
東京ではずっと庭の無い生活をしていたので、今住んでいる物件の決め手は家の裏にある庭でした。
夏の暑い時期はプールを広げ友達も来て水遊びやバーベキューをしたり、お隣さんに快く許可をもらった上で花火をしたり。土のある庭は雑草との闘いもありますが、家庭菜園を小さく作ってお花や野菜を育てています。夕食をみんなで食べ、お風呂場が広いので家族みんなで入るなど、家族の時間と場所がある「夢の移住ライフ」みたいなことをリアルで楽しんでいます。
また、せっかくの一戸建てなので、子どもが習っているドラムを購入し家で練習しています。
これも東京では全く考えられなかったことです。浜松は音楽の街でもあり、家でピアノなどの楽器がある家がとても多いようです。

【写真1 菜園がある庭でプール・水遊び】

【写真2 自宅でのドラム練習】
浜松城公園や蜆塚遺跡、めだかやヤゴやカニなど多様な生物がいる自然豊かな佐鳴湖公園と、家から徒歩で行ける場所に広い公園がいくつもあるのも嬉しいのですが、生活に劇的な変化をもたらしたのは自家用車の存在です。子ども二人を連れて出かけるには自家用車はとても重要なアイテムで、浜松市は広いので市内だけでもかなり多彩なお出かけ場所があります。
車で30分圏内には馬込川親水公園、中田島砂丘、浜名湖や遠州灘での魚釣り、郊外の都田総合公園にある広大な芝生でのソリすべりで思い切り遊べます。夏は家から車で1時間少し走らせた天竜区にある「平成の名水百選」に選ばれている清流の阿多古(あたご)川に出かけていくこともあります。1000円ほどで駐車場・トイレ・着替え場がある川辺の場所がけっこうあるので、朝から行って川辺でのんびり泳いだり余裕がある時はお肉を焼いたり・・朝からたくさん遊んで昼過ぎに引き揚げてくるという感じです。行き帰りの道中は混雑や渋滞はあまり無く、お金をそれほど使わずに子どもたちと思い切り遊べます。

【遠州灘海岸】

【都田総合公園のソリすべり】
(参考)浜松子育て情報サイト ぴっぴ
★市内在住の取材パパママ特派員が毎日更新している、「子連れでおでかけ」
https://www.hamamatsu-pippi.net/blog/odekake
自治会・子ども会について
東京との違いとしては、自治会も挙げられます。
新宿区で入っていた自治会は年間数百円でしたが、浜松では半年で3600円(地域により異なる)かかっています。自治会組織の中の子ども会(任意加入)に入っていると、お祭りのときには法被を貸してもらえることでより一層地元の方と近しく関わり参加できます(祭り参加費は別途徴収)。中田島砂丘の海浜公園で開催する凧揚げと街中で開催する屋台の引き回しの浜松まつりでは、祭りの準備段階から凧の制作に関わるという貴重な経験をしました。高学年になると子どもたちがラッパ隊や笛や太鼓で祭りを盛り上げています。
※祭りの参加は任意で、不参加の人ももちろんいますのでご心配なく・・
【小学校、保育園】 浜松市の教育環境の実態
公立小学校に通っています。移住当時は上の子が低学年で、知らない場所でお友達もいなかったので、小学校から近く交通量が少なめの一人でも通いやすい場所で物件を選んだためか、放課後は友達を連れて家に帰って来る時もあり1年目からとても楽しそうでした。
たまたまこのあたりは浜松では文教地区と呼ばれていて、進学校の高校や国立大の付属小中学校から近く、全国転勤族やスズキやヤマハなど地元の大企業にお勤めの家族が多く住んでいる印象です。とはいえ昔からの住宅街で代々住んでいる住民割合も多く、小学校は転校生が比較的多く多様な人が住むエリアですね。市の中心から近いのですがグランドは新宿区の公立校と比べ2倍以上の広さがあります。また東京では昼夜問わず校門は施錠されていて、児童保護者であっても指定時間以外は用事がなければ基本的に校内に立ち入れないのですが、ここでは治安がいいのか寛容なのか放課後もグランドに気軽に入れ遊べるため、親子で学校にお散歩に行くこともあります。地元のスポーツ少年団やクラブチームなど多様な団体が学校を使っている印象です。
また、どの学校でも共通かはわかりませんが上の子の小学校は宿題が廃止され、子どもが自分で決めたワークに取り組み、先生が進捗はちょこちょこ管理してくださっています。授業は受動的な時間だけでなく、「教わる時間」「友達と共に学ぶ時間」「自分でワークする時間」と三分割されているようです。全員にPC(Chromebook)が配られ、教育をアップデートしようという取り組みがされている印象です。PTAも個々の負担ができるだけ少なくなるよう軽量化されていると感じます。
習い事をしている子が多く、各種スポーツのほか音楽教室や吹奏楽団、昔からある書道やそろばんなど選択肢は多くあります。
下の子は、浜松駅から徒歩15分ほどの距離の保育園に通っています。
私は東京でも浜松でもかなりの数の保育園を見学しましたが、浜松は街中にもかかわらず園庭が広く、子どもたちが園内で思い切り遊べます。園舎や教室・廊下もかなり広くゆとりがあり、室内の遊び場、食事をする場所やプール、フリースペース等々、とにかく環境が充実しています。雨の日でも室内で体が動かせるサーキットを組めたり、浜松の地元民間企業の音楽教室や体操教室とタイアップしているので、保育園に通わせながらお稽古事ができる園は予想以上に多くあります。東京だと国が定めた最低限の広さの保育園が多い中で、浜松ではかなり贅沢な環境が当たり前にあることがとても驚きました。保育園の先生たちも広々した中でのびのびと子どもたちを見守れる保育が出来る環境が物理的に整っていると感じます。
(参考)浜松子育て情報サイト ぴっぴ
★小学校一覧
https://www.hamamatsu-pippi.net/shiritai/shogakko
★保育園・幼稚園・こども園
https://www.hamamatsu-pippi.net/shiritai/yoho
子どもを豊かにする各種体験活動
我が家はいろいろな体験やワークショップが好きで、東京在住時も上野で開催する音楽や美術のワークショップなどたくさん行くようにしていましたが、東京では申し込んでも応募多数で抽選に外れてしまうことはありました。そういった意味では、浜松の体験の機会の多さと申し込みやすさは大いにお伝えしたい一つです。
例えば、浜名区の森林公園にある木工体験館では、毎週金土日に地元天竜スギやヒノキ木材の材料費のみでいろんな木の工作を教えてくれます。我が家は1万円もかからずダイニングテーブルをここで係の方に手伝ってもらいながら作りました。こんな素晴らしい施設ですが空いていて、屋内でゆったり作業できるのも凄いなと思います。
他にも、地元の製材会社が開催する森林での子ども向け林業体験、いろいろな野菜や果物の収穫など農業体験、陶芸体験、地元プロチームが開催するスポーツ体験、市のアートセンターが開催する文化的な体験等々、気軽に参加できる体験が充実しています。子ども向けだけでなく、大人向けの各種習い事や体験も楽しむ方が多い印象です。

Aさんの移住子育て体験談はいかがでしたか?
もちろん全ての移住者さんが100%満足な暮らしをしています!というわけではありませんが、文化や風習の違いを楽しめ、遠慮し過ぎずわからないことは周囲の方に率直に笑顔で聞ける方はすんなり馴染めているようです。
都会と自然のバランスがちょうどよく広大で多様な地域性がある浜松は、外からのコト・モノ・人を受け入れてきた歴史があり、寛容な地域性と住民のお人柄も魅力です。Welcome浜松!
浜松の子育てをもっと知りたい方は、「浜松子育て情報サイト ぴっぴ」をチェックしてみてくださいね。
Achieve Career(アチーヴキャリア)は、静岡県・愛知県への移住時の転職をサポートしております。地場の求人媒体社である株式会社アルバイトタイムスが運営し、3,100案件を超える豊富な案件ラインナップを含め、移住時の支援金に関する情報提供もさせて頂いております。又、静岡県が推進する「ふじのくにに住みかえる推進本部」構成員として、国内・海外から静岡県への移住者の転職サポートを行っております。
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【コンサルタント紹介】
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執筆者:宮嶋千恵美(chiemi miyajima)
浜松移住コーディネーター。国家資格キャリアコンサルタント。沼津市、浜松市、静岡市、富士宮市に転職&移住経験を経て、2015年~認定NPOふるさと回帰支援センター内の静岡県移住相談窓口にて移住相談員を務めた後、2020年浜松市へUターン。趣味は移住者との交流、地元食材を使った料理、ドライブ、習い始めたばかりのピアノ演奏。