【制御設計】職務経歴書の書き方!見本テンプレート付きでポイントを解説。 2023/4/28版
転職の際、それまでに培ってきた知識やスキルをアピールするために大切なのが「職務経歴書」です。この記事では制御設計の職務経歴書に記載する項目や、書き方で押さえるべきポイントについて解説します。また、取得しておくと制御設計の転職で有利になる資格も紹介します。
職務経歴書の見本テンプレート【制御設計】
20●●年●●月●●日現在
氏名:●● ●●
■ 職務要約
2015年に開発職として、電子機器の製造・販売を行う株式会社●●(東証プライム上場)大阪本社に入社。海外向け電気自動車の電源制御用ソフトウェアを試作しました。
2018年4月にはシステム開発課の課長に昇格し、目標値には届かなかったものの、2018年から2年連続で生産性を対前年度比10%以上向上させました。
2020年4月にロボット制御システムの研究開発を行う★★株式会社(非上場)に入社(現職)。小企業ながら市場マーケティングからロボットの設計・開発まで幅広く担当しています。
■ 職務経歴
勤務先名:株式会社●●(東証プライム上場)(期間:2015/04~2018/03)
◆従業員数:2,500名
◆売上高:2,000億円
◆雇用形態:正社員
◆スキル:三菱電機製PLCプログラミング
横スクロールでご覧いただけます。
期間 | 業務内容 |
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2015年4月 ~ 2018年3月 |
部署名:大阪本社 技術本部 システム開発課 配属 |
【職務】開発職 【職位】一般職 / チーム人数10名 3ヶ月の新人研修後、システム開発課へ配属される。 【目的・役割】 海外(主に北米)向け電気自動車の制御システム開発を担当。 【目標・成果】 試作段階から関わったプロジェクトが成功し、2017年に社長賞を受賞した。 【内容・手段】 CADを用いた回路図設計、PLCソフトによる設計を行った。また、顧客先へ同行しての仕様提案を行うことで、顧客の置かれた環境やニーズを的確に把握することができ、評価につながった。 使用言語:C 使用ツール:MATLAB、AUTOSAR |
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2018年4月 ~ 2020年3月 |
部署名:大阪本社 技術本部 システム開発課 課長昇格 |
【職務】開発職 【職位】サブリーダー/チーム人数10名 部下7名 課長昇格に伴い、システム開発課のリーダーとして着任。 【目的・役割】 設計・開発業務と並行して、チームリーダーとして開発管理や各関係部署との調整、各種法規対応などの業務を担当する。 【目標・成果】 2018年度 目標:生産性前年比20%UP / 実績:13%UP(65%) 【内容・手段】 チームメンバーのスケジュール管理や業務進捗管理を行い、業務が円滑に進むように心がけた。また、1on1を定期的に実施してきめ細やかなフォローを行ったり、業務マニュアルやフローを整備することで、チーム全体の技術力・対応力向上を実現できた。 |
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【退職理由】 開発者としてのキャリアの幅を広げたいと考えたため |
◆売上高:10億円
◆雇用形態:正社員
◆スキル:オムロン製PLCプログラミング
横スクロールでご覧いただけます。
期間 | 業務内容 |
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2020年4月 ~ 現在 |
部署名:本社 開発部 研究開発チーム 配属 |
【職務】開発職 【職位】一般職 / チーム人数●名 研究開発チームに配属され、自動制御式ロボットハンドの設計と開発に携わりました。 【目的・役割】 市場マーケティングから企画、回路・基盤設計、開発までを一貫して行う。 【目標・成果】 2021年 日本ロボット研究会の優秀技術賞を受賞。実用化に向けた企業連携プロジェクトを進行中。 【内容・手段】
使用言語:C、Java、Python、C++ |
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【退職理由】 AIロボットシステムの研究に携わりたいと思ったため。 |
■ 保有している資格
- 基本情報技術者試験(2014年11月 合格)
- 普通自動車第一種運転免許(2010年3月 取得)
- TOEIC 740点(2010年8月)
■ 自己PR(以下の点でお役に立てます)
【ユーザーにとっての使いやすさを考慮した設計を行える点】
私は自動車関連企業の電気設計業務に従事していた際、顧客へのヒアリングをもとに使いやすさを考慮した設計を心がけていました。具体的には、モニター画面の視認性と操作性の良さを重視した設計を行いました。顧客からは操作性の良さを評価してもらうことができ、社内でもプロジェクトが社長賞を受賞するなどの評価を頂けました。
【回路設計からソフトウェア開発までを横断的に行うスキル】
自動車部品やロボット制御システムなど様々な開発経験で得た幅広いスキルが強みです。ドライバ回路設計、制御設計、ソフトウェア開発までを一貫して行えます。AVR、ARM、H8など様々なマイコンで組込みソフトウェア開発を行った経験があるため、多様なプラットフォームでのソフトウェア開発に対応できます。これまでの経験と知識を活かして、貴社ではAIロボットシステムの研究と開発に携わりたいと考えております。
制御設計の職務経歴書を作成するときのポイント
制御設計は専門知識が必要とされる仕事のため、募集の際に応募可能なスキルが具体的に明示されていることがあります。しかし、自分のスキルをアピールするために職務経歴書に専門用語を多用すると、採用担当者に専門知識がない場合には、せっかくのスキルも正しく伝わりません。
職務経歴書は、制御設計の専門外の人が読んでも理解できるように、わかりやすく書くことが大切です。設計に携わった設備や装置は第三者が見ても判別できる名称で記載し、自分がどのような役割を果たしたのか、さらにどのような成果が得られたのかも、可能な限り具体的なエピソードを交えて詳細に説明することが重要です。
使用したツールや、何人ぐらいのチームだったのかも併記しておくと、採用側が応募者のスキルや働いてきた環境をよりイメージしやすくなります。
制御設計の職務経歴書の書き方
制御設計は専門職であり、転職時に提出する職務経歴書を書く際にもいくつかのポイントがあります。
まず、これまでに担当した職務についてわかりやすく、具体的に書くこと。次に、取得している資格や、使用実績のあるPLCなどを含め、自分が精通し、対応できる分野を明確に記載すること。最後に転職先でも重宝されそうなスキルや知識があれば、漏らさずに記載することです。
採用企業側ではこれらの情報から、自社の求める人材であるのか、現時点で弱点となっている部分を補強できるのかといったことを判断します。
以下では、日付や氏名といった基本的な項目の書き方からはじめて、制御設計職の職務経歴書のくわしい書き方について解説します。
タイトル・日付・氏名
タイトルは「職務経歴書」とします。日付には、作成した日か経歴書を提出する日(面接の日か、郵送であれば投函日)のどちらかを記載します。和暦でも西暦でもどちらでもかまいませんが、書類内で和暦と西暦とが混在しないよう、どちらかに統一します。最近では西暦に統一することが多く、履歴書とも一致させると、より読み手にとって読みやすくなります。
もし、作成した日から3ヵ月以上経過してしまった場合には、内容を再確認したうえで新たに作成し直します。企業やプロジェクトへの在籍期間を記載する場合には、年だけではわかりづらいので、月単位で書くようにします。
職務経歴書には日付とともに氏名を記入します。順番は上からタイトル、その下に右寄せで日付、日付の下に同じく右寄せで氏名を記載するのが一般的です。苗字と名前の間には空白を入れて区切りをわかりやすくし、読みにくい漢字には読み仮名を振ります。
これまでの経歴を簡単にまとめる職務要約
詳細な職務経歴を記す前に「職務要約」として、これまでの経歴の要点を3~4行程度にまとめます。専門的な知識を持っていないかもしれない人事担当者が読んでも理解できるよう、配慮して作成しましょう。
また、勤務先の企業名や勤務期間、企業の事業内容、さらには株式市場に上場していれば上場先の市場名を簡潔に記載します。従業員数や売上高といった参考情報も記載しておけば、企業規模もイメージしやすくなります。
自らの雇用形態(正社員や契約社員など)も併せて記入しておきます。複数社への勤務経験がある場合には、各社の職務経歴の上に職務要約を記載するようにします。
今までの職歴をまとめる職務経歴
要約を書き終わったら、具体的な職務経歴(業務内容)を記入していきます。職務経歴書では、制御設計者としてどのような仕事を担当してきたのか、採用側が具体的にイメージしやすいように書くことが大切です。
まず、勤務した企業や所属した部署ごとに記入欄を分けるようにします。そのうえでまず、所属部署での役割や職位、所属チームの人数を記入します。そのあとに続けて、担当した業務の目的・役割や目標・成果、内容・手段などを、それぞれ2~3行でまとめると読みやすくなります。
目的・役割では、ご自身が携わっていたプロジェクトが、どういった顧客からのどういった目的のものなのか。そして、その中でのご自身の役割やポジションが分かるのが望ましいです。目標・成果では、できれば生産性や実績の向上率といった、具体的に数字で示せる実績を記入します。受賞歴などもあれば、併せて記載します。
業務を遂行するうえで使用した言語やツールがあれば、それらも併記しておきます。これまでに培ってきたスキルを明確に示すことができ、採用側も自社が求める人材とマッチしているのかどうかを判断しやすくなります。
すでに現在、勤務先の企業を退職している場合は、最後に退職理由を簡潔に記しておきます。
保有している資格や得意な分野
制御設計に役立つ資格を保有している場合には、取得した年月とともに記載します。普通自動車第一種運転免許やTOEICなどの一般的な資格も保有しているのであれば一緒に記入します。得意な言語や制御の種類があり、転職希望先で役立ちそうな場合にはアピールするのもおすすめです。
現代の制御装置はPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)を用いたものが多いため、応募者の多くが職務経歴書にシーケンサを用いたPLCプログラミング経験を記載しています。より具体的に採用担当者に経験を把握してもらうには、例えば三菱電機やオムロン、キーエンスなどといったシーケンサのメーカー名も入れておきましょう。
プログラミング言語を使った制御システムの開発では、C言語やC++、Java、アセンブラ言語が用いられることが多いため、これまでの経験でどの言語に精通しているかを明確にしておくことも重要です。
転職先で活用できそうなスキル・知識
制御設計で扱う製品が違っても、共通して活用できるスキルは多々あります。制御設計の仕事では、PLCなどの制御用コントローラーを使用して制御システムのプログラミングを行うため、プログラミングのスキルや言語の知識は転職先でも強みになります。
さらに電子工学や力学、回路設計や送電、配電などといった電気・電子・機械系の知識も、分野が異なっていても共通で活用できます。制御設計では設計図の作成も重要な仕事であり、3D CADによる製図スキルがあるならば、それもPRポイントになります。
自身の魅力を伝える自己PR
最後に自己PRを文章または箇条書きで記載します。いずれの場合でもアピールポイントは2~3点程度に絞り、それぞれに対して具体的な内容を5~6行程度にわかりやすくまとめます。
PRの内容としては例えば、これまでの職務経歴で培った実装開発スキルやシステム開発の実績など、採用すれば企業にとってメリットがあることをアピールします。特に回路設計からソフトウェア開発まで幅広く対応できるスキルを持っていれば、大きな強みになります。
自己PR欄には実務のスキルだけでなく、コミュニケーション能力などの人間的なスキルについて記載してもよいです。リーダーを任された経験があれば、メンバーをまとめたり、クライアントとのコミュニケーションを行ったりする上で心がけてきたことや、得られた成果などを書きます。
リーダーの経験がなかったとしても、クライアントの要望を形にする上で気をつけてきたことや、上司やメンバー、部署間でのやり取りにおいて努力してきたことなどがあれば、それもPRポイントになります。
転職してどのような業務に携わりたいのか、そのために自分のスキルをどのように活かせるのか、未来の展望にも言及してみましょう。
制御設計の転職で役に立つ資格
制御設計職に就くために必須の資格は特にありません。しかし、制御設計は専門性の高い仕事であり、プログラミングやCAD、電気関係の資格を取得しておくと転職に有利になる可能性は高いです。以下に制御設計の転職の際に役に立つ資格を四つ紹介します。
基本情報処理技術者試験
基本情報処理技術者試験とは、文字通り情報処理技術に関する基本的な知識が問われる国家試験です。経済産業省が認定しています。この資格を持っていると、一定水準以上のITの知識やスキルを有していることを証明できるため、エンジニアやプログラマーを目指す人の登竜門的資格として知られています。
問われる知識の内容は、数学からOS、プログラミング、ネットワーク、セキュリティ、さらには経営戦略までと多岐にわたります。令和5年度の科目は四肢択一式の科目A(90分60問)と、多肢選択式の科目B(100分20問)とに分かれており、試験時間は190分です。
令和4年度下半期の合格率は4割弱と難易度は高めですが、認知度や信頼性が高く、制御設計以外でもあらゆるIT系の職種に役立つ資格です。取得しておいて損はありません。
参照元:令和4年度下期基本情報技術者試験(11月実施分)合格発表!
電気製図技能検定
電気製図技能検定とは、電器製図に関する技能を厚生労働省が認定する国家検定です。主に配電盤・制御盤の製図に必要な技能が問われるため、制御設計の実務に直結する資格です。
試験は3級から1級まで難易度別に分かれており、3級は特に受験資格はなく、誰でも受けられます。2級以上は実務経験が必要な場合があります。2級を受験するためには3級合格者であるか、2年以上の実務経験が必要です(ただし、学歴により実務経験が不要になります)。
1級は7年以上の実務経験者か、2級合格後2年以上、3級合格後4年以上の実務経験を持つ人に受験資格があります(ただし、学歴により必要な実務経験の期間が異なります)。
内容は学科試験と実技試験とに分かれており、学科試験では製図、配電盤・制御盤一般、電気、材料の知識が問われます。実技試験は配電盤や制御盤の製図作業を中心に行われます。実際の現場ではCADを用いて製図を行うことが多いのですが、実技試験では製図の基礎を理解しているかが問われるため、手描きによる作業になります。
合格基準は100点満点で実技試験が60点以上、学科試験が65点以上です。合格率は3~2級で5割前後、1級は3割~4割程度と難易度は高めです。ただし、持っていると制御盤の設計や製作が行えることの証明になるため、転職の際にも評価が高くなる可能性があります。
電気主任技術者
電気主任技術者とは、電気工作物の工事、維持、運用といった保安監督業務を行うための国家資格です。この資格を持っていれば、発電所や変電所、工場やビルなどにおける電気設備の保安監督業に就くことができます。
工場の自動化を行うFA(ファクトリーオートメーション)や、建物内の設備の自動制御や監視を行うBA(ビルディングオートメーション)における制御設計では、発電所や工場、商業施設やオフィスビルで作業を行うことが多いため、これらの分野への転職を考えている人には強みになる資格です。
難易度が非常に高い資格なので、持っていることで社会的な評価も高くなります。
電気主任技術者の資格は、第一種・第二種・第三種に分類されており、種類によって取り扱える電圧が異なってきます。まずは一番難易度が低い第三種の取得を目指しましょう。
第三種でも電圧が5万ボルト未満の電気設備、または5,000キロワット未満の発電設備の維持・運用・管理を行うことが可能です。一般的な商業施設やビル、中規模工場などは配電線から6,600Vのまま受電している設備が多いので、第三種だけでもさまざまな施設の電気設備を扱えます。
この資格は一般的には学科試験に合格することによって取得できますが、経済産業省の認定制度を活用する方法もあります。所定の大学や専門学校で電気工学の学科を卒業し、一定期間、電気設備の維持や運用、工事に従事して認定手続きを行えば、試験を受けずに資格を取得できます。
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験とは、一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)が主催する、CADの技術を証明する資格です。現在、制御設計の現場ではCADを使って製図を行うことが多いため、持っていれば実務に直結する資格です。転職の際も有利に働く可能性が高くなります。
試験は、平面の製図スキルが問われる「2次元CAD利用技術者試験」と、立体の製図スキルが問われる「3次元CAD利用技術者試験」に分かれており、2次元は基礎・2級・1級、3次元は2級・準1級・1級と、技術レベルに応じた試験を受けられます。2次元の1級は「建築」「機械」「トレース」と専門分野別に試験が分かれています。
製造業の設計では3D CADソフトがよく使われるため、制御設計職で活かすなら「3次元CAD利用技術者試験」の取得を目指すことをオススメします。
まとめ
職務経歴書では、自分のスキルをわかりやすく具体的に伝えることが大切です。資格は技術の証明として転職に有利に働く可能性が高いので、なるべく取得しておきましょう。企業や業種によっては職務経歴書の書き方を変えなければならない場合もあります。
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もしも「制御設計」のお仕事への転職をご検討中であれば、お気軽にお問い合わせください。
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