転職ノウハウ・コラム

IT・製造系エンジニア転職のための志望動機と自己PR!
例文と書き方のポイントを徹底解説

IT・製造系エンジニア転職のための志望動機と自己PR!例文と書き方のポイントを徹底解説

本記事では、IT・製造系のエンジニアが転職する際に必要な志望動機と自己PRの書き方を紹介します。

エンジニアと一口にいっても細かく分類すると多数の職種があるため、今回は6つの区分に分類して、例文とともに書き方のポイントを解説します。

「効果的な志望動機が書きたい」「書類審査に通るような自己PRはどうやって書けば良いのだろう」と感じている方は、最後まで読んで、自分の志望動機や自己PRをブラッシュアップしていきましょう。

エンジニアの種類や仕事内容

前述のとおり、ITエンジニア・製造系エンジニアと言っても、細かく分類すれば多数の職種に分かれます。

どの職種を希望するかによって、志望動機や自己PRの作り方や表現は異なりますので、自分が応募したい職種はどの職種なのか、仕事内容における業務の立ち位置を確認しておきましょう。

また、同じエンジニアであっても、未経験でもチャレンジできる職種と、経験がなければ応募できない職種があります。未経験者や経歴が浅い方は特に注意が必要です。

ざっくりと表現すると以下のような分類になります。

大分類中分類職種例
ITエンジニア(システムエンジニア)開発系エンジニアシステムエンジニア
汎用系エンジニア
アプリケーションエンジニア
フロントエンドエンジニア
バックエンドエンジニア
プログラマなど
ITエンジニア(システムエンジニア)インフラ系エンジニアインフラエンジニア
サーバエンジニア
ネットワークエンジニア
データベースエンジニア
セキュリティエンジニアなど
ITエンジニア(システムエンジニア)社内SE社内SE
ITエンジニア(システムエンジニア)
ものづくりエンジニア
組込・制御系エンジニア組込系エンジニア
制御系エンジニア
IoTエンジニアなど
ものづくりエンジニア製造系エンジニア(技術系)機械設計、電気設計、回路設計、制御設計、金型設計、生産技術、製造技術、設備保全、など
ものづくりエンジニア製造系エンジニア(事務系)商品企画、研究開発、生産管理、品質保証、品質管理、購買など

伝わる志望動機・自己PRの構成とポイント

伝わる志望動機や自己PRを作成するためには、以下の3つのポイントを意識しましょう。

 ①簡潔に結論を述べる

 ②具体的なエピソードを述べる

 ③入社後に実現したいことを述べる

この3つの構成を念頭に置き、エンジニアの志望動機と自己PRを作成するうえでのポイントを紹介します。

志望動機のポイント

志望動機は「なぜその会社を志望しているのか」という明確な理由のことです。
同業他社等と比べた時に、何故その会社である必要があるのか? のアンサーになっている必要があります。

また、気をつけたい点としては、志望動機は転職理由と似て非なるものであることです。
転職理由とは、前職を離れる理由です。前職を離れる理由と志望動機が必ずしもリンクするとは限りません。
志望動機を答える際は、「この会社でなければならない理由」を伝えましょう。

例えば、自動車部品を扱うメーカーA社を志望する場合、A社でなければならない理由を伝える必要があります。
その時に、給与や福利厚生といった労働条件的な要素が志望動機になってしまうと、同じ条件以上の求人があった場合は「そちらの方が更に良い」と言っているようなものです。
「家から近くて給料が同業他社より高かったから」といったような理由では、さらに給与が高い会社が見つかれば辞めてしまうのでは?と思われてしまいますよね。

本当は「仕事内容」や「取扱い製品」がA社だからこその魅力に惹かれて応募したにもかかわらず、上記のような誤解を招いて選考落ちとなっては残念ですよね。
A社のビジョン・社風・社会的意義などは、同業他社にはないA社独自のポイントになります。
きっとあなたもそうした点があるからA社を選んだのでは…?
こうした視点で考え、志望動機を作成することが重要です。

その為にも、まずはホームページやセミナー、説明会などに参加することで「何故自分がA社を選んだのか?」を再確認することが必要です。
「A社で自分がなにを成し遂げたいのか?」「競合他社にはないA社だけの魅力」を、洗い出していきましょう。

自己PRのポイント

自己PRとは、自分の経験やスキルをアピールすることです。
先ほども伝えたとおり、志望動機と自己PRは一括りにせず、別々に考えましょう。
自己PRの訴求ポイントは応募する会社によって変えることが重要です。

採用側の視点に立ってみてください。
中途採用を行う際、企業にとって必ず解決したい課題や実現したい目的があります。
採用 = 課題解決 or 目的の実現 と解釈すると分かりやすいと思います。
従って、採用されるあなた自身は「解決策」と言い換えることが出来ます。

募集するタイミングによって、解決したい課題や実現したい目的はさまざまです。
その点を適切に把握する事で、企業が求めるスキルや人物像が見えてきます。
自己PRでは、そうした課題・目的の解決策にあたるスキル・経験を訴求する事が重要です。

たとえば、B社では優秀なプログラマが退職してしまい、仕事が回らなくなってしまった為、その目下の問題解決を目的に、「退職者と似たような開発言語スキルを持った即戦」力を求めているとします。
一方でC社では今後の事業成長のため、言語スキルは問わず「リーダーがこなせる人材」をじっくり探したいという目的だったとします。

これらのケースで、求人票には「ITエンジニア経験者を募集」と同様に書いてあったとしても、実際に求めるものは大きく異なってくるはずです。

B社では技術面が訴求点になりますし、C社ではマネジメント経験が訴求点になるといった具合です。

また、自身が採用された場合に発生するかもしれない問題・課題に対して、解消策となるような情報を訴求しておくのも有効な手段です。

自分のスキルを洗い出し、且つ応募先企業の事も良く知ることで、求人に応じて必要な情報や、考えられる懸念を整理してアピールすることが重要です。
経験やスキルの幅が広いからといって、それを無作為に大量に並べれば良い評価を得られるわけではありません。
志望する企業のことをしっかり考え、自分を採用すれば、企業の抱える課題の解決や、目的の実現が達成できることを具体的にイメージしてもらえるようにする事がPRする上でのポイントです。

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システムエンジニアの志望動機・自己PRの例文とポイント

システムエンジニア(SE)は、クライアントの依頼でシステム設計を行うのが主な仕事です。
ここでは、システムエンジニアの志望動機と自己PRのポイントを例文とともに解説します。
(地場のソフトハウスで活躍してきた求職者が、〇〇メーカーなどを主要顧客に持つプライムベンダー企業へ応募した例を想定したサンプルとしています。)

例)志望動機

私は新卒で株式会社〇〇に入社後、システムエンジニアとして製造業向けの生産管理システムの開発・運用に3年間携わって参りました。
顧客の満足度を上げるべく、納期や品質に拘って取り組んできましたが、現職の会社では要件定義や基本設計などの上流に携われない立ち位置にあり、また二次請け案件中心のため、ユーザの声も直接感じることが出来ません。
そのため、もっと上流工程に携われる仕事に就きたいという思いが強く、今回の転職を決めました。
今後自身のキャリアを伸ばしていくためにも、これまで経験を積んできた製造業を対象とした開発に携わりたい思いから、〇〇メーカー向けのプライム案件を多数抱える貴社にて、これまでのスキルを活かし、より高いレベルのプロジェクトに関わっていきたいと考え応募させて頂きました。

ポイント

ポイントは「現職では実現できないからこそ、貴社へ入社したい」と述べていることです。
具体的には以下のような点です。

・現在は二次請け 応募企業はプライム案件中心。
・現在は下流工程中心、応募企業は上流に携わるチャンスがある。
・応募企業は〇〇メーカーに強く、自身の製造業向けの経験が活かせる。

応募企業でなければならない理由とつながり、説得力のある動機付けとなります。

例)自己PR

私はこれまで3年間、JAVAを中心としたプログラミングに従事し、生産管理システムのサーバサイドの開発に携わってきました。こうした経験は、貴社の扱う〇〇メーカー向けシステムの開発環境ともマッチし、即戦力として活かせると感じています。

また、開発の際は顧客からのニーズを正確に汲み取り、期待以上の結果で返せるよう心がけて参りました。
今回の求人の募集背景にあったような、「お客様との関係性や体制の強化」といった点においても、私の折衝力やコミュニケーション力が活用できるのではないかと思います。

これまで得た知識や経験を貴社でのプロジェクトに活かしていきたいと考えております。
入社後はさらなる言語の習得はもちろんのこと、ゆくゆくはプロジェクトマネージャーになるべく業務幅を広げ、キャリアアップを目指していきたいと考えています。

ポイント

ポイントは、応募企業の求人情報をよく読み、解決策となり得る部分をPRしていることです。
具体的には以下のような点です。

・同社の開発環境はJAVA。自身もそうした経験を保有している点。
・募集背景は「お客様との関係性や体制の強化」。自身は関係性を深められるような折衝力等を保有している点。

また、上流工程に加え、プロジェクトマネージャーを目標として明示し、成長意欲を伝えています。

インフラエンジニアの志望動機・自己PRの例文とポイント

インフラエンジニアとは、サーバや基盤などを構築するエンジニアです。基本情報技術者試験、CCNA、AWS 認定ソリューションアーキテクトなどの資格を持っていればアピールポイントになります。
ここでは、インフラエンジニアの志望動機と自己PRのポイントを例文とともに解説します。
(派遣のネットワークエンジニアとして従事してきた求職者が、大手通信キャリアを顧客に持つIT企業へ応募した例を想定したサンプルとしています。)

例)志望動機

私は新卒で、株式会社〇〇に入社後、派遣のネットワークエンジニアとして運用保守の役割に3年間携わって参りました。

地場企業である2社の顧客を集中して担当しており、多くの経験と知識を習得してきました。
今後はもっと多くの企業をサポートできるようになりたいという思いと、より優れたエンジニアになるべく、ネットワーク規模の大きなお客様を対象に職務にあたることで、技術をより磨きたいと考えております。

貴社では、大手通信キャリアを取引先として持ち、相応に業務品質も高いレベルのサービスが求められると感じます。そうした環境下で自身の経験を活かしながら成長し、貢献していきたいと考え、応募させて頂きました。
これまで以上に責任を求められる役割になるとは思いますが、覚悟を決めて培ってきたノウハウを活かしながらプロフェッショナルなエンジニアを目指していきたいと思います。

ポイント

ポイントは自身のネットワーク技術を高める為にも、大手通信キャリアと取引のある貴社へ入社したいと伝えている点です。現職では叶わない部分であり、競合と比較しても同社ならではの特徴に対する価値を感じている点にフォーカスしています。

例)自己PR

私は前職で、ネットワークエンジニアとしてお客様先のネットワークの運用保守に携わってきました。

今回の募集で求められる「ネットワーク設計」の実務経験はありませんが、設計工程にもチャレンジすべく、これまでも先輩社員に指導をあおいだり、CCNPの資格取得を目指すなど、学習を重ねてきました。
そうした点から、十分にお役に立てると考えています。

また、お客様先で長らく常駐勤務してきた経験から、今回のポジションでも失礼なく勤められると考えています。
自身のスキルアップをしながら、貴社の重要なお客様である大手通信キャリア様での職務に貢献し、ネットワークエンジニアとしてのキャリアを伸ばしていきたいと思います。

ポイント

求人内容としては、設計の工程まで求めているような事例ですが、そうした不足点を素直に認めつつ、不足を補う情報を訴求して、応募企業の役に立てることを伝えています。
また、応募企業でも客先常駐での勤務を想定していることから、そこで採用担当者が懸念するであろう点に先回りして、自分であれば大丈夫といった訴求をしている点がプラスに作用しそうです。

社内SEの志望動機・自己PRの例文とポイント

社内SEとは、情報システム部・社内システム部など、自社の従業員がユーザとなるシステムの開発、保守等を担うエンジニアのことです。
ときにSIerやベンダーに外注したり、社員からの相談窓口対応を行ったりすることもあるため、コミュニケーション能力も重要な要素となります。
ここでは、社内SEの志望動機と自己PRのポイントを例文とともに解説します。
(SIerでのインフラエンジニアだった求職者が、事業会社の社内SEへ応募した例を想定したサンプルとしています)

例)志望動機

私はこれまで3年間、インフラエンジニアとしての経験を積む中で、ITインフラの設計や構築、運用に携わり、多くのプロジェクトを成功させて参りました。

その中で技術面だけでなく、チームとの協力の必要性や、ユーザの課題を解決をする能力を養うことの重要性を認識しました。この経験を活かし、社内SEとしてもっとユーザに近い位置で組織全体のITインフラを整える業務に携わりたいと考え転職を決意しました。

そうした私の転職目的を叶えつつ、会社の課題解決にも貢献できる求人として貴社の募集を拝見いたしました。

貴社の社内SEの求人では、ベンダコントロールや、プロジェクト管理といった役割だけではなく、インフラの実務スキルをも求めており、私のスキルや経験が即戦力として活かせると感じました。
加えて、ユーザとなる社員の皆さんとの距離も近く、今回の募集で大切にされている従業員に寄り添う姿勢は、貴社の「当社のサービスを通して社会をより良いものにしていく」という企業理念にも通ずるものがあると感じます。

そうした点はまさに自分がやりたいと感じる部分です。
上記のことから、今回貴社の社内SEの求人へ応募させて頂きました。

ポイント

このケースでは、応募企業が重要視している点であるコミュニケーションや寄り添う姿勢といった点に共感を持ちつつ、インフラエンジニアとして活躍してきた技術面も活かせるといった訴求にしています。

応募企業は「技術で解決できる部分」だけではなく「人間性で解決できる部分」も当ポジションに求める役割として重要視しています。そうしたニーズに対して「自分がまさにやりたいこと=前職で感じたこと」というアンサーを示しつつ、そのような募集は同社だけといった形で「同社でなければならない理由」を伝えている点がポイントです。

例)自己PR

私の強みは、ニーズを深堀りするためのヒアリング力と周りを巻き込むコミュニケーション能力です。

特に要件定義や設計を行う重要なシーンでは、顧客が求める要件をただ鵜呑みにするのではなく、顧客の課題を丁寧にヒアリングし、本当に解決すべき点は何なのか? といった部分において双方の齟齬をなくすよう努めてきました。また、そうした際は難しい言葉を平易な言葉に置き換えて伝えることで、より理解が進みやすくすることに重点を置いてきました。

貴社の求人においては「社員の課題やシステム利用における悩みの解決」といった点を重要視されていました。
これは、まさに私がやりがいを感じている部分であり、自身のスキルを活かせる部分でもあると考えています。
社員の困りごとの解決、SIerとのスムーズなやり取り、社内システムの構築・運用にも活かせると思います。
入社後は、社内インフラ整備のためのコスト削減や生産性の向上により、周りを巻き込みながら会社に貢献していきたいです。

ポイント

志望動機では技術面にも触れたものの、自己PRでは「ヒアリング力」と「コミュニケーション力」にウエイトを置いた訴求としています。
その理由は、同社が ”社員の課題やシステム利用における悩みの解決 といった点を重要視” している為です。

エンジニア経験者は、もちろ「技術面」がウリではありますが、採用側のニーズが「コミュニケーション」だとするならば、訴求点もそうした部分にウエイトをおいて伝えることで、訴求性が高まります。
何故コミュニケーションを求めているのか? 
もしかしたら前任者がコミュニケーションの問題で退職したのかも …といった仮説もイメージできます。

最も、上記のような個社の事例に限らず、「社内SE」という職種は、経営陣を含めた他部署と連携しながら進めていく業務が多いため、コミュニケーションスキルは大きな強みになります。具体的なエピソードを交えながらアピールするのがおすすめです。

組込・制御系エンジニアの志望動機・自己PRの例文とポイント

組込系エンジニアは、機械に組み込まれるマイコンに搭載されるソフトウェアの開発を行い、制御系エンジニアは、機械そのものを動かしたり止めたりする制御プログラムを設計するエンジニアです。
ここでは、組込・制御系エンジニアの志望動機と自己PRのポイントを例文とともに解説していきます。
(家電製品の組込開発エンジニアだった求職者が、自動車関連の組込開発を受託する企業へ応募した例を想定したサンプルとしています)

例)志望動機

私は、3年間組込系エンジニアとして、主に家電製品に組み込まれるマイコン制御プログラムの開発・設計に携わってきました。
製品が販売され、消費者の手に渡るという目に見えるやりがいを感じてはいるものの、もう少し製品企画に近い上流工程にも関われる環境で働きたいと思い、転職を決意しました。

また、スキルの幅を広げる意味でも、元来より興味を持っていた自動車産業にもチャレンジしたいと思い、日本でトップシェアを誇る〇〇自動車との取引が強固な貴社での就業を志望しております。
加えて、貴社ではお客先での開発だけでなく、自社開発センターでの持ち帰り開発も行われている点にも惹かれました。

これまで培ってきたC言語やJAVA、Pythonのスキルを活かし、自動車分野においてもお役立ちできるものと考えています。

ポイント

上記の例では「自動車産業にチャレンジしたい」といった点と、「自社開発センターでの持ち帰り開発」といった点が、応募先企業でなければならない理由になっています。

上流にチャレンジしたいという点も動機にはなっていますが、同社じゃなくても叶えられる可能性のある要素なので、応募の根拠に必然性を持たせる情報を複数持つことがポイントです。

例)自己PR

私は前職にて家電製品のマイコン制御プログラムの開発に携わってきました。

開発には主にC言語を用いましたが、並行して動いていたプロジェクトにおいて、製品の検査工程用プログラムにも携わったため、その際にJAVAとPythonの経験も積みました。
この経験は、貴社の募集にあった自動車用検査装置のIoT開発においても、活かせる要素があるのではと考えています。

また、仕様に応じて、できるだけ高品質かつ納期通りに開発を進めることが求められると思いますが、そうした点でも前職においては顧客企業から高い評価を頂いておりました。
「顧客の要求にこたえる」といったミッションにおいては、家電・自動車とジャンルは違えど同一の要素です。
そうした土俵の上で、きちんと成果を残してきた実績は自信を持っている点であり、同時貴社でも活かせるものと考えています。

ポイント

対象製品のジャンルは違えど、組込・制御系開発におけるプロジェクトにおいては、Web系開発よりも納期や品質に対してより厳密な傾向があります。
理由は、ソフトウェアがゴールではなく、物理的なプロダクト完製品がゴールとなる開発において「プログラム」はあくまでその一部であり、その完成品のゴールは当然動かせない為、途中の小さな仕様変更や不具合等が見つかった場合のリカバリーは、Web系開発に比べると、より融通が利きにくいといった背景があります。
(Web系開発がゴールを動かせる という意味ではありませんので誤解の無いように)

そうした業界特有の課題に対して、自信を持ってやってきたという訴求をしています。
この点は本件における応募先企業に限らず、業界が抱える課題なので、材料になる訴求点です。
また、開発に用いた技術は同じである点や、IoTに活かせるといった点で、応募先企業が抱えるプロジェクトに対して、有益なメンバーの一員になれるといったPRになっている点がポイントです。

製造系エンジニア(技術系)の志望動機・自己PRの例文とポイント

機械設計や回路設計をはじめとする製造系エンジニアは、ものづくりに携わる技術系のエンジニアです。

ここでは製造系エンジニア(技術系)の中でも「機械設計職」を例として志望動機と自己PRのポイントを例文とともに解説していきます。
(大手自動車メーカーの車体開発案件等に従事していた求職者が、小型モビリティを開発する中小メーカーへと応募した例を想定したサンプルとしています)

例)志望動機

私は5年間車体メーカーの〇〇株式会社にて機械設計を担当してきました。

主にはCATIA.v5を用いて、外装設計を中心に、一部の内装設計にも携わってきました。
自身が設計した製品が、実際に顧客のもとに届き、目に見えることに大きなやりがいを感じております。
今後は、小型モビリティの製品開発や販売などをされておられる貴社にて、より製品開発などの上流に近い工程を含めて経験したいと感じており、この度応募させて頂きました。

現場の声を吸い上げながら積極的に業務改善に取り組む貴社の社風にも魅力を感じています。入社後は、スキルや知識を伸ばしながらマネジメントも任せてもらえるよう尽力したいと考えています。
そして、新たな分野でもある小型モビリティ開発を手掛ける貴社の事業そのものに興味を持っており、消費者の声が聞こえる距離感や、一連の工程に携わることが出来る役割というのは、貴社を置いて他にありません。

相応の責任も求められるかと思いますが、是非チャレンジしてみたいと思ったのが志望動機です。

ポイント

上記の事例では、応募先企業の特徴が分かりやすい為「同社でなければならない理由」が明確です。
こうしたケースは限られているかと思いますが、自身のスキルや経験を活かしつつ、その会社だからチャレンジできる仕事内容に魅力を感じている という伝え方になっている点がポイントです。

また、事業の規模やプロジェクトの規模はスケールダウンするものの、一連の工程に携わることが出来るという部分に価値を感じている点を伝えることで「大手から地場企業への転職ですけど本当に大丈夫?」といった懸念に対する予防線をはっている内容になっています。

例)自己PR

私は設計のスキルに一定の自信を持っています。

CATIA、NXなど、複数のCADソフト利用経験もあり、マネジメントにも携わったことから、実務から管理に至るまでの経験を積んでいます。

貴社の募集においても、実務をはじめマネジメントも求めてられます。
そうした点で、過去の引き出しがお役に立てるのではないかと感じます。

また、年齢的に貴社メンバーの方々と少しギャップがあると思いますが、これまでも20~30代の若手メンバーと苦楽をともにし、飲み会やレクリエーション等でも時間を共にするなど、不要な壁を設けることなくオープンマインドなスタンスでコミュニケーションを取ってこれたと自負しております。
こうした点は、貴社の環境にアジャストする上でも材料になるのではないかと思います。

ポイント

事業規模が変わることによって生じるギャップに対する懸念についてシューティングする訴求をしています。
また、実務に加えてマネジメントを求めている = プレイングマネージャー募集であることから、自身はプレーヤーとしてもマネージャーとしても経験があり、フィットできるといった点をPRしています。

また、職場環境として年齢層が若いといったギャップに対して、予め問題が無いといった情報を訴求することで、採用後に発生するかもしれない懸念をあらかじめ解消することで、本来の課題解決ポイントである「経験や能力」にフォーカスしてもらおうといった狙いの訴求にもなっています。

製造系エンジニア(事務系)の志望動機・自己PRの例文とポイント

製造系エンジニア(事務系)は、生産管理、品質保証、品質管理をはじめとする製造業における専門職です。
”エンジニア” と称するのは語弊があるケースもありますが、ものづくりに携わる事務系のエンジニアと定義してご紹介します。
ここでは大量生産型の自動車部品メーカーの生産管理職だった求職者が、少量多品種の生産を行う部品メーカーへと応募した例を想定したサンプルとしています)

例)志望動機

今回貴社へ応募させて頂いた理由は、これまで経験してきた自動車部品の生産管理の経験を活かしながらも、より多様な製品を同時に管理し、工場全体の生産計画に係る部分までをカバーできる人材になりたいと思ったからです。

これまでは大量生産品を中心とした部品メーカーで働いてきました。
ただ、貴社では少量多品種で、非常に柔軟性のある部品製造を行っておられます。
単一の製品ではカバーしきれなかった顧客ニーズや時代の流れに対応した商品を、迅速に生産することが可能である点は、先の見えない業界においてリスク管理の点でも武器になると考えています。
また、貴社の場合は他の同業と比べても、独自のノウハウで生産性を高めているようにお見受けします。

大量生産を目的としたものづくりに比べ、より難易度の高い取り組むであるとは思いますが、変化の激しい時代においては避けて通れない要素でもあると感じており、自身のスキルアップと変化対応性を鑑み、貴社へと応募させて頂きました。

ポイント

現職で課題と感じていることの対比として、応募先企業の強みを出すことで動機を訴求しています。
また、応募先企業と類似する少量多品種生産を行うメーカーとの違いにも触れることで、「同社でなければならない理由」に繋げている点がポイントです。

例)自己PR

私の経験の中で、要員、設備、材料などの調達、管理、調整といった引き出しにおいては、これまでも試行錯誤してきたため、そこで得たアイデアや改善事例等は、貴社においてもお役に立てる点かと思います。
また、コスト、生産性、合理性といった点における対策や事例においても、活かせる部分があるのではないかと思います。

加えて、貴社で生産している部品は、〇〇社向けということで、自身も経験のあるメーカー向け製品なので同じイメージを持って職務にあたることが出来るのではないかと思います。

多品種への対応といった点では、不足する部分もあろうかと思いますが、その点は謙虚に上司や先輩に教えを請い、できるだけ短期間でアジャストして、即戦力としてご期待頂けるように取り組んでまいります。

将来的には工場全体を管理できるような人材になることが目標なので、自身の課題を明確にして、一つ一つ素早くシューティングしていきます。
そうした中で過去の経験の中で活かせる部分を取捨選択し、取り入れることが出来れば、今回の募集における期待要素でもあるコストや生産効率の改善といった点も実現に近づけるのではないかと考えています。

ポイント

ここではそもそもの大量生産と少量多品種とのギャップにおける課題にフォーカスして、自身の経験やスキルを解決策の一つとした訴求を行っています。

一方で採用側目線にたつと「本当にアジャストできるのか?」といった懸念があると見立て、そこに対しては素直さや謙虚さをアピールすることで解消する内容としています。
まずはアジャストした上で、過去の経験を活かす というストーリーとすることで、「過去はこうだった」と経験を振りかざす転職者になってしまう懸念も払拭する流れとしています。

また、上記事例においては求職者の目標が「工場全体を管理できる人材」としているため、その為には現職よりも応募先企業のような少量多品種の生産管理に対応できる人材に成長しなくてはならないといった形で、求職者のキャリアの方向性と、企業の目的を同じ方向に向けることで、定着性評価への材料としている点がポイントです。

志望動機・自己PRを書く前の準備

志望動機や自己PRを書く前には、以下で紹介する5つの事前準備が重要です。
しっかりと自己分析を行ってから志望動機や自己PRを考えることで、説得力がアップするはずです。

エンジニアとして働く理由を明確にする

1つ目は、なぜエンジニアを目指すのか? なぜその職種に就きたいのか? という自分なりの理由を明確にすることです。エンジニアとしてやりたい仕事や、身に付けたいスキルを思い浮かべてみてください。

また、エンジニアを目指すことになったきっかけなども重要なポイントになります。
一概にエンジニアといっても種類が豊富にあるため、どうしてその職種を希望したのかもあわせて考えておくと良いです。志望動機を書く際に柱となる重要な要素となります。

過去の実績や経験を洗い出す

2つ目は、これまでの実績や経験をすべて洗い出すことです。

関わってきた製品やプロジェクトはもちろん、実績があれば数字で整理しておきます。
プロジェクトの規模感やシステムの内容、自分がどのような関わり方をしたのかも具体的に思い出しましょう。

プロジェクトを通して「〇〇のスキルが身に付いた」「後輩の育成も行った」といった定性的な結果もアピールポイントになります。時系列ごとに並べておくと、志望動機だけではなく職務経歴書もまとめやすくなります。

また、〇〇の課題を★★で解決したというように、何が解決すべき対象で、どのように解決したか まで解説できると、あなたが解決できる課題や問題が、読み手にもハッキリ伝わります。

自身のスキルや能力をまとめる

3つ目は、経験をもとに洗い出した自分のスキルや能力を整理します。

例えばITエンジニアの経験者であれば、使用してきたプログラミング言語・インフラ環境のソフトやツールなどを書き出します。製造系エンジニアの経験者であれば、係わってきた製品や用いてきた機械のメーカーや種類・ツールやソフトなどを書き出します。

また、保有している資格があればしっかりとアピールしましょう。
過去に表彰された事例があれば、それも材料になります。
自ら学び、努力してきたことを同時に伝えられますし、資格も表彰も、自己評価ではなく他社からの評価である点がスキルの裏付けとして評価されやすいです。

その企業を志望する理由を明確にする

4つ目は、前述までに書き出してきた自身の経験やスキルを踏まえつつ、志望理由をはっきりさせます。
ここで重要なのは企業研究です。

<企業研究でおえさる観点>

  • 企業理念
  • 沿革
  • 会社のビジョン
  • サービス
  • 競合他社との違い
  • カスタマー(消費者)に選ばれている理由
  • 対象ポジションの募集背景や採用目的
  • 対象ポジションに求められる期待役割(ミッション)

応募先企業・応募先企業の競合他社・カスタマーの3者を比較した分析を行うと、応募先企業だけの強みや選ばれる理由が見えてきます。
そうした企業研究を踏まえつつ、自分はなぜこの会社の求人を選んだのか? …を整理してまとめておきましょう。
共感したポイントや課題を具体的に伝えられるようにしておくと良いです。

キャリアプランを考える

5つ目は、入社後のキャリアプランを語れるようにすることです。

転職は最終的なゴールではありません。入社したあと、どのようなキャリアを築いていきたいかをイメージし、具体的なキャリアプランとして考えておきましょう。
1年後・3年後・5年後のように具体的な期日を決め、自分がどうなりたいか、周りにどう影響を与えたいかをアピールします。

加えて、その成長が企業の事業成長やビジョンと一致しているのが、より望ましい形です。
つまり、そのキャリアプランは応募先企業にとっても有益な成長ですか? という点です。

また、積極的にキャリアを積んでほしいと思っている企業であれば、「リーダーになりたい」「部長になりたい」といった上昇志向は1つのアピール材料になるでしょう。
(同時に、なぜなりたいのか? も準備は必要ですが)

志望動機・自己PRの中でアピールできるポイント

最後に、エンジニアの志望動機や自己PRの項目を使ってアピールできる6つのポイントを解説します。

一定レベルのスキルや経験

特定分野のスキルや経験を積んでいることは、当然ながらアピールポイントです。

未経験でチャレンジしたいという人材もいる中で、知識や経験がある方は育成コストや時間のカットにつながり、企業にとってメリットが大きいです。

応募先企業で役に立ちそうなスキル・経験は伝えられるよう準備しましょう。

論理的思考力

論理的思考力も企業が求める重要なポイントです。

論理的思考力とは、問題を解決するために網羅的に論点を整理し、解決策を導き出す考え方です。
ゴールに至る手続きやタスクを整理し、要因・課題・解決策を明確に語れるか? といった部分にも繋がります。

このスキルは過去の経歴はもちろん、面接での会話でもアピールできます。
やりとりの中で、相手が伝えたい論点をしっかり捉え、過不足ない回答を目指しましょう。

コミュニケーション能力

エンジニアは複数人でチームを組んでプロジェクトに取りかかることが多いです。
そのため、コミュニケーション能力は欠かせません。

コミュニケーション能力と一口に言っても、幾つかのスキルに分類できます。

相手の話をしっかり聞く力。
そして、聞いた内容を理解する力。
理解した内容を自分の言葉で伝える力。
自分の伝えたいことを伝え、合意を取る力。
合意が取れない場合に、調整をする力。

チームでの作業は、メンバーの声に耳を傾け、その上で自分はどう思うかを意見することが重要です。
どうすれば円滑に業務を進めていけるか、必要な意見を吸い上げてまとめていく力が求められます。

意欲・向上心

意欲や向上心も志望動機や自己PRでアピールできるポイントです。

特に同じ職場に長く勤めている場合は、マンネリ化してしまい、スキルや知識がアップデートされていないことがあります。常に探求心を持ち、新しい技術を学び続ける姿勢はどんなシーンでも重宝されます。

一方で知識やスキルが足りていないことは悪いことではありません。
むしろ、不足を客観的に認め、どのように不足を補っていくのか考え、謙虚に学ぶ姿勢を持ち続けることが重要になります。

忍耐力

エンジニアに限ったことではありませんが、忍耐力の有無も面接で判断されるポイントです。

執筆者である私も「我慢はスキル」と考えています。

入社後、目標に向かって粘り強く向き合うことができる能力が求められます。
思わぬ壁に突き当たったとき、どのような行動を取るか、過去の失敗を反省し次に活かすことができるか、これまでのエピソードを含めて伝えられるようにしましょう。

お人柄

人柄が企業の文化や風土にマッチしているかも大切な要素となります。
こうした定性的なマッチングについて「カルチャーマッチ」と言ったりします。

会社には必ず社風があります。
そして、企業理念や経営者の哲学に基づいた方針があります。

たとえば、体育会系で熱い情熱を持っている会社、サークルのように社員同士の距離感が近い会社など、会社のカラーはさまざまです。なかなか外から見えにくい分だけ最もマッチングが難しい要素とも言えるかもしれません。

それゆえに、応募先企業の理念や社風などの情報にも目を向け、自身の人物像や価値観が社風にマッチしている点、アジャストできる点 …についても一緒にアピールできると大きな強みとなるでしょう。

まとめ

エンジニアの転職における志望動機や自己PRでは、企業研究や自己分析をもとに以下の情報の訴求が重要です。

「この企業でなければならない理由」
「募集背景や、採用で解決したい課題、実現したい目的に対して、自身の経験やスキルが解決策になる」

といった点をしっかりとアピールする必要があります。

その為には、なぜこの会社で働きたいのか? エンジニアとして働きたいのか? という理由を自問し再確認すること。そして志望している会社についてくまなく調べてみましょう。

応募意欲が上がるだけではなく、自信をもって面接に望むことができます。

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