【静岡移住時も安心!】「だもんで」「しょんない」静岡県方言図鑑 2024/5/8版
静岡県に移住した方に、移住して驚いたことや面白かったことは?と聞くと、方言を挙げる方は少なくありません。静岡県は東西の距離が150km以上あり、各地で少しずつ方言も違います。
また、海側と山側で微妙に違う言い回しも。
静岡の方言は「だら」や「だに」に代表される語尾が特徴的ですが、それらを「可愛らしい」と感じる移住者も少なくありません。
今回は沼津・富士宮・静岡・浜松と東・中・西部地域それぞれに住んだ経験がある筆者が、静岡県で聞いてみたくなってしまう、言ってみたくなる方言をご紹介します。(私は浜松出身のため若干西部寄りかもしれません)
「静岡出身だもんで、しょんないら!」
静岡県の代表的な方言といえば、「だもんで」「しょんない」ですよね。こちらは伊豆から西部までの静岡県全域で使われる表現です。
「だもんで」は、~だから、という意味です。変形として形容詞と合わせる時は「もんで」になります。
例文)寝不足だもんで早寝しなよ(寝不足だから早寝しなさいよ)
寒いもんで上着着て行きなよ(寒いから上着着て行きなさいよ)
なぜ「もんで」が入るのかは謎ですが、「~なもので」からの変形なのでしょうか。謎です。しかし、「だもんで」は文頭に来ることもあります。
例文)今日あんたバカ眠そうじゃんか!だもんで早く寝なって言っただに~
(今日あなたとっても眠そうよ、だから早く寝なさいって言ったのよ)
※文中の語尾の「じゃんか」「だに」は後ほどご説明します。
「バカ」は、すごく・とてもという意味の静岡弁です。
「しょんない」は、しかたがない、しょうもないという意味です。
一時期、人気で全国的に放送されていた静岡ローカルのテレビ番組「しょんないTV」で言葉は聞いたことがある方も多いのではと思います。
例文)いくら探したって見つからんもんはしょんないね(しかたがないね)
○○さん、飲みに行って酔いつぶれちゃっただって。しょんない人だねえ(しょうもない人だね)
私はこの「しょんない」が、静岡らしい柔らかくて愛らしい言葉で好きです。
静岡の方言 こんな語尾に注目!!
「じゃん」「け」「だら」「だっけ」「ら」「だに」「りん」「さ」・・・他にもいろいろ
「じゃん」は、関東圏でも使われるので説明は省略します。
例えば、「これですか?」と聞く時、「これけ?」「これだら?」「これだっけね?」全て同じなのですが、地元民にとっては少しずつニュアンスが違います。
「これけ?」は、これ?という純粋な疑問形、「これだら?」は、これだよね?という感じで断定も込めた疑問形、「これだっけ?」は、たぶんこれだけどちょっと自信が無いときに使う疑問形です。
※語尾の上げ下げによりこのニュアンスは異なりますし、語尾どうしを重ねるなどバリエーションもありますが、掘り下げるとキリがないのでこのあたりにしておきます
「ら」「だら」は全域で使いますが、「だに」「に」は主に西部地方で多く使われます。これらはネイティブはあまり意識して使い分けていませんが、よく考えてみると以下のような意味で使っています。
例文)行くら?(行くよね?) 行くだら?(行くんだよね?)
行くらぁ➘(行くに決まってるじゃないですか) 行くだら➘(どうせ行くんでしょ)
行くらっ?(行きましょうよ) 行くに(行くよ)
行くだに(「行くに」より強めの、行くんだよ)
皆さんはもうわかるら?(わかりますよね?)・・・わかりませんよね。
つい力を込めてたくさん書いてしまいましたが、語尾の方言はとても奥が深いのです。
「りん」→浜名湖以西・三ケ日地区の方言
「りん」は愛知の三河弁で、主に浜名湖以西の湖西市や浜松市三ケ日地方で使われます。
例えば、好きにやりん!(好きにやってみな)たくさん食べりん(食べな)など、勧めるニュアンスで使います。
りん、って響きが可愛いですよね。
「さー」→静岡中部~東部で使われる方言
「さー」は中部~東部でよく使われます。
例文)昨日飲みに行ったさ~(行ったのよ)、そこからハシゴしたさ~(したよ)
打ち解けた相手と話すときに使うイメージです。
「うちっち」、「おとこし・おんなし」複数形の呼び名
私たち、など複数形の方言も静岡県各地域で少し違ってきます。
「うちっち」
主に中部地域で使われます。「私たち」という意味のほか、「自分の家」という意味でも使います。
例文)修学旅行どこ行った?うちっち高校は京都だっけよ(わたしたちの高校は京都だったよ)
この後どこ行く?○○っち行ってみる?(○○の家に行ってみる?)
「○○っち」は「オレっち」「子どもっち」などいろいろ使い回せます。
「うちら」
これも「私たち」という意味です。「うちら」は静岡でなくても使うところは多いですね。
「おとこし」「おんなし」
甲州弁でもあり、主に山梨県に近い富士宮などで使われています。
男たち=男衆、女たち=女衆からの変化だと思われます。
聞くとついクスッと笑ってしまう方言
「てんこちょ」
私は若い頃に関東出身者と話していて、「てんこちょ」と言ったら「なにそれ?可愛い!」すごく笑われた記憶があります。
「頭のてっぺん」という意味ですが、これも西部地方で使われるいわゆる遠州弁です。
「かじる」
静岡全域で使われます。歯を使う「かじる」だけではなく、引っ掻くという意味でも使われます。
例文)かさぶたかじっちゃいかんに(かさぶたを引っ掻いちゃだめよ)
「ちゃっと」急いで
例文)お塩切れちゃったでちゃっと買って来るに!(お塩が切れてしまったから急いで買ってくるね)
「とんでく」走っていく
例文)※ダブル使い上級編 もうバスが来るでちゃっととんでくに!(もうバスが来るから急いで走っていこう)
「ぶしょったい」
みっともない、汚いといった意味です。今では年配の方しか使わないかもしれません。
例文)あんたこんなぶしょったい格好して!ちゃんとしていきなさい。
「おぞい」
品質が悪い、ボロい、ダサいといった意味で、主に中部~富士地域で使われます。
例文)このお茶おぞいやあ(美味しくない)
おぞっ!(ダサっ!)
「ちんぷりかえる」
ふてくされる、すねるという意味。激怒している時は使わず、ちょっとプリプリしているくらいのニュアンスです。
例文)な~にちんぷりかえってるよ~(なにふてくされてるよ)
「やっきりする」
あえて言うなら、腹が立つといった表現。でも激怒ではなく、むしろ諦めが入っているという感じです。
例文)あの人またサボってたのよ、やっきりしちゃうや~
※ダブル使いの上級編 いつまでもちんぷりかえってるじゃないよ、やっきりしちゃうや~!
ネガティブな表現もちょっと面白い、かわいらしいのが静岡の方言のいいところ!
静岡好きなあなたもぜひ使ってみましょう!
静岡ならでは!な方言一覧
「みるい」…柔らかい、みずみずしい、若い、未熟
静岡といえばお茶が有名。中部地方を中心にお茶が盛んな地域で主に使います。柔らかいお茶の新芽を指して「みるい」と言います。
例文)1年生はみるくて可愛いやあ(幼くて可愛い)とか、あのひとはまだまだみるいよ(まだまだ未熟者だよ)
「くろ」…黒い色ではなく、端や隅という意味で使います。
例文)車来るで道のくろに寄んな(車が来るから道路の端に寄りなさい)
・・・早口言葉みたいですね!
移住検討中の方は、現地の地元の人が行きそうな居酒屋など飲食店に寄ったら、ぜひ聞き耳を立ててみてくださいね!
移住して使いこなせるようになったら、立派なネイティブ静岡人になれるかもしれませんね!
Achieve Career(アチーヴキャリア)は、静岡県・愛知県への移住時の転職をサポートしております。地場の求人媒体社である株式会社アルバイトタイムスが運営し、3,400案件を超える豊富な案件ラインナップを含め、移住時の支援金に関する情報提供もさせて頂いております。又、静岡県が推進する「ふじのくにに住みかえる推進本部」構成員として、国内・海外から静岡県への移住者の転職サポートを行っております。
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執筆者:宮嶋千恵美(chiemi miyajima)
浜松移住コーディネーター。国家資格キャリアコンサルタント。沼津市、浜松市、静岡市、富士宮市に転職&移住経験を経て、2015年~認定NPOふるさと回帰支援センター内の静岡県移住相談窓口にて移住相談員を務めた後、2020年浜松市へUターン。移住した方々との交流や、地元食材を使った料理とドライブが趣味