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移住で気になる「地域に馴染めるか」「ご近所付き合い」「様々なコミュニティ」について<Part2> 2024/9/26版

前回7月の『移住で気になる「地域に馴染めるか」「ご近所付き合い」「様々なコミュニティについてパート1』では、「自治会とは」や「お引越し時のご挨拶」、「回覧板」「清掃活動など」「組長(班長)」などをお伝えしました。
今回は、自治会費のほか日常生活に欠かせない事柄や委員のお仕事など、様々な自治会活動やイベントについて取り上げます。

自治会運営あれこれ ~ごみ収集・防災・子ども会の運営とは~

パート1でお伝えした通り、自治会は会長・副会長のもと、会計・部長・評議員などの役員や地域の実情に合った委員で構成されています。組織の一番小さい単位は、隣近所で構成される「組」という集まりです。
※「組」ではなく、「班」や「区」などの呼称の地域もありますが、ここでは「組」表記で説明します。一番小さい単位の「組」の代表である「組長」は順番に回ってくる当番制を採用しているところがほとんどです。

①自治会費

自治会費は、月に数百円~数千円と地域によってまちまちです。平均は月500~600円で、世帯数が多い地域より少ない地域の方が高額になる傾向です。自治会費の用途もそれぞれ違って、防災用品の備蓄、自治会内の安全用品、夏祭りなどのイベント経費、自治会館・グランドの維持管理や光熱費、防犯灯(街灯)の設置費用等々かなり多岐にわたります。自治会費以外にも、自治会館の建設・修繕の積み立て金などを別途集金している地域があります。

自治会加入率が高い静岡県では、集合住宅の場合は自治会費を家賃と一緒に引き落とされるケースが多く、一戸建ての場合は組長が各戸を回り集金する自治会もあります。月ごと・半年ごと・年払いなど、集金のタイミングもそれぞれ違っているようです。

②ごみ収集場所の管理

集合住宅ではその物件の管理会社や管理組合が敷地内の集積所を管理している場合がありますが、地域ごとのごみ収集場所は自治会が管理しているため、持ち回りで清掃当番を担います。「美化委員」などの委員が管理するケースもあります。

収集場所が鍵付きの場合は、鍵の開け閉めと清掃をセットで当番にしている場所もあります。

ごみ収集は、東京23区では自宅前に出しておけばOKな地域もありますね。

地方だと集合住宅の敷地内に収集場所がある物件もありますが、全てがそうとは限りません。一戸建てや集合住宅の場所によっては、ごみ収集場所が遠い場合もあります。人口が少ないエリアに一戸建てを購入した移住者の方は、毎回ごみ出しのたびに250m近く歩くから、毎回ちょっとした運動だよと苦笑いしていました。物件内見の際は収集場所も必ず確認しましょう。みんなで使う場所なので、汚れていたらそれぞれが自主的にお掃除するので基本的に汚れないよ~と言っていた移住者さんもいました。地方では特に、ごみ収集場所に限らず地域内のあらゆる場所を自治会を通して住民の皆さんで管理しているので、皆が気持ちよく使えるようそれぞれが気を配りたいですね。

【Check!】ごみの分別について

東京も順次「プラスチックごみ」の分別が進んでいますが、静岡県内では現在ほとんどの市や町がプラごみを分別収集しています。収集回数や分別の詳しいルールは市町ごと違うので、各市町のホームページでチェックしてください。

③防災・避難訓練

約80年前に起こった巨大地震「東南海地震」以降、静岡県は南海トラフ地震の被害が大きい想定の県としてかなり前から防災意識が高く、県、市町で大小様々な避難訓練を実施しています。

保育園や幼稚園、小学校など子どもの頃から、予告無しでの避難訓練も含めて静岡県内の訓練は本格的です。

「自主防災隊」や「防災委員」などが設置され、各自治会でも様々な訓練が行われています。

9月の防災週間や12月の地域防災の日に一斉に行われる避難訓練では、外から見える位置に世帯員の無事を知らせる黄色い布を掲げておくなど、実際に災害があることを想定した訓練を行っている地域もあります。防災委員を中心に、避難訓練時以外にも自治会の備蓄品チェックや取水ポンプの点検等々、必要な活動を定期的に行っています。

近年は大雨被害も多くなっており、役員でなくともそれぞれが日頃からいざというときのために備えはもちろん、隣近所で共助できる関係性を形成しておくことが大切です。

そういった観点から、自治会に加入し、その地域の情報を知っておくことや、近隣の住民と交流したり話をしたりするきっかけでもある自治会活動に参加する意義は大きいです。

④子ども会

幼児~18歳の地域の子どもたちで構成される「子ども会」は、静岡県内では小学生が主体となっています。中学生~高校生は「リーダー」的役割で関わっている地域もあります。学校とは別の集団のため、学年に関係なく一緒のイベントで仲良くなったり、子どもが地域の大人たちと繋がったりする良い機会になっています。しかし、子どもの数の減少と、塾やスポーツなど個別活動の多様化もあり、静岡県内も全国の各地域と同じく子ども会は減少傾向です。

子ども会ごとに活動内容はさまざまですが、新入生や卒業生の歓送迎会、夏休みのラジオ体操、お楽しみ会、クリスマス会などのイベントのほか、地域のお祭りや廃品回収などの地域活動を担っていることもあります。

役員は子どもの親から選出されます。私が静岡市に住んでいた時、同じ町内に住む6年生が3人のみだったため、会長・副会長・会計の役員をその親御さんたちと一緒に務めたことがあります。息子たちは別でサッカー少年団にも入っていたため、両方の役員になり休日のほとんどがその二つの活動にかかりきりで、仕事と両立するのがハードだなと感じる時期もありました。

10年以上前ですが、その当時の親御さんたちとは別の地域に住む今でも交流があり、仕事でのお付き合いとは全く違ったざっくばらんな関係性ができたことは貴重な機会だったと感じています。

⑤地域住民の交流を図るイベント

パート1でお伝えした定期的な清掃活動のほか、同じ町内の住民と交流できるイベントを開催している自治会もあります。

A.運動会

コロナ禍により開催しなくなった地域も多いようですが、復活した自治会もあります。「体育委員」を中心に年1回、学校のグラウンドなどで子供からお年寄りまで参加しています。

B.納涼会

いわゆる「夏祭り」で、町内の広場や公園で行われることが多いです。

浜松に移住して2年目に組長を務めた単身女性が、納涼祭で焼きそばを焼く係をやったそうです。前日の準備から地域内の方々と協力して、暑くて大変だったけどいろいろな方と話せたのは貴重な経験で、その町に愛着が湧いたそうです。

「盆踊り」など地域ならではの文化を知れる、なかなか興味深い機会ですよ。

C.神社の祭事

自治会活動とは別ですが、神社がある場合は神社の祭事を担う地域もあります。年々担い手が減少している地域では、逆に移住者やその子どもたちが伝統文化に深く関われる機会にもなっています。

ここまで静岡県内の自治会についてざっとお伝えしました。このほか自治会によっては交通安全委員や女性会、老人会などのコミュニティもあります。静岡市で2020年に全自治会向けに実施したアンケート結果がわかりやすくまとめられていますので、ご興味ある方はご覧ください。

https://www.city.shizuoka.lg.jp/documents/2561/000903692.pdf

増加する静岡県内の地域イベント 音楽・スポーツ・アウトドア等

地域には、町内の住民で構成する自治会以外にも様々なコミュニティがあります。

私が住む浜松市は、「音楽のまち」のため市民オーケストラなど音楽繋がりのコミュニティが市内に多く存在します。Jリーグのチームがある静岡市、磐田市、沼津市、藤枝市とこれらの周辺市町も含めて、サポーター繋がりで仲良くなることも。

移住者さんの中には、職場の同僚に誘われたサッカーチームで仲間がたくさんできた方や、入会した格闘技ジムのオーナーがその土地で人脈が広いキーマンだったので多様な方と繋がりができたと仰る方もいて、共通の趣味の話題で盛り上がれる仲間ができるのは嬉しいことですね!

スポーツはもちろん、キャンプや登山、サイクリングなどアウトドア活動、ボードゲーム、読書の会など、興味がある分野にアンテナを立て、イベント等に飛び込むのもお勧めです。

移住者コミュニティが盛んな市や町も多くあります。静岡市、浜松市、沼津市、富士市、三島市、そのほか伊豆エリアの市町など移住者が多いエリアでは、移住者が参加しやすい交流会も現地で盛んに開催されています。

移住するには仕事と住まいは必須事項ですが、移住後のギャップ「こんなはずではなかった」をできるだけ少なく、「移住先の人間関係」「自分の居場所やコミュニティ」など事前に知っておき心構えをしておくことは、納得感がある移住生活を送るために大切なことだと私は考えています。

住民や移住者による「生の情報」は、インターネットで発信していないのもまた「地方あるある」です。 静岡県内の多くの市町では、東京都内など首都圏で移住希望者と移住者が交流できるイベント、移住セミナー、移住相談会をオンライン・対面共に積極的に開催しています。イベントや相談会で実際に聞くことも情報収集の一つとして、気軽に参加してみてくださいね。

  

Achieve Career(アチーヴキャリア)は、静岡県・愛知県への移住時の転職をサポートしております。地場の求人媒体社である株式会社アルバイトタイムスが運営し、3,400案件を超える豊富な案件ラインナップを含め、移住時の支援金に関する情報提供もさせて頂いております。又、静岡県が推進する「ふじのくにに住みかえる推進本部」構成員として、国内・海外から静岡県への移住者の転職サポートを行っております。


移住時の転職に関しては「移住アドバイザー・藤原啓之(ふじわらひろゆき)」までお問合せ下さい。

【コンサルタント紹介】
藤原啓之 https://achieve.atimes.co.jp/career/consultant/fujiwara
お問合せ 0120-887-708
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執筆者:宮嶋千恵美(chiemi miyajima)

浜松移住コーディネーター。国家資格キャリアコンサルタント。沼津市、浜松市、静岡市、富士宮市に転職&移住経験を経て、2015年~認定NPOふるさと回帰支援センター内の静岡県移住相談窓口にて移住相談員を務めた後、2020年浜松市へUターン。移住した方々との交流や、地元食材を使った料理とドライブが趣味

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