転職ノウハウ・コラム

【システムエンジニア】職務経歴書の書き方!見本テンプレート付きでポイントを解説。 2023/4/28版

SE(システムエンジニア)職務経歴書の書き方とテンプレート

システムエンジニア(SE)の経験を活かして転職を検討しているものの、職務経歴書にどのような項目を書けばよいのか分からないという方は少なくありません。この記事では、職務経歴書の書き方をテンプレートとポイントでまとめました。まずはテンプレート、その後ポイントの解説といった流れで、必要となる能力やスキルも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

【アチーヴキャリア】IT 職務経歴書フォーマット

システムエンジニア(SE)職務経歴書の見本テンプレート

職務経歴書

20●●年●●月●●日現在

氏名:●● ●●

■ 職務要約

株式会社●●に入社後、約2年間社内システムエンジニアとして、Java/HTML/C/C#/をVB.NETを用い、社内システムの構築・保守・運用を担当。約1年半、Rubyを用い、自治体向け公共サービスの基本設計/詳細設計/プログラミング/テストを、10名のチームのリーダーとして担当。2020年10月現職に入社。病院向け電子カルテシステムの、要望ヒアリングから設計・保守までを一貫して担当。

■ 職務経歴

勤務先名:株式会社●●(期間:2017年4月~2020年9月)

◆事業:システム・ソフトウェア開発(東証一部上場)

◆従業員数:3,500名

◆売上高:700億円

◆雇用形態:正社員

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期間 案件名/業務内容 環境/規模 職位/役割/人数

2017年4月

2019年3月

部署名:東京本社 技術統括本部 企画課 配属

3ヶ月の研修後、技術統括本部へ配属される。

<目的・役割>

社内システム保守・運用業務、PC導入とリプレース、ヘルプデスク、ホームページ更新など社内システムエンジニアとして幅広い業務を行った。

<目標・成果>

要件定義、基本設計、プログラミングなど多岐にわたる業務を行い、経理システム構築、電子帳票システム対応、Web生産管理システム開発などのプロジェクトを成功させた。

<担当工程>

インフラ構築、導入テスト、運用保守

<内容・手段>

  • 経理システム構築
    資材伝票入力から支払(インターネットバンキング)対応までのシステムの構築のための要件定義、基本設計を行った。
    環境:OS/UNIX
    言語:Java/HTML/C
  • 電子帳票システム対応
    内部SI作業環境作成や、SIテストなどを行った。
    環境:OS/UNIX
    言語:C#
  • Web生産管理システム開発
    基本設計、詳細設計、プログラミング、テスト(単体、結合)までを幅広く行った。
    環境:OS/WindowsXP
    言語:VB.NET

<環境>

OS/UNIX
OS/WindowsXP

<言語>

Java vHTML
C
C#
VB.NET

役割:社内SE
職位:一般職
チーム人数:12名

 

開発プロジェクト期間:5ヶ月
基本設計、詳細設計、プログラミング、テスト、システム操作マニュアル作成までを幅広く行った。

   
 

<退職理由>

Webアプリケーションの開発に興味を持ったため。

   

勤務先名:★★株式会社 (期間:2020年10月 ~ 現在 )

◆事業:Webアプリケーションの開発(非上場)

◆従業員数:150名

◆売上高:80億円

◆雇用形態:正社員

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期間 業務内容 環境/規模 職位/役割/人数

2020年10月

現在

医療システム課に配属され、病院向け電子カルテシステムの開発に携わる。

<目的・役割>

導入先の病院から要望をヒアリングし、電子カルテシステムの設計から保守までを一貫して担った。

<目標・成果>

茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県の個人クリニック~中規模病院に対し、電子カルテシステムを新規導入した。

▽新規導入実績

2020年度 3件 売上計 1,000万円

<内容・手段>

2021年度 5件 売上計 1,900万円

2022年度 4件 売上計 1,700万円

<内容・手段>

電子カルテシステムの開発に関するヒアリング

要件定義、設計、開発、テスト

システム連携、データ移行

環境構築、検証等

現地での設定作業、操作説明

<環境>

OS/Windows
Server 2019

<言語>

Java

役割:社内SE
職位:一般職
チーム人数:5名

 

<退職理由>

両親の介護の必要があり、フルリモートワークを希望するため。

   

■ テクニカルスキル

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OS UNIX 13年7ヶ月 環境構築、開発が可能
WindowsXP 12年8ヶ月 環境構築、開発が可能
iOS 5年6ヶ月 環境構築、開発が可能
言語 HTML 12年5ヶ月 指導や改修も可能
Java 10年4ヶ月 指導や改修も可能
C 9年5ヶ月 指導や改修も可能
C# 4年1ヶ月 最適なコードで記述可能
VB.NET 3年8ヶ月 最適なコードで記述可能
Ruby 3年7ヶ月 最適なコードで記述可能
Python 6ヶ月 基本的なプログラミングなら可能

■ 資格

  • 基本情報技術者試験(2015年11月合格)
  • 応用情報技術者試験(2016年6月合格)
  • ORACLE MASTER Silver SQL 2019(2022年8月)

■ 活かせる知識・スキル

  • 要件定義:7年(顧客要望ヒアリング可能)
  • 基本設計:7年
  • 詳細設計:6年
  • 構築:5年(リーダーとして指導可能)
  • 運用保守:5年
  • Java/HTML/C/C#/をVB.NET/Ruby(フロントエンドとサーバーサイドの開発経験あり)
  • 自治体向け公共サービス、病院向け電子カルテシステムの知識

■自己PR(以下の点でお役に立てます)

【フロントエンドとサーバーサイド両方の経験】

JavaやRubyを利用したサーバーサイドでの開発に加え、JavaScriptやHTMLなどを使ったフロントエンドでの開発経験があります。開発する際は、顧客が求めているものを常に意識して作業を行うよう心がけておりました。顧客からのヒアリングから、設計、開発、保守、ユーザーへの現地での説明まで一貫して対応した経験を貴社での業務にも活かしてまいります。

【コミュニケーション能力】

社内メンバーや顧客先、協力会社とコミュニケーションをとり、作業上の問題点をスムーズに解決することで、納期内に作業を完遂することができました。チーム内でも情報共有を密に行い、緊急のトラブルが起こった際には積極的に他メンバーのサポートに入りました。貴社でもこのコミュニケーション能力を活かしてチームで協力し、プロジェクトの成功に貢献できたらと考えております。

システムエンジニア向け・職務経歴書の項目別解説

ではここからは、システムエンジニアが転職にあたって記載する職務経歴書で、必要な項目をそれぞれ解説します。

職務要約

学生の新卒採用と異なり、中途採用の場合は、すでにある程度仕事をこなしてスキルを身に付けてきたことが前提になります。そのため職務経歴書の冒頭では、大学や専門学校卒業後、これまで自身が積み重ねた職務について記載するのが一般的です。すぐ目につく場所に職務経歴の概要が記載されることで、自社に必要な人材か否か、採用担当者が大枠を把握しやすくなります。

ここで注意すべき点は、前のめりになって長々と書くと、逆に分かりにくくなってしまうことです。目安として、3〜4行くらいにまとめて要約することを心がけましょう。応募者がどのような人なのかを捉えてもらえるように、具体的な数字を交えながら、得意分野や強みなどについて簡潔にまとめると、読みやすく説得力が増す職務経歴書になります。

活かせる知識・スキル

一般的な職務経歴書では、職務を要約する欄の後に「活かせる知識やスキル」を書く欄があります。システムエンジニアとして仕事をしてきた中で培った、さまざまなスキルやアピールしたいポイントについて、箇条書きで簡潔に書きましょう。

たとえば、Web系エンジニアなら、複数のプログラミング言語を使えるといった広いスキルを持っていることは強みです。一方、システム構築と運用などすべての工程に関わる「SI(システム・インテグレーション)」に携わっていたのなら、特定の業界の専門知識などスキルの深さをアピールすると、ほかの応募者との差別化を図れます。ITスキルのみならず、ヒアリング能力やプロジェクトをまとめる力などのビジネススキルも書いておくと、総合的な案件対応能力の高さをアピールできます。

中途採用は即戦力を求められやすいため、客観的に判断しやすい経験年数や実績を確認し、具体的に数字で記載することも重要です。

職務経歴

これまで携わってきた職務について、くわしく紹介するのが「職務経歴」欄です。

ここではまず、システムエンジニアとして開発業務に従事した年数や、会社名、事業内容、資本金など、直近まで勤めていた会社の基本情報を書きます。OSやプログラミング言語などの開発環境や、プロジェクトメンバーの規模、担当していたフェーズなどをできるだけ具体的に記載するようにしましょう。

また、システムエンジニアと一言でいっても、以下のようにさまざまな種類があります。

  • Web系エンジニア(フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、サーバーサイドエンジニア等)
  • 汎用系エンジニア
  • 組込エンジニア
  • インフラエンジニア(サーバエンジニア、ネットワークエンジニア、データベースエンジニア等)
  • 社内SE
  • ネイティブアプリエンジニアなど

たとえば、インフラエンジニアは、サーバーやPCをつなぐ快適な通信ネットワーク環境を設計、構築し、運用、保守を担います。そのため、プロジェクト規模が重要なキーになることが多いです。プロジェクトメンバーの人数のみならず、サーバーの台数も併せて記載しておくと、採用担当者にイメージしてもらいやすくなります。

組込エンジニアの場合は、開発する「製品の種類(自動車、家電製品など)」が自社の事業と合致しているかどうかも、よく見られるポイントです。応募する企業の事業内容をあらかじめチェックしておき、職務経歴書で何をアピールするのか決めることが大切です。

社内SEで職務経歴書を書く場合は、まとまった期間で仕上げるプロジェクトと、社内からの問い合わせ対応など通年にわたる業務の2種類が存在します。これらが混在していると分かりにくいため、欄を2つに分けて書くといった工夫がおすすめです。

開発経歴

職務経歴書で最も重要なのが、「開発経歴」です。これまでエンジニアとしてどんな仕事をどのように行ってきたのかをアピールする部分であり、抜けや漏れがないように注意しなければなりません。

開発経歴欄では、以下のような内容を書くことが一般的です。

  • プロジェクトの概要
  • 開発環境は何か(OSやプログラミング言語などの)
  • 開発プロジェクトのメンバー規模はどれくらいか
  • どのフェーズを担当していたのか

本欄では、携わった案件と、自分自身の携わり方について、できるだけ具体的に書くことがポイントです。

たとえば、業務内容として「管理システム開発」といったあいまいな言葉で書かれていても、何を管理するシステムなのかが把握できません。ひいては、応募者がどのようなスキルを持った人なのか見えないため、評価や採用の判断は困難です。

複数のフェーズを担当していた場合は、それぞれの時期も含めて書いておくと、プロジェクト全体における業務量を測ってもらいやすくなります。「詳細設計」に1ヶ月、「開発」に3ヶ月、「試用」に1ヶ月、「保守サポート」に3ヶ月、などと分けておくと分かりやすいのでおすすめです。

テクニカルスキル

エンジニアである以上、技術面での保有スキル欄もしっかり記載する必要があります。

基本的には過去の経歴に応じて、用いた技術や開発環境を記載しましょう。
開発環境を表す情報としては、OS/サーバ、データベース、プログラミング言語、その他フレームワークなどを明記できるとベストです。

まずOSやサーバの経験として、WindowsやLinux、Android、iOSなどにおける開発経験年数や、何ができるのか(インストール、環境構築、開発など)をそれぞれ記載します。
また、Oracle、SQLServer、MySQLなど、どんなデータベースを用いたことがあるか。
そして、プログラミング言語は、経験言語に応じて使用期間やスキルレベルを箇条書きにしましょう。過去のプロジェクトで使用したプログラミング言語のバージョンまで書いてあると、スキルがより分かりやすくなります。
同様に、アプリケーション開発には欠かせないjQuery、Ruby on Railsといったフレームワーク(FW)についても、使用期間やスキルレベルを簡単に書きます。

プログラミング言語やフレームワークなどのスキルレベルは、

  • 基本的なプログラミングなら可能
  • 最適なコードで記述可能
  • 指導や改修も可能

といったように、あくまで主観的な書き方になってしまうと思いますが、ここは割り切って面接時に確認された際に認識を合わせていけば問題ありません。現在習得を目指しているものがあれば、その旨を記載しておくのもアピールになります。

保有資格

エンジニアとしての業務スキルを客観的にアピールできるのが「保有資格」欄です。たとえば、

  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験

などをこれまでに取得したなら、取得年月とともに記載します。システムエンジニアはMCP (Microsoft Certifications Program:マイクロソフト認定資格)やSAP認定コンサルタント、ORACLE MASTERなど、ベンダー系資格も保有していると業務に活かせる場合がよくあるため、忘れずに記載しましょう。

なお、職務経歴書に書くのは、あくまでシステムエンジニアとして業務を遂行するのに必要な資格のみで構いません。普通自動車免許などの一般的な資格については、別途履歴書にて記載します。

自己PR

ここまでの欄でエンジニアとしての職務や開発経歴、保有資格などを書けたなら、最後は「自己PR」欄を作成します。

今まで、一貫したプロジェクトに携わってきたのなら、何のプロジェクトを担当したとき、どんな目的で、どのように考え、どのように行動したのか、それによってどのような成果を上げられたのかまで整理し、具体的かつ定量的に伝えましょう。できれば、他者からの評価を混ぜるのも有効です。

自己PRは、文章あるいは箇条書きなどでまとめます。

文章であれば5行以内程度、箇条書きでも3つほど書けば問題ないため、それほど難しく考える必要はありません。自分自身が応募先の企業に入社した場合、どのように業務に取り組み、会社に貢献できるのかを、採用担当者にイメージしてもらえるのが理想です。そのためにも、職務経歴書の各項目はふわっとした表現を避け、できるだけ具体的に書くことを目指しましょう。将来に向けてどのようなチャレンジをしたいかなど、描いているキャリアパスについても書くようにします。

システムエンジニアの職務経歴書の注意点

職務経歴書に盛り込むべき項目は見本を参考にして書けば、とくに難しくはありません。ただ、実際に書く際に、あらかじめ気を付けておかなければならないことがいくつかあります。ここでは、とくにつまずきやすいポイントについて、3つ紹介します。

プロジェクトが多いときは厳選して記載する

エンジニアとしての職歴が長く、携わってきたプロジェクトが多い場合、職務経歴書にすべて書いてしまうと、結局言いたいことがうまく伝わらず、逆効果になるおそれがあります。大体の目安として3枚以内に収まりきらない内容量であれば、とくにアピールしたいプロジェクトにしぼるのがおすすめです。

その際に選ぶ基準としては、

  • 最も新しいプロジェクトから記載する
  • 応募先の企業の業種や応募条件に合いそうなプロジェクトにしぼる

といった方法が考えられます。

職務経歴書内では、目立たせたいアピールポイントを簡潔に記載した上で、それ以外のプロジェクトについては「担当プロジェクト一覧」を別途作っておくのも一案です。面接中にほかのプロジェクトへ話題が移った場合、これまで担当したプロジェクト一覧を見せた上で説明できると、面接官によい印象を与えられる可能性が高まります。

客先常駐のプロジェクトは実名を控える

クライアントから開発案件を新しく受注した場合、契約の中に「守秘義務」を含んでいるケースがよくあります。第三者の企業に、どの企業がどのようなシステムを発注して利用しているのかなどの情報をもらさない、といった義務を負っている場合、職務経歴書にもそうした情報は基本的に書けません。

もしそうした契約に違反してしまうと、クライアントからの信頼を失い、最悪、損害賠償責任などを問われるなど、大きなトラブルの原因になる可能性があります。

開発経歴は基本的に具体性が重要ではありますが、クライアントの実名は伏せ、「大手情報通信企業」や「外資系コンサルティングファーム」など、規模、業種、目的などが分かる形式で記載しましょう。

応募企業の開発スタイルに対応できることをアピールする

システム開発と一言でいってもさまざまな規模があります。企業側が通常行っている開発スタイルと、応募者が経験してきた開発スタイルとは、必ずしも一致するとは限りません。たとえば、大規模な案件のうち、あるひとつの工程(フェーズ)のみしか担当したことがない人は、設計から開発、保守運用まで一貫した開発案件をすぐに担当できるとは考えがたいでしょう。そのため、転職先の業務が、自身の経験やスキルで対応できるかどうかを確認することは、入社後のミスマッチを防ぐためにも大切です。

もし前職が非エンジニアであったり、経験したことのない開発スタイルの企業に応募したりする場合は、転職先で活かせそうな経験や、プライベートでの開発経験などを挙げるのもおすすめできます。

求められる役割として、要件定義や基本設計などの工程を担当する可能性もあります。そうしたいわゆる上流工程の経験があるのは、即戦力として強力な武器になるため、ぜひ職務経歴書でアピールしてみましょう。

システムエンジニアに求められるスキル

システムエンジニアはシステム開発のみならず、要件定義や設計など、幅広い業務をこなすことから、必要とされるスキルも多くなりがちです。転職を考える際には、今どのようなスキルを持っていて、どのスキルが不足しているのかをしっかり把握すると、よりスピーディーにスキルアップを図れます。

ここでは、システムエンジニアに求められるスキルのうち、プロジェクトの種類にかかわらず共通して必要とされるものについて、簡単に紹介します。

ヒアリング能力

要件定義を行う前に、クライアントから現在の課題や実現したいシステムの理想像などを、丁寧に聞き出すスキルです。円滑なコミュニケーションを図り、ヒアリングをしっかりと行うことで、クライアントとの言葉の合意や意図のずれなどを予防し、次のフェーズ以降スムーズに進められるかどうかが決まります。クライアントのスキルやリテラシーに合わせて、開発するシステムを提案することも大切なスキルです。

課題設定力

クライアントからのヒアリングを徹底的に行い、真の課題を見極めることも、システムエンジニアとして重要な仕事です。課題を的確に設定できれば、それを解決するために、どのようなシステムを開発すればよいのかなどを検討しやすくなります。

問題解決力

システムエンジニアとしてシステム開発に取り組んでいくと、さまざまなトラブルに遭遇することがあります。そこで重視されるのが問題解決力です。まず何が問題なのかを把握し、原因を特定し、対策を講じます。その際、ものごとを筋道立てて整理しながら考える「論理的思考」が求められることも少なくありません。

たとえば、クライアントの要望から「抱えている課題」を正しく理解し、どうすれば解決できるのかは、筋道を立てて考えることが不可欠です。クライアントに解決策を提示する際にも、なぜそれが最善なのかといった根拠も提示しなければ説得力がありません。問題解決力は、論理的思考の上に成り立っており、密接に関わりがあると考えられるでしょう。クライアントのみならず、プロジェクトメンバーと協力して開発を進めていく中では、こうしたスキルの観点も重要です。

品質管理能力

システム開発の際は、要件定義・設計・プログラミングなどの各工程においてテストを行い、問題を発見、解消することが求められます。不備を見逃したまま、品質が悪い状態で納品してしまうと、クライアントからの信頼を失うなど、大きなトラブルを招きかねません。システムエンジニアは、こうした品質を適正に管理する力も求められます。

当初合意したはずの要件や仕様を理解してこそ、現状と目標のギャップが把握できる、つまり品質が担保されているかを判断できる訳ですから、本来の目的やゴールをブレずに把握したうえで、現状を見る力が必要です。

マネジメント能力

システムエンジニアには、基本的に「携わっているプロジェクトが成功するように」マネジメントする能力も必要とされます。たとえばシステム開発を受注後、開発スケジュールを意識しながら進めなければ、納期に間に合わずクライアントに大きな損失を負わせることになるかも知れません。

そのため、システムエンジニアは、プログラミング業務の進捗状況をはじめとして、システム開発が予定通り進んでいるか、管理することが不可欠です。プロジェクトはチーム全体で進めるため、大規模な開発では、プロジェクトマネージャーが進捗管理を行うケースもあります。

システムやインフラに関する知識

システムエンジニアはシステム開発が主な仕事のため、当然、システムにまつわる知識やスキルは必要不可欠です。クライアントが現在利用しているシステムの改善点を挙げたり、新しいシステムを提案したりすることがまず目標になるでしょう。システムを設計する際はもちろん、クライアントにシステムを説明する際にも、ソフトウェア的な観点やインフラ的観点から、十分な知見を持ち合わせていなければなりません。また、クライアントのリテラシーやスキルレベルに合わせて、難しい用語を言い換えるなど工夫も必要です。

システムに関するプロとして対応できれば、クライアントからの満足度が向上し、安心して任せてもらえる可能性が高まります。

プログラミングに関する知識

システムを開発していくにあたっては、プログラミング言語も習得しておかなければなりません。プログラミング言語といってもさまざまな種類があり、関わるプロジェクトによっても、必要とされる言語は異なります。

IT技術の進歩は早く、プログラミング言語のほかにも付随してデータベース、ネットワーク技術、セキュリティに関する知識などを持っていると重宝されます。ただ、システムエンジニアに必要とされるすべてのITスキルを一気に習得することは現実的でありません。大切なのは日々アンテナを高くして情報収集し、学習を欠かさないことです。

自分がどのように会社へ貢献できるか、採用担当者に把握してもらうために、上記のようなスキルを保有していることを職務経歴書でアピールしましょう。

システムエンジニアは、さまざまな業務をこなしていくことが求められます。転職を成功させるためには、ITスキルのみならず、コミュニケーション能力やマネジメント能力など、必要なスキルで不足しているものがあれば意識して伸ばしていくことが重要です。

まとめ

職務経歴書は、応募先の企業で役立つ経験が伝わるよう、担当した業務内容や規模、役割、上げた成果などを、数値を用いて具体的に記載することが大切です。テンプレートを参考に、ヒアリング能力・課題設定力・問題解決力など自身が保有するスキルも盛り込み、応募企業の開発スタイルに対応できる旨をアピールする職務経歴書を作成しましょう。

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