転職ノウハウ・コラム

第二新卒とは?いつまで?転職する際のメリットや注意点も解説

第二新卒とは、一般的に新卒で入社し、3年以内の求職者のことを指し、大きな枠組みでは中途採用の扱いとなります。転職市場においては、新卒よりも経験を問われるものの、20代の若さからポテンシャルや将来性を評価してもらえやすいという特徴があります。

本記事では、第二新卒がどういう立場なのか、転職する際のメリットやポイント、注意点を解説します。

第二新卒とは?第二新卒はいつまでを指す?

第二新卒に明確な定義はありませんが、一般的に新卒で入社し3年以内の求職者を指します。具体的に年齢で表すと、高卒の場合は21歳前後、大卒の場合は25歳前後、大学院卒の場合は27歳前後です。

企業によっては、20代の若手求職者全般を第二新卒として扱う場合もありますが、基本的には学校卒業後3年以内の社会人経験者を指してます。新卒よりも社会人の基礎が身についており、中堅・ベテランよりも成長の余白があるといった立ち位置です。

年齢も20代と若いため、将来的に自社を支える社員に成長することを期待されているのが、第二新卒という立場でしょう。

ほかの採用区分との違い

第二新卒以外の採用区分は主に以下の3つであり、それぞれ定義が異なっています。

採用区分定義
新卒高校・大学などの学校を卒業見込みの人
既卒高校・専門学校・大学などを卒業後、進学も就職もしていない人
中途第二新卒も含む就業経験がある人

注意点として、1~2回の就職浪人であれば、新卒として扱ってくれる企業も多く存在します。また、高卒・大学院卒で既卒となった場合でも、3年以内であれば新卒扱いにしてくれる企業もあります。
採用区分に定義はあるものの、学校を卒業して1~3年の間であれば、新卒扱いされるケースがあることを覚えておきましょう。

第二新卒者に企業が求めていること

株式会社マイナビが行った「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」によると、第二新卒であるZ世代の中途採用に積極的だと回答した企業は84.2%であり、転職市場において第二新卒には高いニーズがあることが伺えます。

企業が第二新卒を採用する際、以下のようなポイントに注目しています。

  • 仕事に対する熱意や将来性を含めたポテンシャルがあるか
  • 応募時や面接時に入社の意欲の高さが伝わってくるか
  • 志望動機が明確か(自社を選んだ理由、どうなりたいか、業務にミスマッチがないか)
  • 自社の事業や取り組みを事前に調べているか、理解できているか
  • 社会人経験からビジネスマナーが身に付いているか
  • 新卒と同等のポテンシャル(柔軟性や成長性)があるか

とくに企業が重視しているポイントは「仕事に対する熱意や将来性を含めたポテンシャル」です。

第二新卒は若手社員扱いのため、採用時にはポテンシャルの高さを評価している企業が多いです。粗削りでも仕事に一生懸命向き合う姿勢があり、成長を期待できるかどうかが重要なポイントになります。

次いで重視している企業が多いのが、「入社意欲の高さ」です。

第二新卒の細かい採用基準は企業によって異なりますが、仕事への姿勢・将来性に関しては、どの企業も見ていると認識しておくと良いでしょう。

第二新卒で転職するメリット

第二新卒は転職市場でのニーズが高く、第二新卒のタイミングで転職をするメリットも複数あります。新卒・中堅・ベテランとは違う魅力を持つ、第二新卒ならではの転職のメリットを紹介します。

ポテンシャルを重視してもらえる

第二新卒者は社会人経験があるとはいえ、3年以内と就業期間が短いため、現状の能力を重要視されることは基本的にありません。

現時点での能力や経験、実績よりも、柔軟性・人柄といった部分を評価される傾向にあり、将来的に成長しそうなポテンシャルがあるかどうかを判断されます。
その他にも、ビジネスマナーの基礎を習得しており、研修などの育成コストを多くかける必要がなく、早期戦力になることも期待されています。
また、就業年数が短いため、1社目の社内風土・企業文化の影響をそれほど受けておらず、すぐに自社に馴染めることも評価される傾向にあります。

異業種への転職がしやすい

未経験の業種への転職で必要とされることが多いのが、意欲の高さや成長力です。

第二新卒は社会人経験が少ないものの、素直さや成長力があるといったアピールポイントになります。また、業務に関しても未経験であるため、向上心や好奇心を持って仕事に取り組むことができる点も異業種への挑戦のプラス材料になるでしょう。(30代になると、異業種への挑戦が難しくなるとも言えますが)
柔軟性・向上心・好奇心は成長に不可欠な要素であり、企業にとっては将来戦力になる貴重な人材として雇用するメリットがあります。

適性を理解したうえで仕事選びができる

第二新卒での転職は、一度仕事を経験した分、「自分が求めている業務」や「何にやりがいを感じるか」などの自身の適性と向き合い、ミスマッチが生じにくい転職先を選ぶことができます。

業務経験から自身の長所や短所を見極め、転職先の業務内容・特徴と擦り合わせることで、転職活動の際に適切なアピールができるのもメリットです。

企業側からしても、自社の風土や業務内容との適性がある人材を採用できることにつながります。

第二新卒で転職するデメリット

もちろん、第二新卒で転職することはメリットばかりではありません。

不安要素やマイナス要素もあり、それらを転職活動の中でどうカバーできるかが、転職を成功させるポイントになります。ここで紹介する第二新卒で転職するデメリットもしっかりと理解しておきましょう。

すぐに辞めないかと不安視される

第二新卒は、新卒での就職後1~3年以内に転職しているため、働く意欲や忍耐力に問題があるのではないかと疑問を持たれることもあります。

そのため、志望動機や転職理由に説得力を持たせることで採用側の不安を払拭し、納得させる必要があります。

転職活動では、前職でのミスマッチ部分や努力したポイント、今後の自身のキャリアへの考えなどを具体性を持たせて伝えましょう。また、入念に企業について下調べをし、業務内容やキャリアについて具体的に話せるように準備しておくことが重要です。

年収が下がってしまう可能性もある

第二新卒で転職する場合、スキルや経験で優遇されることは少ないです。基本的には将来性やポテンシャルを理由に採用されることが多いため、年収が下がってしまうことがあります。

加えて、第二新卒は新卒と同じ扱いで採用されることも多く、給与面・待遇面も新卒と同様になるケースも少なくありません。
年収を下げたくないのであれば、給与水準が高い職種へ転職する、同業種へ経験者として転職する、成長している業界へ転職するなどの工夫が必要です。
(年収や入社時の評価はスキルや経験の対価として設定されることが多いので、ご自身が希望と、採用側の評価とのギャップは起こり得ると考えておくのが妥当です。)

その他にも、ベンチャー企業や営業など成果報酬型の職種・業界へ転職して結果を出すことで、第二新卒でも高い年収を得ることが可能です。

第二新卒での転職を成功させるためのポイント

転職市場で第二新卒のニーズが高いことは事実ですが、闇雲に転職活動をしても採用されるとは限りません。ここでは、第二新卒での転職を成功させるための4つのポイントを解説します。

転職の目的を明確にする

まずは、前職を辞めた理由や転職してからどうなりたいかなど、転職の目的を明確にしておくことが大切です。働き方を変えたい、収入をアップしたい、異業種へ挑戦したいなど、転職で何を達成したいのかを言語化しておきましょう。

転職の目的を明確にすることで、面接の質問にロジカルに答えられるようになり、面接官に対して説得力のあるアピールができます。面接で伝える転職の目的はなるべく1つに絞り、端的にわかりやすく説明するようにしましょう。

履歴書・職務経歴書では経験を踏まえて、独自のものを作成する

履歴書や職務経歴書は、テンプレートのような書き方ではなく、自身の言葉で書くことが大切です。

まずは、前職の業務経験から何を学び、どんなスキルを得たのかを明記します。加えて、自身の強み・人柄や、具体的に担当した業務についても記載するようにしましょう。そうした要素が、今回新たに応募する企業での職種や役割にマッチする内容としてアピールするのが理想的です。
また、同業他社ではなく、転職先の企業を選んだ理由や熱意を自身の言葉で書くことが重要です。

複数の企業に履歴書・職務経歴書を提出する場合でも、企業ごとにアピール内容を考え、書き分けるのがベストです。履歴書・職務経歴書からも人柄・誠意・熱量は伝わるため、丁寧に自分の思いを書くようにしましょう。

履歴書・職務経歴書の書き方については、以下の記事で詳細に解説しています。

企業が懸念していることを理解する

企業が第二新卒に対して抱いている大きな懸念は、「会社に馴染めるのか」と「長期間働いてくれるのか」です。とくに前職を3年以内で辞めているため、すぐに辞めずに長期間働いてくれるかは不安に感じています。

また、教育コストの観点から、予想以上にスキル・実務経験が不足していたり、コミュニケーション能力に難があったりしないかなども第二新卒の懸念材料として考えています。

面接ではこれらの企業の懸念点を払拭し、安心してもらえるような回答をすることが大切です。企業としても採用にはコストがかかるため、第二新卒の採用に関しては慎重にならざるを得ないことを心得ておきましょう。

自分が入社することで企業にメリットがあることを伝える

経験の浅い第二新卒とはいえ、企業側からすれば一定の戦力になることを見込んで採用に踏み切っている側面があります。そのため、自分のやりたいことや目的ばかりを伝えず、自分が入社することで企業側の目的達成のプラスになり、メリットがある印象を持ってもらうことが重要です。

企業側の視点に立ってみると、第二新卒の採用では中途採用と同様に、企業側の採用目的や、採用後に期待する役割・ミッションに向けて、その方が有効な人材なのか? が気になります。
従って、そもそもの募集背景や採用目的が何なのか? を理解しておくことも対策を検討する上での重要な点になると思います。何故なら、それを理解していないと、ご自身の持つスキルや経験の中で、どの点が評価されやすいのか? どこをアピールすべきなのか? が分からないまま面接に臨むことになる為です。

自分のこだわりが企業側の採用目的の弊害にならないよう、採用する側の視点に立ちながら、アピールするようにしましょう。

第二新卒で転職する際の注意点

続いて、第二新卒で転職する際の注意点を解説します。転職を成功させるために、大きく3つの注意点を押さえておきましょう。

退職するのは転職先が決まってから

転職市場でニーズの高い第二新卒ですが、すぐに転職先が決まるとは限りません。

退職してから転職活動をすると、転職先が見つからない場合に離職期間が長くなり、ブランクの長さが悪印象に与えてしまう可能性があります。
面接の際に次の仕事が決まる前に退職した理由を聞かれる場合もあり、誤魔化すような回答をせざるを得なくなるなど、採用にマイナスに働く可能性が高いです。
また、退職してから転職活動をする場合、すぐに転職先が見つからないと金銭的な問題も発生します。金銭面が苦しいからという理由で焦って転職先を決めないためにも、在職中に転職活動をすることが望ましいでしょう。

ネガティブな転職理由を話さない

面接で転職理由を話す時は、できるだけネガティブな表現は避けましょう。

とくに良くないのが、前職の業務内容を悪く言ったり、給与の不満やキャリアアップができないといった待遇への不満、会社の将来性を批判したりすることです。また、前職での人間関係を理由にしたり、社風・社員を悪く言ったりするようなこともあまりしない方がいいでしょう。
こういったネガティブな転職理由ではなく、ポジティブに受け取ってもらいやすい転職理由を話すようにしましょう。

たとえば、「御社の社風・理念に魅力を感じ、業務内容も自身の経験や適性を活かせそうと感じたため、この企業であれば成長できると確信し応募しました」など、相手の企業に敬意を払いつつ、自身の成長したい意識を伝える前向きな言い方をすると、好印象を持ってもらえます。
たとえネガティブな理由で転職を考えたとしても、自身の成長など、ポジティブな転職理由を伝えることが重要です。

条件にこだわりすぎないことも大切

転職する際は、具体的な目的やキャリアプランを立てることも大切ですが、条件にこだわり過ぎると選択肢を狭めてしまうリスクがあります。

例えば、業務内容はマッチしているのに残業が多いと感じたり、年収には納得したもののキャリア形成の点で不安になったりするなど、結局納得できる転職先が見つからない事態になりかねません。

ご自身の転職目的や転職によって実現したいことを改めて整理し、その目的実現に向けて労働条件や環境などの要素はどんな優先順位なのか? を自問した上で、その条件に優先順位を設け、妥協できるところは妥協し、広い視野を持って転職活動を行うことが大切です。

第二新卒で転職活動を始めるのに最適な時期は?

第二新卒で転職活動を始めるのに最適な時期は、1~3月と7~9月の期間です。求人自体は通年で募集が出されていますが、4月と10月がとくに募集が増えます。

4月は新卒社員が増える時期であるため、そのタイミングに合わせて第二新卒の募集も増えます。
また、7月頃に新卒採用と研修が落ち着き、人事や研修担当の業務に余裕が生まれるため、10月も第二新卒の募集が増える傾向があります。
一般的に、「下半期」が10月~といった企業が多いことも、この時期に求人が増えやすい理由でもあります。

募集開始から採用までには2カ月前後かかることが多いため、4月入社がしやすい1~3月、10月入社がしやすい7~9月に転職活動を行うと良いでしょう。

必ずしも4月・10月入社が良いわけではありませんが、傾向として覚えておくと、転職の際に役立つでしょう。

未経験でも第二新卒が採用されやすい業界

未経験から採用されやすい業界を知っておくと採用されるチャンスが広がります。ここでは、第二新卒が採用されやすい代表的な3つの業界を紹介します。

IT関連

IT業界は第二新卒の採用に積極的な業界なため、未経験からの転職先としておすすめできる業界の1つです。

経済産業省が2019年に行った「IT人材需給に関する調査」によると、2030年にはIT関連の人材が最大で79万人不足するという試算が出ています。
IT需要の伸びに対し、少子高齢化による労働人口の低下などによって労働生産性が追いついていないことがギャップとなり、IT人材不足の原因になっています。
さらに近年では生成AIが登場するなど、技術が急成長し続けているITの世界は、今後ますます活性化していくことは間違いありません。
IT人材の需要が高まることが予想できるため、IT関連の業界は若くて吸収力のある第二新卒の採用に積極的になっています。

製造業

製造業も、第二新卒を含む中途採用に積極的な業界です。

世界から評価されている日本の製造業(メーカー)は教育体制が整備されている企業も多く、第二新卒の立場でも大手企業からの採用を期待できる可能性があります。
また、製造業では専門的な技術を習得でき、企業の中でポジションを獲得しやすいため、キャリア形成の見通しがつきやすいのも魅力です。
1つの仕事にじっくりと向き合いたい人にも向いている業界です。

外資系

意外なところでは、外資系企業も実は第二新卒が採用ニーズがあります。

理由としては、そもそも人材不足に陥っていることと、海外では転職をポジティブに捉える傾向が強いため、コロナ後の景気改善も相まって、能力のある人材を積極的に採用する動きがあるためです。
加えて、折からの円安により、グローバル市場の雇用環境における日本人採用は、相対的にコストが下落しています。
そうした理由もあり、従来即戦力の中途採用が中心だった採用ターゲットが若年者に広がってきているように見えます。

注意点としては、基本的に外資系企業は、前職の勤続年数や年齢で社員の能力を判断せず、スキルや即戦力になるかどうかなど、実力主義の方向で採用を決めています。
第二新卒であっても採用基準は変わらないため、実力面を含め、外資系企業側が求めている人材像にマッチしているなら、採用してもらえる可能性は高いでしょう。

まとめ

第二新卒とは、一般的に新卒で入社し3年以内の求職者のことを指し、大きな枠組みでは中途採用の扱いとなります。転職市場においては、新卒よりも経験を問われるものの、20代の若さからポテンシャルや将来性も評価してもらえやすいです。

転職の際に年収・待遇などの面で好条件を提示されることは限られると思いますが、転職自体の難易度は比較的低くなっています。また、異業種への転職にも向いているため、新たな職種に挑戦したいと考えている人におすすめです。
とくにIT関連・製造業・外資系は第二新卒の採用に積極的なため、転職を考えている場合は候補にしてみてはいかがでしょうか。

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