【静岡県×テレワーク移住】増え続けるテレワーク移住の実情と移住後の生活とは… 2025/02/25
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2023年度の静岡県への移住者数は2890人で、統計を取り始めて最多となりました。その中でも、テレワークによる移住就業支援金(主に首都圏23区からの移住)の申請数も2021年度83件、2022年度220件、2023年度には300件以上となっており、首都圏から近い静岡県への移住は右肩上がりに増えています。
この件数はあくまで支援金の要件(東京23区に5年以上住んでいたか通勤していた)にあてはまり、かつ申請し受理された数のため、実際にテレワーク移住者の数はずっと多いと思われます。
テレワーク移住者は静岡県のどんなところに移住している?
完全テレワークではなく、週に1~2日・月に数回など出勤が求められる方は静岡県内でも首都圏から近い静岡県東部や伊豆の北部エリアを希望する方が多いようです。
また、中部や西部でも新幹線駅~東京駅までほぼ1時間圏内の県庁所在地静岡市や、東京と大阪どちらも1時間20分の浜松市もテレワーク移住者数が多い地方都市となっています。
Uターン移住者や、出勤する必要がないテレワーカーはこの限りではなく、県内まんべんなく移住しているようです。
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移住者にはどんな職業・働き方のテレワーカーがいる?
私が住む浜松市には、システムエンジニアやプログラマー、コンサルタント、デザイナーやライターなどクリエイター、編集者、Webマーケター、経理など事務職、翻訳や士業の方金融・保険業など実に様々で雇用形態も正社員・契約社員・業務委託・個人事業主と多様です。最近は、海外企業に所属している方も多くなってきています。
移住しテレワークを始めると共に働き方が変わった方もいます。ある移住者は都内の会社員だった頃、コロナ禍により1年半ほど在宅勤務になりましたが、その後はまた毎日出勤必須に戻ったそうです。出勤のために支度する時間や服装等外出にかかるコストが再び増え、コロナ禍以前にはさほど感じていなかった満員電車通勤がとても苦痛に感じたそう。そのころから地方移住を検討し始め、上司に移住とテレワークを相談したところNGだったためやむなく退職し、移住とともに独立し個人事業主になったケースです。
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またテレワーク移住した方の中には、せっかく移住したのだからその土地でも仕事をして交流を持ちたいという方もちらほら。会社が副業をOKであれば、地場の企業との接点を希望しビジネス交流会に参加する方や、転職を検討する方も少なからずいるようです。
移住する場所にもよりますが、もともと地方に住む人は金銭を得る仕事が一つではなく掛け持ちで働いている方が実は昔から多いです。平日は会社員、休日は実家の農業に従事する兼業農家は分かりやすいケースですね。移住者の中には、地域の方と仲良くなったことで使っていない田畑を借りたり、都会と比較するとかなりリーズナブルで借りられる市民農園で、仕事しながら農的暮らしをスタートする方もいらっしゃいます。
【移住者が語る】静岡県に移住して感じるメリットとは…
テレワーク移住者に話を聞くと、「居住空間が広くなり暮らしの質が上がった」「仕事の合間に外を見たり休憩に散歩をすると、広い空や山、海などの自然風景や田舎ならではの田畑など里の風景などを見ると心が洗われリフレッシュできる」「地元の新鮮な野菜や魚・肉が手に入り食生活が向上し日常が豊かになった」などおっしゃいます。
家で仕事をしているテレワーカーにとって、暮らす環境が与える効果は大きいようで、「季節を感じられることが多くなった」「都会では夏にセミの鳴き声はよく聞いていたが、朝鳥のさえずりで目が覚めるのが心地いい」「地方は庭をきれいにしている家が多く、道路の街路樹や公園で季節によって花が咲く樹木(春はモクレン、夏はさるすべり、秋はキンモクセイ、冬は山茶花や寒椿、スイセンなどなど)を多く楽しめる」など、自宅周辺の範囲で感じられるヒーリング効果が大きいようです。
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全国アンケートに見る「人生観の変化・幸福度」
また、会社や仕事中心の生活から人生観が変わり、お金より心の豊かさや人との繋がりをより意識するようになったいう声もよく聞きます。在宅勤務のテレワーカーは特に自分から外との関わりを作らないと地域との接点が希薄になりがちです。
地方では人口が少ない分、都会では縁が薄かった地域社会における役割も担うこともあります。移住して自治会の委員になる、清掃など地域を維持するため活動や、お祭りに関わるなど、そういった場面で今まで経験がない仕事や家庭以外の役割ができると、自分の居場所や仲間が増えたという方もいますよ。
(参考)
「地域に馴染めるか」「ご近所付き合い」「様々なコミュニティ」について<Part1>
「地域に馴染めるか」「ご近所付き合い」「様々なコミュニティ」について<Part2>
移住を機に散歩やサイクリング、釣りやスポーツ、アウトドアの趣味ができたおかげで年代も業種も関係なく仲間ができた話しや、「仕事一辺倒だった頃は家で寝て疲れを取るための休日だったが、今は休日に出かけたりするのが楽しみになった」というお話を聞くと移住コーディネーターとして嬉しい限りです。
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(参考)静岡県の地域幸福度
地域幸福度は、住民が地域の暮らしにどの程度満足しているのかを知る手立ての一つです。
※地域幸福度(Well-Being)指標とは、市民の「暮らしやすさ」と「幸福感(Well-being)」を数値化・可視化する指標です。住民アンケートによる主観指標とオープンデータによる客観指標があり、ダッシュボードで都道府県ごと・市町村ごとで誰でも閲覧できます。
https://well-being.digital.go.jp/dashboard
生活環境(医療・福祉、買い物・飲食、自然の恵み、子育て等16因子)はもちろん、地域の人間関係(地域とのつながり、多様性・寛容性)や自分らしい生き方(自己効力感や文化芸術など6因子)も数値化されています。
静岡県全体では自然の恵み・災害・景観や地域とのつながりの主観指標が高いようです。市町ごとでかなり数値は違っていて、年代ごとでも見られます。
実際にはご自身で感じる価値観を最も大切にしてほしいので、あくまで参考としてご覧くださいね。
テレワーカー移住者が移住時に重視するポイントは?
テレワークにはインターネット環境が必要な仕事が多いため、安定したネット回線が確保できることは重要なポイントです。静岡県内の光回線整備状況は年々向上していますが、一部の山間地ではケーブルテレビ回線を使っている地域もあります。(※各市町で整備状況は公表されています)また、特に年度変わりなどの引っ越しが混み合うシーズンは、回線工事も混み合いすぐにインターネットが使用できないケースも多くあるので、移住を決めた地域の状況を調べる、回線工事業者へ早めに連絡をするなど、前もって準備しておきたいですね。
テレワークにはインターネット環境が必要な仕事が多いため、安定したネット回線が確保できることは重要なポイントです。静岡県内の光回線整備状況は年々向上していますが、一部の山間地ではケーブルテレビ回線を使っている地域もあります。(※各市町で整備状況は公表されています)また、特に年度変わりなどの引っ越しが混み合うシーズンは、回線工事も混み合いすぐにインターネットが使用できないケースも多くあるので、移住を決めた地域の状況を調べる、回線工事業者へ早めに連絡をするなど、前もって準備しておきたいですね。
上手に使いたい!静岡県内のコワーキングスペース
「ずっと家で仕事をしていると煮詰まってくるので、たまにカフェやコワーキングスペースを使っている」という声も多く聞きます。静岡県内のコワーキングスペース・シェアオフィスの多くは、それぞれの市や町のターミナル駅周辺にありますが、車を日常使う方にとって使いやすい、郊外にある駐車場完備のコワーキングスペースも意外とありますのでマップで確認できるこちらのサイトをご覧ください。
サテライトオフィスしずおか https://shizukuru.pref.shizuoka.jp/satellite_office/share.html
移住前に現地を見て回る際に、ドロップイン可能なスペース・オフィスをお試しで使ってみたり、開催するイベントに参加すると、どんな人が集まっているのかなど雰囲気が掴みやすいのでおすすめですよ。
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【静岡移住時のワンポイント】車社会について
地方は車社会と言われますが、静岡県もほとんどの地域が車社会。比較的公共交通が発達しているエリアであっても、働く世代では車を使っている人の方が実は圧倒的に多いのです。それは地元の企業や、買い物環境・遊ぶ場所が充実しているエリアが駅周辺ではない郊外に多いことも理由に挙げられます。
そのため、移住し日常生活で車を使うようになる方は、移動交通費の代わりにガソリン代や車検費用などの維持費がかかります。(JR沿線では、カーシェアを使っている方もいます)
しかし地方では電車やバスより、ドアtoドアで短時間で目的地に行けるのは車の最大の魅力です。特にお子さんが小さい期間は、子どもに必要以上に静かにさせる必要がなくのびのび移動できることや、家族が多くなると一緒に移動すればコストダウンになる車のメリットは大きくなるでしょう。
テレワーカーがこだわる住まいポイントはココ!
テレワーク移住を希望される方は家にいる時間が長いため、比較的「住まい」「居住空間」を重要視する方も多いです。お子さんやペットがいるご家族は特に仕事に集中できるスペースが確保できるかを気にしている方が多いように感じます。
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人気が高い地方都市エリアでは、一戸建て賃貸は集合住宅賃貸よりも物件数が少ないため。一戸建て感覚で住めて上下階の音や振動を気にしなくてもいいテラスハウスも人気です。
中古一戸建てやマンション購入・新築を建てる場合であっても、希望条件に合う物件や土地探しには時間を要します。また、地域のことを知らずに物件だけで飛びついて、文化風習のギャップに慣れるまでかなり苦労するケースもあります。物件探しはもちろん、地域を知るため移住までの期間は余裕を持って、計画的に住まいを探すのがお勧めですよ。
(参考)+Oの住まい https://plus-o-house.jp/ (+O=住まい+オフィス)
静岡県へテレワーク移住について様々な角度でお伝えしました。移住の検討を始めたらネットでの情報収集と共に現地にたくさん足を運び、実際に地域を見て感じて人とふれあって、静岡でのお気に入りをたくさん見つけてくださいね。
Achieve Career(アチーヴキャリア)は、静岡県・愛知県への移住時の転職をサポートしております。地場の求人媒体社である株式会社アルバイトタイムスが運営し、3,400案件を超える豊富な案件ラインナップを含め、移住時の支援金に関する情報提供もさせて頂いております。又、静岡県が推進する「ふじのくにに住みかえる推進本部」構成員として、国内・海外から静岡県への移住者の転職サポートを行っております。
移住時の転職に関しては「移住アドバイザー・藤原啓之(ふじわらひろゆき)」までお問合せ下さい。
【コンサルタント紹介】
藤原啓之 https://achieve.atimes.co.jp/career/consultant/fujiwara
お問合せ 0120-887-708
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執筆者:宮嶋千恵美(chiemi miyajima)
浜松移住コーディネーター。国家資格キャリアコンサルタント。沼津市、浜松市、静岡市、富士宮市に転職&移住経験を経て、2015年~認定NPOふるさと回帰支援センター内の静岡県移住相談窓口にて移住相談員を務めた後、2020年浜松市へUターン。移住した方々との交流や、地元食材を使った料理とドライブが趣味