システム開発における工程(フェーズ)とは?未経験者がはじめに担当することの多い工程や目指しやすい職種も解説 2025/3/26版

「システム開発の工程ってどのようなステップがあるの?」
「未経験だけど、どの職種から始めるべき?」
このようなお悩みはありませんか?
システム開発においては、作業単位で「工程=フェーズ」で作業内容や役割が分かれています。
工程とはシステムやソフトウェアを作るための作業工程のことを指します。(別称でフェーズとも呼んでいます)
また、システム開発は着手してから完成するまでの期間が長いため、特定の工程の作業者のことを職種として呼称しています。例えば、プログラミングの工程を担う役割のことを「プログラマ」と呼称する事例などがそれにあたります。
そうした意味でも、ITエンジニアとして転職する際には、それぞれの工程(フェーズ)について理解しておく必要があるでしょう。
そこで、本記事では、IT業界を目指す未経験者へ向けて、以下の内容について解説します。
- 開発工程の全体像や各工程の特徴
- 未経験から挑戦しやすい工程(一般的に未経験求人だと、まずはここからになる)
キャリアの第一歩を踏み出すための参考として、ぜひ最後までお読みください。
システム開発の工程を詳しく解説
IT業界におけるシステム開発工程は、ざっくりと次の6つの工程で構成され、それぞれに明確な役割があります。
区分(大分類) | 工程・フェーズ(小分類) | 概要 |
上流工程 | 要件定義 | クライアントやユーザの実現したいことを集約し、仕様を作成 |
上流工程 | 基本設計(外部設計) | システムの構造を決定し、システムの仕様を定義 |
下流工程 | 詳細設計(内部設計) | システム・アプリの「中身(機能・動作)」に関する設計 |
下流工程 | プログラミング(製造) | 設計にもとづいてコードを作成 |
下流工程 | テスト(単体・結合・ユーザ) | プログラムが仕様通りに機能することを確認 |
下流工程 | 運用・保守 | システムを継続的に運用し、必要に応じて改善 |
例えば、小規模なアプリケーションにおいては、上流工程から下流工程まで全ての工程を一人でこなしたりするケースもあります。しかし、開発規模が大きくなる場合は、工程を分割し役割分担することで、専門的な知識を活かしやすくなり、効率的な作業と高い品質の維持が可能です。また、一般的に要点定義から基本設計までを「上流工程」、詳細設計から保守・運用までを「下流工程」と呼びます。
ここでは各工程について、詳しく解説します。
1.要件定義
要件定義はIT開発の最初のステップで、「どのようなシステムをどのように作るべきか」を決定する工程です。
顧客へのヒアリングを通じて、システムの仕様や機能、予算、納期を決定し「要件定義書」としてまとめられます。
要件定義のポイントは、以下の3つです。
- 目的を明確にする:システムを開発する理由や、解決すべき課題を整理する。
- 関係者と認識を合わせる:お客様や開発チームと話し合い、共通の理解・言葉を持つ。
- 実現可能か検討する:納期、コスト、技術、資源等の点から、実際に作れるか、コストが適切かを確認
開発の成功を左右するこの工程では、正確にニーズを把握するためのヒアリング力や、要件をわかりやすく資料に整理する力が必要になります。
ここで決めた内容をもとに、予算、人員、スケジュール、使う技術なども設定していきます。
そうしたことを決めることが出来る人、すなわち下流から上流までこなしてきたような方が当工程を担えるとも言えます。
2.設計
設計は、要件定義にもとづいてシステムの全体像を具体的にする重要な工程です。
「基本設計(外部設計)」と「詳細設計(内部設計)」の2つに分けられます。
具体的な内容は、以下の表の通りです。
種類 | 概要 | 目的 |
基本設計(外部設計) | 画面の見た目や操作性など、システムの見た目や使い勝手を決定 | システムとしての仕様を実現し、わかりやすく使いやすい作りを目指す |
詳細設計(内部設計) | プログラムの内部構成やデータ構造などを具体化 | システムとしての稼働を実現し、性能や安定を確保する |
基本設計では、要件定義書をもとに機能や構造を具体的に決めていく工程です。
処理の流れを設計し、それを機能ごとに区分し、機能単体として実現する内容を決めていきます。(人間の作業をコンピュータによる作業に置き換えるイメージ)。
一方、詳細設計は、基本設計で決められた機能をコンピュータが正しく制御・処理できるように細かく設計していく工程となります。いわばプログラミングをする為の準備です。
設計工程では、論理的思考力や解決したい対象業務に係る知見が求められるため、未経験者にとってはハードルが高い工程といえるでしょう。
逆に言えば、特定の業界知識や、業務知識を持っている方は、その業界や業務に向けたシステムを作ろうとしたときに武器になる知識を持っている事にもなります。
言ってみれば、該当業界や業務をする上での不便や課題、ルールなどを理解しているほど、その解決策や解決すべき事案が分かったうえで設計できるため、ユーザにとってより使いやすいシステムを設計できる材料になる訳です。
なお、要件定義+基本設計(または基本設計)を担える役割を職種として一般的に「システムエンジニア/通称:SE」と呼びます。
【システムエンジニア】職務経歴書の書き方!見本テンプレート付きでポイントを解説。 2023/4/28版
3.プログラミング
プログラミングは、設計の段階で作成された設計書をもとにプログラムコードを記述し、実際にシステムを形にしていく工程です。製造工程や実装工程と呼ぶケースもあります。
システムを正常に動かすためには、人間が扱う言語をコンピュータ側が適切に理解できる言葉に変換して伝える必要があります。その際に使用される言語が「プログラミング言語」です。
プログラミングの工程では、人間の言葉をプログラミング言語に置き換えてコンピュータに伝える「通訳者」のような仕事をします。開発するシステムの用途や目的、ユーザ側の利用環境等によって、利用するプログラミング言語は異なります。プログラミング言語によって得意・不得意な処理や稼働環境があるためです。家づくりに例えるならば、鉄筋コンクリートなのか、木造の在来工法なのか、ツーバイフォーなのかといったイメージで、建てる家の用途に応じて建築手法を変えるのと同じです。
(要件定義の工程で開発方式等が固まるため、そこで指定されます)
プログラミングの工程では、顧客の要望通りのシステムを実現するため、仕様書・設計書に忠実に開発を進めることが大切です。
4.テスト
テストは、完成したプログラムが設計書通りに動作するか、不具合がないかを丁寧に検証するフェーズです。
何種類ものテストを実施することで、システムの品質が高まり、納品後のトラブルを防ぎます。
以下の表が主なテストの種類です。
種類 | 内容 |
単体テスト | プログラムが設計通り正しく動くかを確認する |
結合テスト | プログラム同士を連携させて、機能として問題なく動くかを確認する |
システムテスト | ソフト全体を実際に動かして、仕様通り問題なく動くか確認する |
運用テスト/ユーザテスト | 実際にユーザが使用した環境を想定し、トラブルが発生しないか確認する |
この工程をへて、実際にシステムをリリースする流れになります。
テスト工程では、論理的思考力と注意力が必要です。
とはいえ、プログラミングのスキルが完璧ではなくても担える工程という意味では、未経験者が最初にチャレンジしやすい工程と言えるでしょう。
なお、詳細設計+プログラミング+単体テスト(またはプログラミング+単体テスト)をこなす役割を職種として一般的に「プログラマ/通称:PG」と呼びます。
また、テスト工程だけに絞って担うエンジニアのことを「テスター」や「テストエンジニア」と呼びます。
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5.運用・保守
運用・保守は、実際にシステムがリリースされた後、稼働しているシステムに対し安定的な動作を維持させるために管理する工程です。
システムをリリースしたあとに、不具合やセキュリティの更新が発生する可能性があります。ユーザが長期的に使用できるように都度メンテナンスが必要です。
運用・保守の工程では、以下のような業務を実施します。
- サーバの監視やシステムのアップデート
- ユーザからの問い合わせ対応
- ヘルプデスクでのサポート業務
- システム改修要望があった場合の対応
システムを安定して動かすことで、顧客が安心して利用できます。また、トラブル時での素早い対応によりユーザーの満足度も高まるでしょう。
コミュニケーション能力を活かせる業務も多いため、未経験の方が最初にトライしやすい工程です。
【運用保守】職務経歴書の書き方!見本テンプレート付きでポイントを解説。 2023/4/28版
開発工程を分割して作業する3つの目的
システム開発が複数の工程に分かれているのには、「業務効率化」と「品質の向上」といった目的があります。具体的な理由は、以下のとおりです。
- 大規模開発では分業が必須なため
- 品質管理とトラブル回避のため
- 効率的なプロジェクト進行のため
それぞれ解説していきます。
1.大規模開発では分業が必須なため
システム開発工程では分業での作業が不可欠です。
開発の規模が大きくなるほど、完成させるために係る期間が長くなります。
それゆえ、当然ながら一人ですべてを管理するのは困難となります。加えて、各工程で専門的なスキルが求められます。フェーズごとに担当者を割り当てることで、各分野のプロフェッショナルによる適切な判断が可能です。
適切な分業体制を整えることで、開発の進行がスムーズになり、結果として品質の向上にもつながります。
2.品質管理とトラブル回避のため
IT業界で工程を分割する理由のひとつは、品質管理とトラブルを回避するためです。
各工程で品質管理を徹底することで、バグやトラブルを抑えるなど、より高品質な開発が実現できます。
具体的なメリットは、主に以下の通りです。
- 後工程での修正コストを大幅に削減できる
- リリース後の障害発生を未然に防げる
- 仕様のズレを防げる
また、工程ごとにチェックポイントを設けることで、問題の早期発見と対策ができるため、開発の品質が保証されます。
3.効率的なプロジェクト進行のため
IT業界の開発工程を分割するのは、プロジェクト進行の効率化のためです。
工程を明確化することで、各作業の進捗状況を把握しやすくなります。また、スケジュール管理が容易になり、無駄な作業を省くことが可能です。
たとえば、工程や担当を分けて役割が決まることで、迷いがなくなり、進行がスムーズになります。
計画的に開発を進めることで、プロジェクトの成功率が高まり、クライアントからの信頼獲得にもつながるでしょう。
システム開発における方式で代表的な3つの手法(モデル)
IT業界の開発方式には複数の手法が存在し、それぞれ異なる特徴があります。開発方式の代表的なモデルは、以下の3つです。
- ウォーターフォールモデル
- アジャイル開発
- DevOps(デブオプス)
それぞれ解説します。
1.ウォーターフォールモデル
ウォーターフォールモデルは、「要件定義→設計→実装→テスト→運用」と滝のように順番に工程を進めるのが特徴で、システム開発の基本となる手法です。
工程ごとにタスクが明確に区切られているため、全体のプロセスを管理しやすく、大規模なシステム開発に適しています。
以下のような、いわゆる手堅さが求められるソフトウェアの開発に最適です。
- 金融システム
- 官公庁向けのプロジェクト
一方で、ミスや不具合があった場合に、一度進めた工程に戻ることが難しい点がデメリットになります。
仕様変更が難しいため、初期の要件定義が重要であり、詳細な仕様書の作成や承認プロセスの徹底など、慎重な計画が必要です。
2.アジャイル開発
アジャイル開発は、短い期間で何度も開発や修正を繰り返して、機能を追加しながら柔軟に進める手法です。
定期的なミーティングや、作業の流れを「見える化」しながら、ユーザーが実際に使用できる最小限の機能を開発・リリースするサイクルを繰り返していきます。
開発途中での仕様変更にも柔軟に対応できるメリットがあり、変化の多いプロジェクトに適しています。
アジャイル開発が採用されるのは、以下のようなプロジェクトです。
- Webサービス開発
- スタートアップ企業の開発プロジェクト
アジャイル開発では、チーム全体のコミュニケーションが成功のカギになります。ただし、計画変更が頻繁に起こり、全体的な進行管理が難しい場合もある点がデメリットです。
また、つぎはぎ的な開発も発生する恐れがあることから、ハードウェアを制御するようなソフトの開発にはあまり向いておらず、Webやゲームなどシステム上だけで稼働するようなソフトウェアの開発に向いています。
3.DevOps(デブオプス)
DevOpsは開発(Development)と運用(Operations)を組み合わせた言葉で、開発と運用が協力しながら素早く安定したシステムを作る手法です。
テストとリリースを自動化するツールや、システムやサーバの動作を監視するシステムなど使用し、開発から運用までの効率化と、システム運用の安定化を図ります。
DevOpsを採用するメリットは主に以下の通りです。
- 開発スピードが向上する
- バグやトラブルを減らす
- チームの連携がアップする
DevOpsはスマホアプリ、クラウドサービスなど、頻繁なアップデートが必要なシステム開発に適しています。
しかし、働き方の変革や開発と運用の連携強化など、導入の複雑さがデメリットとなる場合もあるでしょう。
未経験者がトライしやすい開発工程(職種)3選
未経験者がITエンジニアとしてデビューした場合、概ね以下の工程からスタートすることが多いでしょう。
- テスト
- 保守・運用
- プログラミング
それぞれ解説していきます。
1.テスト
テスト工程は、開発工程の中で未経験者が始めやすい工程の一つです。専門的な資格が求められず、未経験歓迎の求人も市場に多いためIT業界への第一歩として最適といえるでしょう。
この工程を担う役割は「テスター」「テストエンジニア」「デバッカー」等の職種名で募集されます。
テスト作業では、筋道を立てて考えるための「論理的思考力」や、小さな違いや不自然な動きに気づく「観察力」が大切です。また、プログラムの挙動を点検する作業の中で、実際のプログラミングスキルを習得していくこともできますので、IT業界デビューには最適です。
また、経験を積めば、プログラマやSEといった開発エンジニアへのキャリアアップだけでなく、テスト自動化の専門家や品質管理のプロフェッショナルのような、テスト工程のスペシャリストとしての職種へキャリアアップも可能です。
2.運用・保守
保守・運用は、IT業界未経験の方にとって参入しやすいフェーズです。稼働中のシステムを維持・管理する仕事で、マニュアル化された手順に沿って段階的に知識を身につけられます。
保守・運用では、トラブルや障害に対しての「問題解決能力」や、正確でわかりやすく伝えるための「コミュニケーション力」が必要です。
職種名としては「運用・保守」や「サポートエンジニア」「ヘルプデスク」「テクニカルサポート」等の呼称で募集されます。運用・保守を行う中で、自身が保守するソフトウェアの知識を得たり、ユーザ支援の中で培う業務知識を得る事で、将来的にプログラマやシステムエンジニアといった役割へのステップアップも期待できるでしょう。
3.プログラミング
プログラミングはソースコードの記述など、ソフトウェアを実際に動かすための作業を担当する役割です。
職種名としては「プログラマ」という名称で募集されています。
IT未経験で本当にプログラマになれるのか? ・・・と思う方も居るかもしれません。
当然、一定のプログラミング能力が求められるため、事前の勉強は必須です。
それは、プログラミングスキルがない場合、業務に携わっても作業が進められないためです。
しかし未経験であっても、積極的な学習意欲をお持ちの方や、知識を習得している方等であれば、チャレンジは可能です。
テスト工程や運用保守の工程からスタートするのに対してややハードルが高いとは思いますが、一方で最初からプログラマとしてスタートできた場合、次のステップへのキャリアアップの近道になることは間違いありません。
もしもプログラマからのスタートを目指すようであれば、まずは独学やスクールなどを活用してプログラミングを習得しましょう。その上で、何らかの作品や学習の成果等をアピールできるようになったタイミングで、未経験でも可能なIT求人に応募するのがおすすめです。
補足:ネットワークエンジニア
ここまで、アプリケーション開発の工程の解説をしてきましたが、実は触れていない部分があります。
それは、ITインフラについてです。
ITインフラは、アプリケーションが動くために必要なサーバやデータベース、ネットワーク等のことを指します。
システム開発において、アプリケーションの開発をすることが一番の目的ではありますが、そのアプリケーションが動く事が大前提です。
そうした意味で、開発工程に並列する形で、インフラを設計、インフラ構築といった工程が動いています。
こうしたITインフラを構築する工程を担う役割が「インフラエンジニア」です。
未経験者向けの募集という点では、このインフラエンジニアの中で「ネットワークエンジニア」のポジションが募集として出やすい傾向があります。
システムを稼働させるうえで、ネットワークを介して使う事が多いため、それを設計に応じて構築したり、運用保守する役割です。
未経験者向けの募集ではネットワークの運用保守が中心であるため、「運用・保守」のポジションに包含されているケースも多いですが、ネットワークエンジニアという形に切り分けて募集されていることもありますので、念のため承知しておきましょう。
【ネットワークエンジニア】職務経歴書の書き方!見本テンプレート付きでポイントを解説。 2023/4/28版
工程を表す略語
ここでは、システム開発工程を表す、略語について紹介します。
職務経歴書の中などで用いることで、過去の開発経験をシンプルに表現出来たりします。
そうした意味で、あらかじめ把握しておくと良いかもしれません。
<覚えて起きたい現場でよく使われる用語・略語一覧>
「SP」:企画
「SA」:要求分析/システム方式設計要求分析
「RD」:要件定義
「UI」:基本設計
「BD」:基本設計
「SS」:構造設計
「FD」:機能設計
「DD」:詳細設計
「PD」:詳細設計/プログラム設計
「PS」:詳細設計
「CD」:コーディング
「PG」:プログラミング
「PT」:総合テスト
「OTO」:運用テスト
「工程(フェーズ)」と「職種」について
ちなみに「プログラマ」という職種で勤務していたとしても、担当プロジェクトにおいて開発が終われば、そのまま運用保守の工程を担当するケースもあります。
一方で、IT系以外の職種を見ると、例えば「営業職」は基本的には営業活動を行う事を目的とした職種ですが、IT系職種は前述したとおり「工程」を担当する人のことを「職種」として表現しているケースが多いため、IT系以外の職種に比べると厳密な線引きが難しい部分がある点は承知しておきましょう。
システムエンジニアだったとしてもプログラミングもしますし、プロジェクトリーダーだったとしてもテストを行います。(規模・進捗・役割分担・会社の組織体制などにもよる)
【未経験者向け】開発工程に必要なスキル
未経験としてIT業界に転職し開発に携わる際には、必要なスキルがいくつかあります。転職前に身につけておくことで、業務に携わる際に有効活用ができるでしょう。また、スキルを適切にアピールすることで転職活動を有利に働かせることも可能です。
開発工程で必要なスキルは、以下の5つです。
- 論理的思考力
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
- 基本的なIT知識
- プログラミングスキル
それぞれ解説します。
1.論理的思考力
開発工程において、論理的思考力はシステム設計やプログラミングを進めるために欠かせないスキルです。この能力があると、問題を整理して原因を見つけ出し、適切な解決策を考えられます。
論理的思考力が役立つのは、以下のようなシチュエーションです。
- システムの不具合を順序立てて調査する時
- 顧客の要望を具体的なシステム設計に変換する時
- チームメンバーに問題点をわかりやすく説明する時
この力は、メンバー同士のコミュニケーションも円滑にします。明確な説明ができるとチーム全体の理解が早く進むため、業務効率化につながるでしょう。
論理的思考力を高めるには、日常的な練習が大切です。普段から仮説を立てて思考したり、本を読んだりして鍛えましょう。また、実際にプログラミングをすることで養えるスキルとも言えます。
2.コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、チームでの協力や顧客とのやり取りにおいて、とても大切なスキルです。ただ言葉を交わすだけでなく、相手の気持ちや考えを理解し、適切に応える力も含まれます。
開発工程では多くの人が関わるため、情報を正確に伝えたり、意見の違いを調整したりする力が必要です。
たとえば、システムに問題が起きた際、チーム同士で上手に情報を共有できれば、スムーズに解決できます。
以下の方法が、コミュニケーション力を高める一例です。
- 定期的なチームミーティングで情報共有の場を作る
- メールやチャットツールを使って素早く情報を伝える
こうした取り組みは、コミュニケーション能力アップとともに、チームワークの向上や顧客満足度の増加につながります。
3.問題解決能力
システムの開発工程では、トラブルを素早く解決する問題解決能力が大切です。予想していなかった問題が発生した際、冷静に状況を分析し、適切に対応できる能力が求められます。
たとえば、サーバが突然止まった場合には、原因を探して再起動や設定の見直しを実施し、早急に復旧させなければなりません。
問題解決能力を高めるためには、以下の方法が効果的です。
- PDCAサイクルなどの問題解決フレームワークを活用する
- 過去のトラブル事例から学び、対処法を身につける
- 実際の問題に備えたシミュレーションを実施
- 何事も「原因」を考える習慣
論理的思考や分析力をもとにした問題解決能力を身につけると、複雑な問題も段階的に解決できます。
4.基本的なIT知識
開発工程、とくに保守・運用フェーズでは、基本的なIT知識が欠かせません。プログラミングだけでなく、ネットワークやサーバ等の仕組みや、そもそものPCの使い方等を理解していないと、トラブルが起きた際に正しい対応ができず、問題解決が遅れてしまいます。
基礎を身につけるには、次のような方法がおすすめです。
- オンラインコースや書籍で学ぶ
- 資格を取得する(ITパスポート、基本情報技術者試験など)
- 実際のシステムに触れて経験を積む
ITエンジニアとして活躍するためにも、IT基礎をしっかり学び、応用できる力を身につけましょう。
5.プログラミングスキル
プログラミングスキルは、システムの開発において基本的な能力です。このスキルがなければ、実際のシステムやアプリに携わるのが難しくなります。
当然ながらプログラミングを担う工程で必要となり、未経験者が実務で活躍するための土台となります。
未経験者におすすめの言語は、以下の3つです。
- Java:基本概念やオブジェクト指向の考え方が身につく。最も汎用性が高くそれゆえ求人も多い。
- JavaScript:Webページでよく使われる。汎用性が高く様々な開発プロジェクトで必要とされる。
- Python:シンプルな文法で学びやすく、今後さまざまな分野で活用が期待される
学習方法としては、プログラミングスクールなどで体系的に学習するのがおすすめです。未経験からでも始めやすく0からでも問題なく始められます。
また、UdemyやCodecademyといったオンライン学習サイトや、教則本などを活用した自主学習も効果的です。初心者向けに作られており、実際に手を動かしながら学べるので上達が早いでしょう。
「ITエンジニアへの転職」が第一の目的であれば、求人数という意味で「Java」を学んでおくのが最も有効です。
未経験からITエンジニアへの転職はできる?ポイントを解説! 2022/11/11版
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未経験からIT業界に転職するための3STEP
未経験からIT業界に転職するためには、以下の3つの手順を実施しましょう。
- 業界や職種について勉強して希望を決める
- 業界について勉強する
- 転職エージェントを利用して転職活動する
それぞれ解説していきます。
手順1:業界や職種について勉強して希望を決める
IT業界への転職では、まず就きたい職種を明確にしましょう。IT業界には多くの職種があり、必要なスキルや経験は職種によって異なります。
自分に合った職種を選ぶためには、以下のように進めるのがおすすめです。
- 各職種の特性を理解する
- 自分が実現したいことを明確にする
- 転職したい理由を考える
やりたいことと合わない職種を選ぶと、ミスマッチが生じてキャリアが続かない恐れがあります。また、未経験からの転職では、志望動機が採用の重要なポイントです。
そのためにも、業界や職種をしっかりとリサーチし、自分のビジョンに合った職種を選ぶことが成功への近道といえるでしょう。
もしも不安があれば、転職エージェントへの相談がおすすめです。
未経験からITエンジニアへの転職をサポート Achieve Career(アチーヴキャリア)
未経験からITエンジニアを目指す方向けコラム
手順2:業界の基礎知識を勉強する
業界の基礎知識を勉強することで、仕事の具体的なイメージがつかめます。
これらの知識は、次のような方法で学ぶのがおすすめです。
- 書籍での独学
- 無料・有料のオンライン講座
- スクールや通信講座
また、厚生労働省が提供する「ハローワークインターネットサービス」では、条件に合った職業訓練コースを探せます。
未経験でもITエンジニアを目指すことは可能です。
しかし、企業は少しでも早く戦力になることを期待しているため、プログラミングの基礎知識があると転職が有利になります。
時間やお金に余裕がなくても、自宅でネットや本を使って実際にプログラミングの練習をすることが大切です。
ハローワークインターネットサービス|厚生労働省
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手順3:転職エージェントを利用して転職活動する
IT業界への転職を考えている場合、転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントでは、あなたの経験やスキル、希望に合った仕事をプロのキャリアコンサルタントが紹介してくれます。
さらに、転職エージェントでは、以下のサポートも充実しています。
- 履歴書や職務経歴書の作成のお手伝い
- 面接対策のアドバイス
- 転職後のフォローアップ
また、転職サイトも便利なツールです。多くの求人情報を一度に見られるため、比較検討が簡単にできます。条件に合わせて検索することも可能なため、転職活動の時間を節約できるのが特徴的です。
IT業界に特化した転職エージェントや転職サイトを利用すると、より自分に合った仕事が見つかりやすくなるためおすすめです。
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20代未経験ITエンジニア転職のための、職務経歴書の書き方 2023/5/11版
未経験からITエンジニアにチャレンジするならAchieve Career
システム開発工程の全体像を知ることで、未経験でも自分に合ったキャリアの選択肢が見えてきます。
まずは業界理解から一歩を踏み出すことが大切です。そして、業界に必要なスキルや基礎知識を学んでステップアップしていきましょう。
また、未経験からITエンジニアを目指すなら転職エージェントの利用がおすすめです。
プロのコンサルタントによる丁寧なヒアリングをもとに、自分に合った職種を紹介してもらえます。
もし、首都圏・愛知・静岡エリアでITエンジニアへの転職を考えている方にはAchieve Career(アチーヴキャリア)がおすすめです。
また、Achieve Career(アチーヴキャリア)では、未経験からIT業界への転職のサポートや20代向けの無料プログラミング研修サービスを実施しています。
無料の転職相談も受け付けておりますのでぜひ、お気軽にご相談ください。
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